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中国、先端製造業を育成=産業用ロボット

2015年07月31日

 中国政府は30日、産業用ロボットなど先端的な製造業の育成を目指す方針を明らかにした。政府が主導して企業の技術革新を促す。チャイナ・ウオッチが北京発共同電として伝えた。

 中国の製造業の競争力が低下する中、経済成長の新たな原動力にする。経済政策全般を担う国家発展改革委員会が記者会見で明らかにした。委員会幹部は、日本のファナックと安川電機を含む世界の四大ロボット企業の具体名を挙げた上で「核心的な技術を握っており、中国も攻め落とさなければならない」と述べ、技術面で追い付くべきだと強調した。

 ほかに高速鉄道や地下鉄、電気自動車(EV)、先端医療機器などの産業振興も目指す。国有企業などに政府の資金を投じて研究開発の活発化や生産拡大を目指すとみられる。

 中国は低価格の製品を作る製造業が盛んだが、人件費の上昇で生産コストがかさみ、国際競争力が低下している。経済成長が鈍化する一因になっている。

浙江省は380人に1人が資産1000万元の富豪‐胡潤研究院

2015年07月30日

 中国の民間調査機関、胡潤研究院はこのほど「2015胡潤浙江地区財富報告」を発表した。それによると、浙江省の資産1000万元(1元=約20円)の富裕層は14万6000人で、同省の380人に1人が資産1000万元の富豪だった。

 チャイナ・ウオッチが30日、杭州26日発新華社=共同電で報じたもので、浙江省の企業経営者(本社所在地が浙江省または同省出身の企業家)計193人の資産が20億元を上回った。

 また、浙江省の資産家で、資産600万元の富裕層は全国の13%にあたる41万人に達しており、全国第4位。資産1000万元の富裕層は全国の12%にあたる14万6000人。資産1億元以上が8790人、5億元以上が2004人で、共に全国の約11%を占めている。

 中国の電子商取引最大手、アリババ集団の馬雲氏が浙江省随一の資産家で、中国飲料大手の娃哈哈(ワハハ)創業者の宗慶後氏と中国最大の自動車部品メーカー、万向集団創業者の魯冠球氏を含む3人が同省の長者番付のトップ3人。

 中国の慈善家ランキング「胡潤慈善」では、浙江省の慈善家9人が上位100人に名を連ねており、馬雲氏一族の寄付金は146億5000万元で、第1位となっている。

 胡潤研究院の蕫事長兼主席調査研究員のルパート・フージワーフ氏はこの結果について「浙江省の企業経営者はとても優れている。同省の人口は全国のわずか4%だが、長者番付では15%を占めている。しかも、順位はいずれも上位で、これまでに多くのトップを生んできた」と指摘。「(これ以外にも)目立たない企業経営者も多く、こうした"隠れた富豪"も入れると、約600人が長者番付に入る資格があり、資産100億元にのぼる富裕層は80人いると見込まれる」と語っている。

 浙江省で富豪が最も多い業種は製造業で、2位が不動産業、3位がアパレル業となっている。

中国のあれこれランキング「2012中国富豪ランキング(胡潤HURUN研究院)
中国の新語&ネット用語「官二代(クワン アールタイ guan erdai)

中国、インフラ投資計画を次々に発表=上半期約4兆元

2015年07月29日

 中国が大規模なインフラ投資計画を次々に発表している。チャイナ・ウオッチが29日、北京発新華社=共同電で報じたもので、中国はインフラ投資を持続的安定成長の「切り札」と位置づけており、発表されたインフラ投資の総額は上半期だけで約4兆元にも上っているという。

 それによると、国家発展改革委員会(以下「発革委」)は5月18日から45日間で、23のインフラプロジェクトを集中的に承認。投資総額は7728億7000万元を上回った。この中には6つの空港プロジェクト、6つの鉄道プロジェクト、7つの都市軌道交通プロジェクトが含まれているという。これに第1四半期に承認されたプロジェクトの投資総額1142億元などを加えると、発革委が今年上半期に承認したインフラプロジェクトの投資額は8922億元に達した。

 しかも、発革委は第2四半期に入って、インフラプロジェクトに対する審査・承認の時間を明らかにスピードアップしている。この中で、発革委は5月25日、官民連携(PPP)推奨プロジェクトの第一陣として合計1043のインフラ投資プロジェクトを発表した。この投資額は1兆9700億元に上る。プロジェクトの内容は、水利施設、市政施設、交通施設、公共サービス、資源環境など複数の分野をカバーしているという。

 一方、国務院弁公庁は5月、高速ブロードバンドネットワーク構築を加速するための「ネットの高速化と値下げ推進に関する指導意見〈ガイドライン〉」を公表。この面でのインフラ投資の拡大を目指しており、この累計投資額は今年から2017年までで1兆1000億元以上にも上るという。

中国で木炭の密輸出増加=多数が日韓向け

2015年07月28日

 四川省の成都税関は22日、今年5月19日に違法転売の木炭の密輸出事件を摘発し、容疑者11人を逮捕したことを発表した。関係した木炭は2834トン余りに上っている。チャイナ・ウオッチが新華社電として報じた。

 成都と深センの税関の合同調査によると、木炭輸出が禁止されている中で、成都の企業が2013年から日本と韓国の多くの業者と輸出契約を結んでいた。四川で生産された木炭を深センに運び、日用雑貨に紛れ込ませて香港に密輸し、さらに韓国、日本に運んでいた。

 中国各地の税関が開示した情報をまとめると、この3年間に10件余りの木炭密輸が摘発され、数量は数万トンに上っており、業界ぐるみの密輸出とみられるという。

 木炭は生産段階で木材の消費が多く、汚染物質の排出が多い。木炭1トンの生産に原料として5~10トンの天然木材が必要で、また有害なガスが大量に発生し、環境汚染がひどい。

 中国は2004年10月1日から木材を原料として直接焼いて製造する木炭の輸出をすべて禁止した。しかし、海外で中国の木炭は高値で売れるため、危険を犯しても密輸する業者が絶えない。

 日韓両国は自国の環境を守るため木材の管理を厳格にし、木炭生産を厳しく規制しているため、木炭の価格は高い。中国の原木を使った木炭は海外では高級品として販売され、価格は中国で1トン約4000元(1元=約20円)の木炭が日韓では約3万元と8倍近い。このため日韓の業者は中国の貿易企業と結託し、四川、雲南などから指定の木材で生産された木炭を買い付け、あらゆる手段を使って密輸している。

 今年初め、広西チワン族自治区の南寧と成都の税関は合同でベトナムとの国境からの密輸出を摘発し、寧波税関も虚偽申告による密輸出を摘発した。

人民元、主要通貨入りも―IMFが理事会で議論開始へ

2015年07月27日

 国際通貨基金(IMF)は29日の理事会で、中国の通貨である人民元をドルや円などと並ぶ主要通貨と位置付け「特別引き出し権(SDR)」の構成通貨に採用するかどうか議論を始める。チャイナ・ウオッチが27日、ワシントン発共同電で報じもので、複数の関係者が25日、明らかにしたという。

 IMFは年内に結論を出す見通しで、米国に次ぐ世界2位の経済大国になった中国が強く求めていた。実現すれば、人民元の通貨としての信用力が高まり、人民元建ての国際取引が増え、金融市場での中国の存在感が一段と高まるのは確实だ。

 SDRはドル、円、ユーロ、ポンドの主要4通貨を合成した仮想通貨のようなもので、IMFが出資比率に応じて加盟国に配っている。経済危機で外貨が足りなくなった加盟国は、SDRと引き換えに、他の豊富な外貨準備を持つ加盟国から4通貨のいずれかを融通してもらう仕組みだ。

 ただ、中国は為替相場を一定に保つため、外国の投資家による人民元の自由な売買を制限している。このため、IMFの中には「自由に取引できることが条件で、(人民元を)主要通貨とするのは時期尚早」との意見もあり、最終的な結論には至っていない。関係者によると、日米は「慎重に検討すべきだ」との立場で、フランス、ドイツ、英国は「人民元の取引自由化を加速させるためにも、早く採用した方がいい」との考えという。

 IMFは2010年にもSDRの構成通貨に人民元を加えることを検討したが、見送った経緯がある。

中国が2020年に「農薬ゼロ成長」実現へ

2015年07月24日

 中国農業省(部)農薬検定所の隋鵬飛所長は19日、中国が実施する「農薬ゼロ成長」はその技術的、物質的基礎がすでに備わっており、農業省は近く関連の課題研究をスタートさせ、農薬減量の合理的なモデルと道筋を探り、農薬減量ロードマップを科学的に作成する予定であると述べた。チャイナ・ウオッチが19日、北京発新華社=共同電で報じた。

 同日北京で開かれた「農薬使用量ゼロ成長戦略実施研究・応用」課題シンポジウムの席上、隋所長はグリーン(環境保全型)予防管理理念が絶えず深まりを見せ、統一防除技術体系の第一段階が構築され、農薬機械装置水準が徐々に向上し、種子処理、土壌処理、バイオ予防管理技術の応用が加速され、また、環境保護型、緩慢放出型および低使用量の農薬製品が急速に増えており、これに伴い、「農薬ゼロ成長」実施の技術的、物質的基礎がすでに備わっていると述べた。

 農業省が今年2月に配布した「2020年までに農薬使用量ゼロ成長にするアクションプラン」は、2020年までに中国の農薬使用総量のゼロ成長実現を目指すことを打ち出している。

 隋所長は次のように表明した。「農薬ゼロ成長」の実現は、農業の近代化が一定の段階まで発展した後の国際的に広く行われているやり方である。現在、中国の農業生産の組織形態、経営方式、サービスモデルには深い変化が生じ、農薬業界は長足の発展を遂げており、これらの変化は従来の効き目の低い農薬の多用・乱用問題に対する解決条件とその物質的基礎を与えるものである。

 資料によれば、欧州連合(EU)の先進国は早くも1980年代末に立法化による農薬減量行動を起こし、2006年には農薬減量計画がEUの強制的政策となった。オランダの農薬使用量は1985年の2万トン余りから2012年の5778トンへと減少し、スウェーデン、デンマークは農業税の実施を通じ、農薬使用量の伸びを抑えている。また、韓国は1999年に「環境に優しい農業を支援する法案」を公布し、2010年までに農薬使用量を50%削減することを打ち出した。

中国商務省次官、対日投資潜在力の巨大さを強調

2015年07月23日

 中国商務省の高燕次官は20日北京で、中国貿易促進委員会と日本貿易振興機構(JETRO)の共催で開かれた「対日投資ビジネスフォーラム」の席上、「中国企業にとって対日投資には巨大な潜在力がある」と強調した。チャイナ・ウオッチが23日、北京発新華社=共同電で報じた。

 それによると、高次官は「中国の対外投資が急速に伸びている大きな環境の中で、対日投資は34位、日本の外資利用国別順位で中国は第7位に甘んじており、中国企業の対日投資規模は日系企業の対中投資規模を大きく下回っている」と指摘。その上で、「今年上半期、中国の金融以外の対日直接投資は9833万ドルに達し、前年同期に比べ24.4%増えた」ことを明らかにすると共に、「投資分野が以前の製造業中心から金融サービス、通信、ソフトウエア、インターネットなどハイテク分野に広がってきた」と語った。

 高次官はまた、「われわれは中国の有力企業がさまざまな形で対日投資協力を模索することを奨励している」と強調。「日本政府は今後、ビザ、法務、税務、金融などの面でより迅速、高効率、透明な市場参入制度を確立し、制度上の障害を排除し、確実な措置をとり、外国企業の参入コストを下げ、より良いビジネス環境を築くべきだ」と訴えた。

 さらに、高次官は「中国の設備製造と人的資源を日本の先進技術、販売網と結びつけ、鉄道、原子力発電などの分野で国際生産能力協力を進め、比較的高いコストパフォーマンスで第三国市場を獲得、拡大し、発展途上国のインフラ建設と工業化プロセスを促し、グローバル市場でのウィンウィンを実現することを希望する」と述べた。

中国統計年鑑2009年版「業界別対外直接投資

原発運営資格持つ国家電力投資集団公司が正式スタート-中国

2015年07月22日

 チャイナ・ウオッチが22日、北京15日発新華社=共同電で報じたところによると、中国の国家電力投資集団公司(国家電投)が15日北京で正式に発足した。新会社は同国の5大発電集団の中で唯一原発に株式投資し、運営できる資格を有しており、水力、火力、原子力、新エネルギー資産を持つ中国唯一の総合エネルギー企業グループでもあるという。

 新会社は中国電力投資集団公司(中電投集団)と国家核電技術公司(国家核電)が合併・統合してできたもので、国家核電は国家電投の持ち株子会社となり、原発資産業務のプラットホームとして、中国の第3世代原発の「導入、消化、吸収、再創造」の戦略的任務を担うという。

 新会社の登記資本は450億元(1元=約20円)、資産総額は7223億元。水力、火力、原子力、新エネルギーの総合的電力産業構造を備えており、クリーンエネルギーの比率が最も高い。電力設備容量は9668万キロ㍗で、クリーンエネルギーの割合は38.47%。国家の大型先進加圧水型原発科学技術重大特別プロジェクトである「CAP1400」「CAP1700」をけん引する。

 国家電投グループは現在、遼寧省紅沿河、山東省海陽などで原発を運営、或いは、建設中で、沿海と内陸に建設用地を所有している。 また、同グループの域外資産は日本、トルコ、ブラジル、ギニアなど24の国と地域にあり、海外の電力プロジェクトへの投資、技術協力、建設請負などに関わっているという。

 国家電投の王炳華会長は新会社の発足に当たり、「次の段階では、(国家電投)集団はエネルギー革命の新たな流れに適応し、『一帯一路』(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)戦略と結び付け、中国が自前で開発した第3世代原発の海外進出やクリーンエネルギーの開発・建設を加速し、企業の核心的競争力を絶えず高めていく」と語っている。

中国の夏収穫食糧1億4106万トン=12年連続増産

2015年07月21日

 チャイナ・ウオッチが新華社電として伝えるところによると、中国の今年の夏収穫食糧は1億4106万6000トンで昨年に比べ447.0万トン、率にして3.3%増え、12年連続の増産となった。国家統計局が15日発表した。

 同局農村司の侯鋭・上級統計師は次のように説明した。増産は作付面積と単位面積当たり収量(単収)の増加によるもの。作付面積は2769万2300ヘクタールで、昨年を0.4%上回った。作付面積増加による増産分は54.8万トンで、増産に対する寄与率は12.3%だった。

 侯氏は作付面積増加の理由として次の3点を挙げた。1、国の小麦主産地での最低買付価格(支持価格)政策継続が作付面積の安定に重要な役割を果たした。2、中央財政による農業、農民支援強化、食糧生産に対する直接補助金や優良品種に対する補助金などが迅速に支給された。3、作付面積構成が比較的に大きく調整され、夏収穫食糧の为産地は綿花と夏収穫アブラナの作付面積を減らし、小麦など夏収穫食糧の栽培を増やした。

 今年の夏収穫食糧は1ヘクタール当たり収量が 5094.0 キロに達した。単収増加による増産分は 392.2 万トンで、増産に対する寄与率が 87.7%に達した。単収増加の为な理由として支援策の強化や天候に恵まれ災害が少なかったことが挙げられている。

 夏収穫食糧は夏に収穫する穀物と豆類、イモ類で、穀物は主に小麦、トウモロコシ、大麦。

中国IT企業「竜芯中科」、新世代プロセッサーを自主開発

2015年07月17日

 チャイナ・ウオッチは17日、天津14日発新華社=共同電で、中国のIT企業「竜芯中科技有限公司」が独自開発の新世代プロセッサー「3B3000」を来年中に完成すると報じた。

 竜芯中科公司の胡偉武総裁(中国科学院計算技術研究所総工程師)が新華通信社の取材に応じて明らかにしたもので、同公司は新世代プロセッサー「3B2000」に続き、「3B3000」を独自開発しており、来年には完成させる予定という。

 竜芯中科公司は2011年、4発射64ビットプロセッサーコア「GS464E」の研究プロジェクトをスタートさせ、それをベースとして、双路(プロセッサー2個搭載)8コアおよび四路(同4個搭載)16コアサーバーをサポートする新世代プロセッサー「3B2000」を開発し、先月、正式に販売した。

 胡総裁は新華通信社の取材に対し、「マイクロアーキテクチャーはCPUの性能、コスト、電力消費を決定する最も主要な要素であり、CPUの核心となる技術だ」と指摘。「竜芯『3B2000』はマイクロアーキテクチャーでブレークスルーを果たしたことが最大の特徴で、われわれが既にCPU最大のコア技術を掌握したことを意味している」と語った。

 胡総裁によると、全く新しいマイクロアーキテクチャー設計により、「3B2000」は機能と消費電力の面で性能が何倍にも向上。 竜芯中科公司の戦略的協力パートナー企業である曙公司が既に「3B2000」を用いたサーバー製品を出しているという。

 胡総裁はまた、「マイクロアーキテクチャーはAMD、インテルなどと同等レベルに達しており、次の課題はクロックスピードの一層の向上だ」と述べながらも、「クロックスピードでは竜芯とインテルにはまだ比較的大きな開きがある。竜芯は1G程度だが、インテルは2G、3Gだ」と語った。

 胡総裁はその上で、「次の段階では、われわれは技術をさらに向上させ、クロックスピードを1Gから2G程度まで引き上げる」と言明。「マイクロアーキテクチャーのブレークスルーを果たすまでに3~4年かかったが、クロックスピードには1年で十分だ。マイクロアーキテクチャーでブレークスルーを実現し、さらにクロックスピードを上げれば、来年には3B3000プロセッサーが完成する」と強調した。

「サッカー学部」初設立=中国・成都の大学

2015年07月16日

 チャイナ・ウオッチや複数の中国国内メディアが伝えるところによると、中国四川省成都市の大学の成都体育学院はこのほど、サッカーの技術や知識を専門に教える「サッカー学部」を設立し、学生の募集を始めたという。

 サッカーファンの習近平国家主席は、中国サッカーの強化を国策に掲げている。政府は3月にサッカーの底上げに向けた「中国サッカー改革の総合プラン」を公表。サッカー学部設立はこれを受けた動きで、中国内の大学で初の試みだという。

 同学院はサッカー専門の教師20人を確保したほか、海外からもコーチを招く。また400万元(約8千万円)を投じて校内のサッカー場を改修した。

 さらにサッカー場を新設する計画もある。中国はサッカー代表のワールドカップ(W杯)出場を目指しており、2025年までに全国に5万校の「サッカー学校」を設立する予定である。

中国大使、ピョンヤンの中朝合営トラック工場を視察

2015年07月15日

 チャイナ・ウオッチは15日、平壌発新華社=共同電で、中国の李進軍・駐北朝鮮大使が10日、平壌市力浦区にある中朝合営のトラック組み立て企業、金平合営(共同経営)会社を視察したと報じた。

 それによると、同社は中国遼寧省の資参堂実業集団有限公司と北朝鮮の鷹揚貿易会社が共同出資で設立したもので、投資総額は1136万ユーロ(1538万8000ドル)。中朝双方の投資比率は7対3とされ、中国側が現金、工場建屋、設備などで、北朝鮮側は土地などでそれぞれ出資。現在は、セミノックダウン(SKD)方式により、軽、小、中、大型計4種類のトラックを生産している。

 双方は昨年3月に契約を交わしており、経営期間は25年。 会社の敷地面積は計16万平方メートル。そのうち4万平方メートルは建物がある工場区域で、総組立作業場、車両検査作業場、事務棟、宿舎、総合サービス棟、販売センターが設けられている。残りの12万平方メートルは現在、空き地となっており、工場のストックヤード。

 同社は試験生産が始まって以来、累計で295台の各種トラックを生産し、226台を販売した。

 同社の鄭永哲社長(北朝鮮側)は新華社記者の取材に対し、「契約締結から1年余りしか経っていないが、中朝両国の党と政府の積極的な支援を受け、会社登記はまだ終わっていないものの、生産しながら販売を行う体制を実現させ、その販売成績は満足のいくものである」と述べた。 また、鄭社長によると、北朝鮮政府はこのプロジェクトを極めて重視しており、一連の優遇政策を適用。周辺の一部農地の転用やエンジンオイル、アタッチメントの販売を認め、セミノックダウン(SKD) 生産のための輸入について最低基準の関税を適用している。

 一方、同社の中国側代表、周鉄軍氏によると、工場の組み立て能力は年間2万台前後で、合計114人の労働者がおり、瀋陽市の金杯車両製造有限公司から技術サポートを提供されている。工場が生産するトラックの商標は「金鷹」で、「金杯」と「蒼鷹(オオタカ)」(北朝鮮の国鳥)からそれぞれ1字を取った。

 李進軍大使は今回の視察であいさつに立ち、「金平合営会社は中朝の友好的互恵協力の生き生きとした描写であり、中国の党と政府は中国企業が朝鮮に投資し、実業を興すのを支持する」と強調。「中朝両国が自動車製造分野で生産能力協力を強化し、ウィンウィンの協力モデルを確立し、中国企業が優れた技術と経験を朝鮮にもたらし、中朝の友情を一層深めることを希望する」と語ったという。

 北朝鮮は近年、経済・社会の発展に伴い、輸送車両に対する需要が拡大を続けている。

中ロ蒙協力中期路線図を承認=経済回廊計画要綱作成へ

2015年07月14日

 中国の習近平国家主席、ロシアのプーチン大統領、モンゴルのエルベグドルジ大統領は9日、ロシア・ウファでの中ロ蒙元首第2回会合で「中ロ蒙発展3国協力中期路線図」(ロードマップ)を承認した。チャイナ・ウオッチが新華社電として伝えた。

 路線図は経済協力について次のように述べている。中国のシルクロード経済ベルト、ロシアのユーラシア経済連合、モンゴルの「草原の道」構想を結びつけることを踏まえ、「中ロ蒙経済回廊協力計画要綱」を編成する。

 相互貿易における自国通貨による決済拡大を含む3国貿易円滑化水準を一段と高めるため、3国は経済・貿易主管官庁の協力の仕組み確立を検討する。

 モンゴル国内の新規鉄道路線建設事業とウランバートル鉄道近代化改造に対する共同融資、技術参加問題を検討する。

 ウランバートル鉄道の国境を跨ぐ輸送量を拡大する包括的措置を検討する。中ロ蒙鉄道輸送物流会社設立の可能性について検討する。

 ウランバートルの国際空港に依拠し、地域ハブ空港を建設する見通しについて検討する。

 モンゴルを通過する中ロ原油パイプライン建設の合理性について一致すれば具体的プランをまとめ、事業の可能性論証の準備に着手する。

露骨な株式市場介入、信頼に傷‐中国、成長戦略に暗雲

2015年07月13日

 相場急落に見舞われた中国の株式市場は、政府のなりふり構わぬ下支え策でひとまず落ち着きを取り戻した。だが、市場原理をゆがめる政府の露骨な介入により、市場への信頼は大きく傷ついた。

 チャイナ・ウオッチが13日、上海発共同電で報じたもので、政府の露骨な市場介入によって「市場の発展を通じて経済構造の転換を目指す」はずだった成長戦略にも暗雲が漂い始めた。 中国メディアは「上海と深圳の両株式市場の時価総額がこの1カ月で計約20兆元(約400兆円)も吹き飛んだ」と報じている。

 中国の上海と深圳の株式市場では10日も、上場企業の半数に相当する1300銘柄以上が自社の申請に基づき取引を停止する「異常事態」が続いた。特に、個人投資家が好む中小型株が大きく下落し、投資家の間では「政府が株高を演出していたのに大損をした。もう株はこりごり」(上海市の65歳男性)などといった不満がうずまいている。

 中国経済は景気減速感が強まる中、成長のけん引役を従来の重厚長大産業から、ITなど技術革新型の新産業へ転換させる構造改革を急いでいる。しかし、銀行融資は旧来の国有企業などに偏り、ベンチャー企業などに必要な資金が回らないといった課題が存在している。このため、政府は、株式市場を活性化し、新規ビジネスに資金を流し込む考えだった。

 中国メディアによると、今回の市場混乱を受け、政府は相場の下押し圧力となる新規株式公開(IPO)を事実上、凍結した。香港の金融専門家はこれについて「上場で資金を確保するはずだった企業の新規事業計画が滞り、政府が最も重視する雇用創出にもダメージを与える恐れがある」と懸念する。

 習近平政権は「市場」の役割強化を経済改革の基本方針に掲げるが、大株主らの持ち株売却を禁止するなど市場原理に反する株価対策を連発し、ようやく相場反転にこぎつけた。 証券会社のアナリストは「保有株が突然売れなくなるリスクなどを目の当たりにし、中国市場は信頼を大きく損なった」と指摘。「特に、外国人投資家は中国への投資にこれまで以上に慎重になる恐れがある」とみている。

中国共産党宣伝部、株急落で「政治問題化避けよ」と通達

2015年07月10日

 チャイナ・ウオッチが10日、北京発共同電で報じたところによると、中国共産党中央宣伝部はこのほど、株価の急落を受け、国内の報道機関に対して「株式市場の問題が政治化するのを回避し、(批判の)矛先が共産党や政府に向かうのを防げ」と指示する緊急通達を出した。

 党宣伝部に近い複数の関係者が9日明らかにした。中国当局は、株価急落を受け、てこ入れ策を打ち出したものの効果は限定的で、中国の株式取引の8割を占める個人投資家の間で不安感や不満が拡大。習近平指導部は、株価問題が政府の経済政策に対する批判につながり、抗議デモなどに発展して社会不安を招きかねないとの危機感を強めている。

 今回の党宣伝部の緊急通達はそれを反映しており、中国当局が市場管理でかじ取りを誤れば、習近平指導部がリードするアジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立や現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」といった目玉政策にも冷や水が浴びせられかねない。

 緊急通達は、メディアを指導・監督する党中央宣伝部が7日から8日にかけて出したもようで、通達は①株式市場と政治を関連付けるな②株価の上昇や下落を冷静に、事実に基づいて報道せよ③株価の動向を投資家が理性的に受け止めるよう世論を導け④誇張せず、評論記事は慎重に発表せよ⑤経済政策の成果を宣伝し、中国経済の先行きを前向きに伝えよ―などと指示しているという。 また、通達はコメントや評論について、「(必要な場合は)権威ある部門の専門家」を取材するよう求めており、当局に批判的な学者の分析などは掲載を禁じる構えだ。

中国の海水淡水化産業、健全で急速な発展

2015年07月09日

 近年、中国の海水淡水化産業は健全で急速な発展を遂げている。2014年末の時点で、全国で海水淡水化プロジェクト111件が行われており、1日の淡水化規模は2013年より8.25%増加し92万4800トンに達している。

 チャイナ・ウオッチが新華社電として伝えるところによると、6月29日に開かれた青島国際脱塩大会で、中国科学協会の関係責任者がこの現状を明らかにした。大会では、中国科学協会党組副書記、副主席の張勤氏が次のよう述べた。中国の海洋事業は海洋強国建設の戦略的チャンスに直面している。海洋科学技術の自主革新(イノベーション)能力を引き上げ、産業の発展を制約するカギとなる技術で突破(ブレークスルー)を果たし、海洋資源利用効率を一段と高め、海洋科学技術の成果転換の歩みを加速することは、今後の中国の海洋経済発展の重要な任務だ。水資源の持続可能な利用は社会の発展保障のための恒久的テーマだ。

 中国は水資源が乏しく、1人当たりの水資源量は低い。沿海地区は人口密集と経済発展の重心として、水資源の不足が激しくなっており、海水淡水化産業の発展は中国沿海地区の水資源の深刻な不足の緩和に重用な意義をもっている。

 大会の開会式で、海爾集団、江蘇浄水協会等50余りの企業と科学研究機関が共同で発起した、全国浄水業界産業連盟の成立が発表された。連盟はクリーン用水、工業業界の排水処理と資源化のカギとなる技術、産業化のボトルネックの解決に力を尽くし、高レベルかつオープンで共有できる実験プラットフォームと工業試験基地を構築し、水資源保障の質と工業パークの水資源循環利用率を高め、工業が集中する地方の環境負荷を低減する。

 伝えられるところでは、今年青島市科学協会が主催する国際脱塩大会はこれで10回目になる。

米車両ブレーキ会社、天津に生産拠点建設へ

2015年07月08日

 チャイナ・ウオッチは8日、天津発新華社=共同電で、米国の鉄道車両ブレーキ設備製造大手、ウェスティングハウス・ブレーキ社が天津市に生産拠点を建設することになった、と報じた。

 それによると、天津市工業・情報化委員会が明らかにしたもので、ウェスティングハウス・ブレーキ社はこのほど、天津市北辰区当局と戦略協力取り決めに調印し、同社の子会社5社が北辰経済技術開発区に進出して生産拠点を建設することで合意した。同社最大の生産拠点になるという。

 同社のデビット・ウォール副社長は協力取り決めの調印に際し、「(天津市の)北辰区は地理的位置がよく、製造業の基盤が厚く、高効率のサービス陣が控えており、企業の生産コスト低減、生産性の向上、川上・川下部門の資源統合に非常に大きな優位性がある」と指摘。「(これが同社の)北辰区進出に関して最大の理由となった」と語った。

 北辰区は中国の新しいタイプの工業化設備産業モデル拠点として整備された。ウォール副社長によると、同社は今年末から杭州、北京、広東省中山にあるブレーキ摩擦製品、チャージャーなどの生産拠点を天津に移し、5年内に米国の工業用製品の生産拠点も天津に移す計画だという。

対アフリカ投資シンクタンク連盟の設立提唱=中国開銀ら

2015年07月07日

 世界銀行と中国国家開発銀行は1日、エチオピアの首都アディスアベバで開かれた対アフリカ投資フォーラムで、この二つの開発金融機関の優位性を結びつけ、アフリカの発展と中国とアフリカの互恵ウィンウィンを図る「対アフリカ投資シンクタンク連盟」の設立を共同で提唱した。

 チャイナ・ウオッチが新華社電として伝えるところによると、中国開銀の袁力・副総裁は連盟設立の目的について、シンクタンクが協力する優位性を生かし、対アフリカ投資フォーラムと互いにサポートし合い、フォーラムに政策諮問や議題等の面で寄与することであると強調した。

 世銀のディオップ副総裁(アフリカ地域担当)は、中国とアフリカは互いに重要な発展パートナーで、フォーラムは相互学習・理解の機会をもたらすもので、アフリカの発展と中国とアフリカの互恵ウィンウィンを促すと信じていると述べた。

 同日、中国開銀は国連工業開発機関(UNIDO)と協力覚書に調印した。双方は今後、協力と優位性による相互補完を強化し、協力をまずアフリカからスタートし、徐々に「一帯一路」(シルクロード経済ベルト・21世紀海上シルクロード)沿線地域に拡大することを約束した。

 フォーラムは世銀と中国、エチオピアが共催したもので、政府、企業、学術界、多国間開発機関が立ち上げたもので、協力のチャンスと挑戦(試練)について話し合い、中国とアフリカの協力で双方の人民により一層幸福をもたらすことを目的としている。

 第1回フォーラムは会期2日で、中国とアフリカの 20 余りの国の政府高官や地域組織、多国間機関の代表、中国とアフリカの企業家、専門家、学者など 300 人余りが出席し、アフリカの工業化と製造業の発展の推進、経済特区と工業パークの建設促進、インフラの改善と貿易物流システムの改善、民間の投資を呼び込む条件づくりなどについて話し合った。

上海株下支えへ2兆4千億円=中国大手証券21社が投信購入

2015年07月06日

 中国の大手証券会社21社は4日、急落している上海の株式相場を下支えするため、共同で計1200億元(約2兆4千億円)以上の資金を市場に投じると発表した。

 チャイナ・ウオッチが6日、北京発共同電で報じたもので、21社は主要株で構成する上場投資信託(ETF)に尐なくとも1200億元を投資する。異例の協調行動で、中国がさらなる相場の下落にブレーキをかける姿勢を鮮明にしたものと受け止められている。

 21社は今回の協調行動に際し、「株式市場の安定した発展を断固として守る」とする共同声明を発表。各社は自社が保有する株式を売ることも控え、相場を支える方針を明らかにした。

 一方、中国当局は既存の株式の値下がりを招きやすい新規株式公開(IPO)を抑制する方針を示しており、一部の中国メディアは、政府が4日、「IPOの停止を決めた」と報じた。

 上海株式市場の代表的な株価指数である総合指数の終値は6月5日、2008年1月以来の高値となる5000台を記録。12日には5166・35をつけたが、その後は急速な相場上昇に対する警戒感が広がって売りが優勢となり、3割近く下落した。7月3日の終値は3686・92だった。

 このため、中国人民銀行(中央銀行)は6月28日に追加利下げを実施した。また、証券当局は、投資家が証券会社から資金や株券を借りて売買する信用取引の規制緩和策や株式の取引手数料の引き下げなどを打ち出した。しかし、それでも株価の下落に歯止めがかからなかった。

 中国の株式市場は個人投資家が大多数を占めるとされる。株価の下落が止まらなければ、個人消費などに響き、景気のさらなる下押し要因になりかねない状況だ。 ただ、市場関係者からは、6月前半の高値が「実体経済とかけ離れていた」との声も聞かれた。

中国低価格ドローンが席巻=トラブル懸念、広がる規制

2015年07月03日

 中国広東省で製造を手掛けるベンチャー企業が空の産業革命をもたらすとも期待される小型無人機「ドローン」で世界市場を席巻しそうな勢いをみせている。

 チャイナ・ウオッチが3日、深圳発共同電で報じたもので、中国製ドローンの武器は使い勝手の良さと手ごろな価格だが、トラブルへの懸念から規制の動きも広がっているという。

 スマートフォン製造などハイテク産業が集積する広東省深圳市の高層ビル街に、世界の民生用小型ドローン市場で50%超のシェアを誇るとされる「深圳市大疆創新科技(DJI)」の本社がある。同社の広報担当者は「あなたでも、すぐ飛ばせます。操作性の良さには定評があります」と語り、ブーンというドローン独特の低い飛行音が響く中で、同社が業界をリードしているという自負をのぞかせた。

 DJI社製のドローンは今年4月に起きたネパール大地震の救助活動にも投入され、米国の消防当局からも多くの引き合いがあるそうだ。この会社は東京都内の首相官邸屋上で4月に見つかったドローンの製造会社でもある。

 DJIは、香港科技大大学院で無線操縦ヘリの制御技術を研究していた汪滔氏が2006年、仲間数人と設立した企業で、自社開発した無線操縦ヘリや複数の回転翼を持つドローンの販売からスターとした。同社躍進の転機は、デザイン性に優れたドローンを679ドル(約8万4千円)で売り出した13年のことだ。価格の安さやカメラの振動を抑えて動画をきれいに撮影できる技術が評価され、爆発的なヒットとなった。

 中国や欧米のメディアによると、DJIは2014年に約40万台を販売し、売上は5億ドル近くに上る。しかも、販売の約80%が外国市場。DJIは15年の売上を10億ドルと見込んでいる。

 中国の製造業は安い人件費を強みに、先進国で開発された製品を安価で大量生産することで発展してきた。しかし、DJIは単に安い労働力に頼るのではなく、研究開発を重視。従業員約3千人のうち約800人を開発部門に回し、市場を拡大してきたという。

 世界のドローン市場は2020年までに毎年19%拡大するとの予測もある。災害現場での状況確認や警備、物流など、ドローンの用途は広がっているからだが、落下の危険性やプライバシー侵害を懸念する声も強い。アジアではカンボジアの首都プノンペンの当局が2月にドローンを使った市内での無許可撮影を禁じ、ニュージーランドの民間航空当局も8月から私有地上空を所有者の同意なく飛行させることを禁止した。また、日本でもドローンの相次ぐトラブルを受け、法規制が検討されている。

 こうした動きに対し、DJIの広報担当者は「(各国の)適切な規制はドローン産業の発展に有益だ」と指摘。「ルール整備が進むことで逆に合法な活用方法が明確になり、利用する企業や個人が増えるとみている」と述べ、「米連邦航空局(FAA)とも協議している。業界の盟主としてルール作りにも積極的に関わっていく方針だ」と強調した。

168の事業で協力合意=中独中小企業商談会

2015年07月02日

 中国銀行主催の「中国ドイツ中小企業投資・貿易協力商談会」が6月25日、ドイツのデュッセルドルフ市で開かれ、わずか5時間半の間に281の商談が行われ、168件の事業協力が合意された。チャイナ・ウオッチが新華社電として伝えた。

 商談会に同市のトーマス・ガイゼル市長、シーメンス(ドイツ)のルドルフ・マルティン・シーグース最高経営責任者(CEO)、馮海陽デュッセルドルフ駐在中国総領事、中国銀行本店中小企業部の田伝戦副総経理(副部長)ら内外のゲスト400人余りが出席した。

 独コンサルティング企業の監査人を務める税務と国際法務のコンサルタントの女性は次のように語った。これまでにも同様の商談に参加したが、こうした一対一の形は初めてだ。中国業務を専門に担当しており、中国の今後の発展に非常に期待している。中国業務は当社にとっても非常に重要だ。

 深センのプラスチック材料製品企業の張志・董事長(会長)は、ドイツの「インダストリー4.0」に関心を示し、高精密金型企業との協力を希望すると共に、機会に「インダストリー4.0」に対する理解も深めたいと意欲を示した。

 中国銀行フランクフルト支店の李光・総経理(支店長)は次のように説明した。これまでは大企業を重視してきた。現在は大企業市場が比較的安定し、中小企業のマッチングの力が限られているため、こうした商談会を通じて仲介役を果たすと同時に、われわれも協力のチャンスを模索できる。今回の商談会はスタートにすぎず、今後はドイツ東部、南部などの地域を開拓していく予定だ。まずはチャンスをとらえて顧客を探し、次に顧客が自ら発展するのを手助けしたい。

 田副総経理は次のように述べた。現在は中小企業にとって「海外進出」と「海外からの導入」の絶好のチャンスで、国内は市場があり、技術、管理、製品の高度化の要請に直面している一方、海外は技術と製品はあるが市場が不足しており、双方には強力な相互補完性がある。

 同日の商談会で蘇州、寧波、深セン、北京など中国の中小企業56社とドイツ企業157社のマッチングが行われ、機械、化工、自動車、電子、電気など多くの分野の商談が行われた。

中国、GDP比60%排出減目指す=CO2、30年まで

2015年07月01日

 中国政府は30日、地球温暖化対策のため、国内総生産(GDP)当たりの二酸化炭素(CO2)排出量を2030年までに05年比で60~65%削 減するとの目標を掲げた文書を国連気候変動枠組み条約事務局に提出した。

 チャイナ・ウオッチが1日、北京とパリ発の共同電で報じた。それによると、中国はこの文書の中で、30年ごろをピークに総排出量を減少させる目標を前倒しで達成するよう努力すると強調。「 1次エネルギーとしての非化石燃料の比率を30年までに20%程度まで引き上げる」方針も明らかにしている。

 フランスでは国連気候変動枠組み条約の第21回締約国会議(COP21)の開催が年末に予定されており。世界最大の温室効果ガス排出国である中国の目標提示に関心が高まっていた。

 日本は30年までに温室効果ガス排出を2013年比で26%、欧州連合(EU)は30年までに1990年比で40%、米国は2025年までに05年比で26~28%、そ れぞれ削減するとの目標を掲げている。今回の中国の目標数値の公表で主要国の目標はほぼ出そろったことになる。目標数値公表済みの国のCO2排出量の合計は世界全体の排出量の約7割を占めるという。

 フランスを訪問中の中国の李克強首相は30日、新たな目標達成に努力する姿勢をアピールした。ただ、中国の文書は「先進国と発展途上国の歴史的責任や国情の違いを十分に考慮すべきだ」と指摘しており、中 国に一段の削減努力を求める先進国をけん制した形となっている。李首相は29日にブリュッセルで開催されたEUとの首脳会議でも「気候変動がもたらす課題にEUと共に取り組む」と語っている。

 一方、中国はこれまでにGDP当たりのCO2排出量を20年までに05年比で40~45%削減する目標を掲げていたため、「新たな目標には新味がない」との見方も出ている。