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中国、仏アレバとの協力で2020年に核燃料サイクル施設を建設

2015年09月30日

 中国とフランスが共同で建設する核燃料800トンの処理能力を持つ大型核燃料サイクル施設の工事が2020年にスタートし、2030年前後に完成する見通しだ。完成すれば、中国は大規模な商業用核燃料サイクル能力を保持し、原発の持続可能な発展が安定的に支えられる。

 チャイナ・ウオッチが30日、北京発新華社=共同電で報じたもので、中国核工業集団公司(CNNC)が23日明らかにした。 核燃料サイクルとは、原発で使用された核燃料を処理し、ウランやプルトニウムを取り出し、再び原子炉で利用するプロセスのことを指し、第4世代の先進的な原子力エネルギーシステムの基幹技術の一つ。加圧水型軽水炉(PWR)から高速増殖実験炉(CEFR)へ移行するのに避けて通れない道だとされている。

 この核燃料サイクル施設プロジェクトは、仏アグドの核燃料サイクル施設を参考にしており、CNNCが建設を担当。全体的な技術責任は仏アレバが負い、総工費は1000億元(約1兆9000億円)超だという。

 このプロジェクトが完成すれば、①国内の原発から毎年出る使用済み核燃料800トンを処理し、核燃料サイクルを通してウラン資源の再利用率を高める②使用済み核燃料の後続管理が可能となり、原発をより安全なものにする③高レベル放射性廃液をガラス固化し、高レベル放射性廃棄物の長期管理の安全性を確保し、原発をよりクリーンなものにする―といわれている。

 中国のPWRの使用済み核燃料は2030年までに、累計で、約2万3500トンに達し、1万5000トンを中間貯蔵する必要があるとされている。

 CNNCの楊長利副総経理〈副社長〉は「中国の核燃料サイクル施設が完成すれば、2030年前後に原発の使用済み核燃料の中間貯蔵圧力を効果的に緩和し、使用済み核燃料の安全管理レベルを向上させ、中国のCEFR発展計画にも合致する」と指摘。「商業用のCEFRに核燃料を提供し、中国の原子力エネルギーの合理的かつ持続可能な発展を確実に保障できる」と強調した。

 CNNCは既に同プロジェクトのサイト候補を選定しているという。

 

中国内陸原発、来年解禁か=研究機関が推進提言

2015年09月29日

 中国の政府系研究機関、中国工程院や中国原子力エネルギー業協会は28日までに、内陸部での原発建設に関する現地調査を实施、建設を推進すべきだとする報告書を国務院(政府)に提出した。中国は東京電力福島第1原発事故を受けて内陸部での原発建設を停止しているが、来年にも再開される見通しが強まっている。チャイナ・ウオッチが28日北京発共同電として、また中国メディアも同日伝えた。

 中国政府は2012年10月、「安全は原発の生命線」として15年までは内陸部に原発を建設しない方針を決定。安全性を見極めるとしたが、原発企業や地方政府はその後も再開に備えた建設工事を継続しており、推進ありきの姿勢を不安視する声もある。

 報道によると、これまでに十数カ所の地方政府が原発建設の意向を示しており、内陸部を含む31カ所の建設予定地で初期段階の審査が終了した。

 14年時点で中国で稼働中の原子炉は22基、発電容量は計2010万キロワット。中国は発電容量を20年までに5800万キロワットとする目標を掲げており、専門家は「内陸部の原発がなければ目標達成は難しい」としている。

 

中国の自動車ディーラー、将来3割が倒産か

2015年09月28日

 中華全国工商業連合会自動車ディーラー商会(以下「ディーラー商会」)がこのほど発表したデータによると、中国の約90%の自動車ディーラーが今年上半期、赤字になった。また、最近、北京、上海、広州など複数の都市で一部の「4S店〈Sale、Spare part、Service、Surveyに携わる販売店〉」が相次いで倒産する現象が起きている。

 チャイナ・ウオッチが28日、北京発新華社=共同電で報じたもので、中国自動車流通協会(以下「流通協会」)の賈新光常務理事は「4S店の倒産は今後も一定期間続くだろう」と予測。また、ディーラー商会の朱孔源秘書長によると、中国の自動車4S店は現在、約2万店あるが、このうち6000店が今後、倒産する可能性があるという。

 中国の自動車市場は今年に入って低迷が続いており、流通協会のデータによれば、ディーラーの在庫水準は今年2月から6カ月連続で警戒ラインを下回った。しかし、中国では「インターネット+」というコンセプトが打ち出され、自動車販売にネット企業も参入し、"自動車の電子商取引(EC)時代"の到来が加速しているという。

 賈常務理事によると、 中国の自動車市場はほぼ4年ごとに見直しが行われており、それがちょうど技術面などのイノベーションの周期にあたり、新車販売ルートも多様化しているという。

 

中国の科学者、器官の大きさ決める「黒幕」を発見

2015年09月25日

 中国の科学者が人体の器官の大きさを決定する「miRNA(マイクロリボ核酸)」を発見した。チャイナ・ウオッチが25日、杭州発新華社=共同電で報じた。

 それによると、人の両手はなぜ同じ大きさなのか、肝臓は一部を切除した後どうして元の大きさに再生されるのか―などについてはこれまで完全に解明されていないが、浙江大学生命科学研究院の趙斌教授がこのほど、「人体の器官の大小は一つの『miRNA』によってコントロールされ、この『miRNA』の活発度ががん細胞の成長とも密接に関連している」ことを突き止めたという。

 趙教授の研究によると、「(人体の)器官は適切な大きさになると、細胞に『停止』のシグナルを送る」そうで、「人体の大部分の器官と組織は細胞信号の伝達によって生理的に反応し、適切な大きさになる」という。

 また、このプロセスには「厳密なコントロール」が必要で、そうでないと胚の発育欠陥やがんを生じる恐れがある」とされる。

 さらに、「MIR―130A」という「miRNA」が人の体内の「HIPPO」という信号伝達経路に作用し、器官や組織の大きさをコントロールしており、動物実験のデータによると、「MIR―130A」の活性は肝細胞と腫瘍細胞の数に比例し、「miRNA」の活性が高いほど、肝臓と腫瘍の増殖も顕著だった。

 趙教授は「発育とがんはどちらも細胞の増殖・死と密接に関わっており、発育関連経路の失調はがんの発生を招くことがよくある」と指摘し、「この研究は『MIR―130A』の有機体発育、器官の大きさ調節、腫瘍発生における役割を明らかにしており、『miRNA』の抑制剤は抗がん剤開発の新しい方向となる可能性がある」と強調した。

 趙教授のこの論文は世界的な科学専門誌「ネイチャー」傘下の「セルリサーチ」誌(9月号)にカバーストーリーとして掲載された。

 

中朝国境の琿春‐吉林市間高速鉄道が開通

2015年09月24日

 中国の吉林省延辺朝鮮族自治州当局は23日、北朝鮮とロシアの国境地帯にある琿春市と吉林市とを結ぶ高速鉄道を外国メディアに公開した。

 チャイナ・ウオッチが24日、琿春発共同電で報じたもので、この高速鉄道は20日に開通したばかり。この結果、首都北京から中朝国境の琿春までの約1500キロが高速鉄道で結ばれた。

 中国東北部の吉林省や遼寧省は製造業、特に重工業が多く、それが原因で両省の経済成長率が近年、急速に落ちてきている。このため、習近平国家主席は7月の吉林省視察で、「新産業の育成」を指示しており、同省は、高速鉄道の開通をテコに、観光産業の振興や東北経済の再生を図ろうとしている。

 今回開通した区間は全長約360キロ。長距離バスで約6時間かかっていたが、それが高速鉄道によって約2時間15分へと短縮された。同高速鉄道は2020年段階で年間3300万人の利用客を見込んでいる。

 また、吉林省政府は国境地帯に、ロ朝両国政府とともに、「国際旅行協力地区」の建設を計画している。

 琿春市-吉林市間の高速鉄道の沿線には、朝鮮民族と中国の満州族の聖地とされてきた長白山(朝鮮名・白頭山)や、朝鮮族の伝統文化を紹介する観光施設などがある。

 中朝国境付近では、遼寧省の瀋陽市と、北朝鮮と国境を接する丹東市を結ぶ高速鉄道(全長約210キロ)が1日に開通している。

 

日本の対中投資28・8%減-1~8月、賃金上昇響く

2015年09月18日

 中国税関総署の統計上は昨年からゼロが続いている同国の対北朝鮮原油輸出に関し、韓国統一省が「例年通り年間50万トンに達する水準で原油支援が行われている」と推定していることが17日分かった。同省が国会議員に提出した資料で明らかになった。チャイナ・ウオッチがソウル発共同電として報じた。

 資料は「北朝鮮内で(自動車の)通行量の減少など、原油不足がもたらす特異な状況が見られない」ことなどを根拠としている。同省当局者は「首都平壌にタクシー会社が増えている」とも指摘した。

 中国の北朝鮮向け原油の輸出をめぐっては、統計上のゼロを疑問視する見方があり、韓国では中国が統計に記載せず相当量の油類を支援しているとの報道が出ている。

 

日本の対中投資28・8%減-1~8月、賃金上昇響く

2015年09月17日

 中国商務省は16日、1~8月の日本から中国への直接投資実行額が前年同期比28・8%減の22億5千万ドル(約2700億円)だったと発表した。減少率は1~7月の24・2%からさらに拡大した。

 チャイナ・ウオッチが17日、北京発共同電で報じた。それによると、中国では工場労働者の賃金上昇や大都市の店舗や事務所のテナント料の高騰で、企業収益が圧迫され、外国企業の投資意欲が減退しているとみられる。

 米国からの投資は19・6%減で、東南アジア諸国連合(ASEAN)からの投資も5・2%減だった。一方、欧州連合(EU)からの投資は14・4%増となり、世界全体から中国への投資は9・2%増だった。

 中国の習近平国家主席は15日の共産党の会議で「外資や外国の技術をしっかり導入する」と言明し、投資環境の改善に取り組む方針を打ち出した。

 

日中、北京で環境セミナー-大気汚染対策で連携協議

2015年09月16日

 日中の自治体が協力して中国の大気汚染の改善に取り組むための「日中都市間連携協力セミナー」が15日、北京で開かれた。チャイナ・ウオッチが16日、北京発共同電で報じた。

 それによると、同セミナーには、日本側からは福岡県や川崎、北九州市など2市3県の担当者らが出席し、公害防止条例の整備状況などを紹介した。日本の環境省大気環境課の是沢裕二課長はこの中で「日本で大気汚染問題の解決の中核を担ってきたのは地方都市であり、さまざまなノウハウを中国側に活用してほしい」と呼び掛けた。

 一方、中国側の 重慶市や陝西省西安市などの担当者はセミナーの席上、地元の大気汚染の観測状況などについて説明し、「自動車の排ガス規制などで日本側の経験を参考にしたい」との考えを表明した。

 大気汚染をめぐる日中の自治体間の協力事業は2014年度から始まり、日本側からはこれまでに東京都や富山県、三重県四日市市など計10の自治体、中国側からは北京市や広東省など計16市・省が参加し、公害などの取り組みで意見交換したり、セミナーを開いたりしており、日本側は中国側の職員を受け入れて研修を行ったりしている。

 

中国、第6段階の汚染物質排出基準を来年発表

2015年09月15日

 中国環境保護省科学技術規準司の裴暁菲処長は13日、天津で開かれた中国自動車産業発展(泰達)国際フォーラムで、中国は第6段階の(汚染物質排出)基準を策定しているところで、来年末までにまとまる見込みだ。チャイナ・ウオッチが新華社電として伝えるところによると、現在の環境保護情勢の要請に基づき、国六基準は窒素酸化物と浮遊粒子状物質の排出基準をさらに厳しくする。全体的な目標は国五基準より30%厳しく設定されていると表明した。

 自動車産業は中国の国民経済の発展に大きな貢献をしてきた。現在の自動車生産企業の数と保有台数はいずれも世界一で、特に自動車の販売台数は6年連続で世界一の地位を守っている。しかし、自動車保有台数の急速な増加は環境問題も招いており、特に排気ガス汚染、浮遊粒子状物質と窒素酸化物の排出はスモッグ汚染とオゾン汚染の重要な要因となっている。このため、2013年に発表された第5段階の基準は第4段階と比べ、窒素酸化物の排出基準が25~28%厳しくなり、浮遊粒子状物質に対する基準がより厳しくなった。

 裴処長は次のように表明した。国務院は今年4月、自動車用ガソリン・ディーゼル油の品質向上を一段と加速する方針を打ち出し、2017年1月1日から第5段階のディーゼル油基準を導入することを明らかにした。現在、排出基準をクリアしている乗用車と軽自動車は3700車種あまりにのぼり、50%近くの自動車が第5段階の排出基準をクリアしている。

 裴処長は「ガソリンと自動車の供給をみると、第5段階の基準を繰り上げて導入する環境はすでに整っている。環境保護省汚染防止司は専門家を動員して関連の報告をまとめているところで、第5段階の基準を繰り上げて導入する根拠を明確にする」と語った。

 さらに「環境保護省は第6段階の自動車排出基準の策定を非常に重視しており、年内にさまざまな内容を整合し、年末までに基準草案をまとめ、来年上半期までに基準草案の意見聴取稿を整理し、来年中に行政審査を受ける準備を進めている」と説明。

 ハイブリッド車、オート三輪、ヘビーデューティカーなど特殊車両の排出基準は従来から社会の各方面の大きな関心を集めている。

 上述の基準について裴処長は次のように説明した。ハイブリッド車の排出基準については、すでに意見の聴取が終わっており、専門家による審議が近く始まることになっており、年内の発表を目指している。メタノール車とヘビーデューティカーの第5段階基準は策定しているところだ。特にすでに販売されている自動車の排出基準は社会の関心度が高いので、環境保護省は排出基準の改正を急いでいく。オート三輪については、普通自動車と同じ管理方式を導入することを考えており、従来のオート三輪基準より厳しく、これまでの自動車の基準を下回る国家基準を公布する必要があると考えている。

 

中国、不動産投資が減速-1~8月、3・5%増にとどまる

2015年09月14日

 中国国家統計局は13日、今年1~8月の不動産開発投資が前年同期比3・5%増にとどまった、と発表した。中国の景気減速の大きな原因の一つとなっている投資の伸び悩みが収まっていない

 チャイナ・ウオッチが14日、北京発共同電で報じたもので、中国の不動産投資は活況期には30%台の増加も珍しくなかった。が、昨年から伸び率の縮小が続き、リーマン・ショックの影響で落ち込んだ2009年1~2月(1・0%増)以来の低水準となった。

 統計局のデータによると、住宅の新規着工面積は同17・9%減と大幅に落ち込んでいる。しかし、住宅の販売面積は8・0%増と持ち直し始めている。とはいえ、これは「不動産業者が売れ残りの解消で精いっぱい」で、新規プロジェクトのスタートに慎重になっているためとみられる。地方の中小都市での売れ残りが多いという。

 企業の設備投資などを含めた固定資産投資も10・9%増と、伸び率が昨年通年の15・7%から大きく縮小した。景気減速で、多くの企業が生産能力の過剰に陥り、新たな投資に消極的になっているためだ。 一方、8月の工業生産は前年同月比6・1%増と、7月と比べ0・1ポイント上昇した。セメントや自動車の生産量は前年同月を割り込んでいるものの、やや持ち直した。

 ただ、統計局は「国内外の需要は依然として弱く、工業生産が下振れする圧力は大きい」と指摘している。

 

人民元レートは合理的均衡水準に安定-李克強首相

2015年09月11日

 中国の李克強首相は9日、大連で開幕した夏のダボス会議の内外企業家代表座談会で発言し、「人民元為替レートは合理的で均衡のとれた水準に基本的に安定できる」と強調した。

 チャイナ・ウオッチが11日、新華社=共同電で報じた。米経営コンサルティング大手「ボストン コンサルティング グループ」(BCG)のリッチ・レッサー社長兼最高経営責任者(CEO)の質問に答えたものだ。

 同電によると、李首相はまた、① 今期政府成立以来、人民元の実質実効為替レートは15%上昇した。このため、中国は人民元の対米ドル中間値(基準値)設定の仕組みを調整することになったが、小幅な微調整で、人民元の対米ドル実質実効為替レートは大幅に上昇している② 先の人民元為替レートの調整後、現在は基本的に安定を維持している。人民元安が続くベースはなく、中国経済は合理的範囲で推移している③中国には比較的十分な外貨準備があり、モノ貿易の黒字が増えている。これらは人民元為替レートが合理的で均衡のとれた水準に基本的に安定を維持できることを示している-などと強調。「中国は人民元の相場を下げることで輸出を刺激することを望んでいない」と語った。

 李首相はさらに、「中国は世界で"通貨戦争"が起こることを願わない。中国は世界と高度に融合した主要経済体(エコノミー)であり、"通貨戦争"が本当に起きれば、それは中国にもマイナスである」と指摘。「われわれは資本取引における人民元の自由な交換を徐々に推進する」と言明し、「中国が人民元のSDR採用を願っているのは人民元の国際化実現のためだけでなく、発展途上大国のしかるべき国際責任を果たすためでもある。中国は世界経済のリスク源ではなく、成長の原動力源である」と訴えた。

 

民間資本で鉄道投資を奨励・拡大する新措置=鉄路総公司

2015年09月10日

 国務院の手配要求を徹底し、鉄道の投融資体制改革を踏み込んで推進し、鉄道分類別の投資・建設を規範化するため、中国鉄路総公司は「非持ち株合弁鉄道建設プロジェクト管理に関する中国鉄路総公司の指導意見」を発表した。鉄道建設に対する民間資本投資を一段と奨励、拡大し、非国有鉄道持ち株合弁鉄道建設プロジェクトの健全な発展と促進に重用な役割を果たすことになる。同公司が6日明らかにした。チャイナ・ウオッチが新華社電として報じた。

 「指導意見」は次のように明確にした。非国有鉄道持ち株合弁鉄道建設プロジェクトは、「公司法」および鉄路総公司との地方政府の協力取り決めに従い、各出資者または権限を授与された出資者代表が法に基づき鉄道建設プロジェクトの合弁会社を設立する。プロジェクト会社は鉄道建設プロジェクト法人として鉄道建設プロジェクトの計画策定、事前作業、資金調達、建設管理、輸送経営、元利返済、資産保全や付加価値増加など全行程の責任を負う。

 非国有鉄道持ち株合弁鉄道建設プロジェクトの建設工程管理について、「指導意見」は次のように指摘している。プロジェクト会社は需要に基づき、法に従ってプロジェクトの建設管理方法を決定する。鉄道局あるいは鉄道専門管理機関に代理建設を委託することもできるし、プロジェクト会社が自力で建設することもできる。

 非国有鉄道持ち株合弁会鉄道建設プロジェクトの輸送経営管理について「指導意見」は次のように明確にしている。鉄道輸送の統一的な調整と指揮の堅持を前提に、プロジェクト会社は法に基づき輸送管理方法を決定する。鉄道輸送企業に輸送管理を委託し、鉄道輸送企業の専門的管理の優位性を発揮し、輸送効率を高めることもできる。また、プロジェクト会社が自ら経営を管理し、鉄路総公司が列車運行図の編制、輸送手配などの支援を行うこともできる。

 

中国中車が米国に初の製造拠点-地下鉄車両を現地生産へ

2015年09月09日

 中国の大手軌道交通設備メーカー、中国中車股分有限公司がこのほど、米マサチューセッツ州スプリングフィールドでの地下鉄車両の現地生産に乗り出し、その工場建設の定礎式が9月3日に行われた。

 チャイナ・ウオッチが9日、米スプリングフィールド4日発新華社=共同電で報じたもので、中国の軌道交通設備メーカーが米国など先進国で工場を建設するのは初めて。ここで製造される地下鉄車両は安全審査の厳しい米国市場に投入される。

 中国中車は2014年末、激しい競争入札の結果、マサチューセッツ州政府からボストン地下鉄のレッドラインとオレンジラインを走る車両284両の納入契約を獲得した。これらの路線はボストン市の金融街、ハーバード大学などを経由しており、1日当たりの乗降客数は約130万人。が、既に数十年にわたって運行されており、車両の多くが老朽化している。

 今回の地下鉄近代化の資金はすべて州政府が拠出しており、「バイアメリカン法」によって、納入され車両の部品の60%を米国で製造しなければならないとされている。このため、中国中車はマサチューセッツ州に工場を設け、車両の製造と組み立てを行う必要があった。

 工場建設には6000万ドルが投資される予定であり、地元に150人分の雇用機会をもたらすと期待されている。工場は2018年に操業を開始し、すべての車両は2023年に引き渡される見込み。 スプリングフィールドはボストンから南西に140キロ余り離れた場所に位置し、人口は約15万人。地元の基幹産業は貿易・交通、教育・医療および観光・飲食業など。1970年代、ここはニューイングランド地区の製造業の中心地であったが、その後、製造業は他の地域に移転した。ここには米ナショナルホッケーリーグ(NHL)の本部が置かれている。中国中車の製造拠点の面積は約40エーカー(約16万平方メートル)で、その中にはウェスティングハウス・エレクトリック社(WEC)の旧工場建屋1棟が含まれている。

 中国中車の余衛平副社長は定礎式で「このようなハイレベルの生産能力協力は、中国の対米投資・貿易のパターン転換・高度化実現に有利である」と強調した。

 中国中車は現在、ミシガン大学と共同で溶接研究開発センターを建設し、イリノイ大学シャンペーン校とは「中米鉄道技術研究院」設立の準備を進めている。

 

シルクロード基金が露に初投資=LNG事業の株式取得

2015年09月08日

 チャイナ・ウオッチが新華社電として伝えるところによると、中国が独自に設立したシルクロード基金は3日、北京でロシア・ヤマル液化天然ガス(LNG)一体化事業の最大出資者、ロシアの天然ガス企業ノバテクとの間で同事業の9.9%の株式を取得する枠組み取り決めに調印した。同基金が明らかにした。

 同基金初の対ロ投資で、また初の石油・天然ガス分野への投資。これは基金が中ロの全面的戦略協力パートナーシップ構築と国際エネルギー協力で積極的役割を果たしていることを示していると基金の責任者は強調した。

 同事業はロシア北部ヤマル半島に位置し、天然ガスの探査開発、液化、輸送、販売を一体化したもので、ノバテクが60%、フランス・トタルと中国石油天然ガス集団公司が各20%出資し、投資総額が100億ドルを超えている。枠組み取り決めの調印に続き、同基金はノバテクと株式取得取り決めの具体的条項についてさらに協議する。

 シルクロード基金はまた同日、北京でロシア開発対外経済銀行(VEB)、ロシア直接投資基金との間で投資協力に関する覚書に調印した。覚書によると、シルクロード基金はロシアとインフラ、産業協力、電力、エネルギーなどの分野の投資事業を共同で実施する。

 シルクロード基金は昨年12月設立された。中長期開発投資基金として、市場化、国際化、専門化の原則で運営され、「一帯一路」(シルクロード経済ベルト・21世紀海上シルクロード)建設で、中国と関係国・地域との投融資協力を着実に推進し、共同の発展、共同の繁栄を促している。

政策「第12期全国人民代表大会第3回会議 政府活動報告
 

グーグル、中国でコンテンツ提供か-米メディア報道

2015年09月07日

 チャイナ・ウオッチが7日、ニューヨーク発共同電で報じたもので、このコンテンツ配信サービスは「グーグルプレイ」中国版で、グーグルは現在、この配信サービスの開始に向け、中国政府の許可を求めている。グーグルはまた、中国で売られている腕時計型端末のサポートも開始する計画だという。ただ、「ザ・インフォメーション」は、グーグルが中国本土を拠点にした検索サービスを再開するかどうかについては明確にしていない。

 グーグルは2010年、中国政府によるネット検閲を拒否し、中国本土を拠点にした検索サービスから撤退した。 また、グーグルと中国の関係をめぐっては、昨年12月、グーグルが提供する電子メールサービス「Gメール」の送受信が困難になる問題が起きている。中国当局の規制によるとみられる。

 

携帯電話の実名制、9月1日かスタート‐改正公告法

2015年09月04日

 中国で9月1日から携帯電話の実名制が正式にスタートした。広告法の改正に伴うもので、チャイナ・ウオッチが4日、北京発新華社=共同電で報じた。

 それによると、電気通信企業の各種実体営業販売チャネルは9月1日以降、ユーザーのネット接続手続きを行う際、身分証識別設備を使用し、ユーザー本人の身分証明書をチェックするとともに、システムを通じてユーザーの身分情報を入力しなければならなくなった。しかも、身分証識別設備を持たない営業販売チャネルはユーザーのネット接続手続きをできない。

 また、2013年9月1日以前にネット接続している非実名ユーザーについては、電気通信企業はSIMカードを交換する際、ユーザーに追加登録するよう求めなければならない。さらに、今年末までに電話ユーザーの実名登録率を90%にするという。

 改正広告法はまた、①10歳未満の未成年者を広告のイメージキャラクターとして利用してはならない②14歳未満の未成年者の商品・サービス広告では、その未成年者が親に買ってほしいとねだるシーンを含んではならない-などと規定している。

 このほか、改正広告法では、健康食品広告でのキャラクター起用が禁止され、同広告が「病気の予防・治療効果」に触れることを禁じている。

 

中日韓が高齢者ケアサービス委員会を設立

2015年09月03日

 中国、日本、韓国の高齢者ケア産業発展の新たな情勢に適応し、中日韓3国の高齢者ケア産業協力を強化するため、中日韓経済発展協会の発起により設立された「中日韓高齢者ケアサービス委員会」のネームプレート除幕式が1日に行われ、業務を正式に開始した。チャイナ・ウオッチが新華社電として報じた。

 除幕式は第10回北東アジア博覧会の重要な一環である「中日韓傑出経済人交流フォーラム」で行われたもの。

 データによれば、現在、中国の人口高齢化は急速に進む時期に差し掛かっている。2014年末現在、中国の60歳以上の高齢人口はすでに2億1200万に達し、前年に比べて1200万人余り増加した。このペースで進むと、中国の高齢人口は今後10年でさらに1億人増えることになろう。中国のこうした膨大な高齢人口と高齢者ケア市場に対し、日本と韓国は熱い視線を注いでいる。

 日韓の政界と実業界の関係者は次のように表明した。日本と韓国には成熟した政策と法律法規、完備した体制・仕組み、充実したサービス体系、専門の介護スタッフおよび産業発展の豊かな経験があり、一方、中国には広大な高齢者ケア市場がある。3カ国が協力すれば、中国の高齢者ケア市場の発展を速め、高齢者向けの良好なケアサービスを提供することができる。

 中日韓経済発展協会の陳軍・常務副会長は、急速に進む高齢化は中国の高齢者ケアに非常に大きな圧力をもたらしており、どのようにして効果的な措置を講じ、回り道を少なくし、完備した高齢者ケア産業を発展させるかは軽視できない当面の急務となっていると表明した。「高齢者ケア産業は中国の新興産業、成長産業であり、日韓の成熟した高齢者ケア産業の発展方法を参考にすることは、中国が高水準の高齢者ケア産業を発展させるための近道である」、陳軍氏はこう述べた。

 

試練に対応しながら経済を安定させる-李首相が強調

2015年09月02日

 中国の李克強首相(中国共産党政治局常務委員)は28日、国務院の会議を主宰し、「世界の経済・金融情勢にみられる新たな変化が中国経済にもたらす影響とその対策」について重要演説を行った。張高麗副首相(党政治局常務委員)も会議に出席した。

 チャイナ・ウオッチが2日、北京発新華社=共同電で報じた。それによると、李首相はこの会議の席上、「最近の一時期における国際市場の混乱は、世界経済の回復と成長に新たな不確定要素をもたらした。中国の金融市場や輸出入が受けた影響も大きく、経済は新たな圧力に直面している」と指摘。「見通しが立たない国際環境に直面し、国内の深層部の矛盾が浮き彫りになる状況に対応するため、われわれは安定の中で進歩を求める方針を貫き、構造改革を継続し、預金準備率や金利、税率や料金を引き下げ、市場を安定させる一連の指向性コントロール措置を相次いで発表した。これらの措置は継続的に効果をあげてきた」と強調。「われわれは発展を促す大きな潜在力を持っているばかりでなく、リスクを効果的にコントロールする能力も持っており、複雑に交錯する情勢の中で活動の主導権を握り続けることができる」と訴えた。

 李首相はまた、「当面の経済を着実に進めるためには、一部の分野で好調が続いていることに目を向け、自信を固め、強い信念を保つと同時に、困難や試練を直視し、しっかりとした準備を整え、困難や試練に適時かつ適切に対応し、利に目を向け、害を避けるようにしなければならない」と指摘し、「そのために重要なことは、党中央と国務院の部署配置を実行に移し、経済発展の新常態(ニューノーマル)に積極的に適応し、発展という最優先任務の遂行に力を入れ、中央と地方の積極性を十分に引き出し、積極的な財政政策と穏健な通貨政策を継続し、合理的エリアでのコントロールを続け、わずかな兆しから発展の方向性を判断し、柔軟な対策をとり、さらに正確な指向性コントロール、分別コントロールにより経済の下振れ圧力に対応し、(中略)市場の期待感を安定させ、政策的備蓄に力を入れ、経済と社会の発展に関する今年の主な目標と任務を達成することだ」と強調した。

 李首相はさらに「成長を促してきた伝統的な原動力が弱まる中、改革開放を推進するより多くの新しい措置を発表し、公共財や公共サービスの供給を増やし、大衆起業・万民革新を促し、経済の発展を促す原動力を増強しなければならない」と述べ、「投融資方式を刷新し、特定ファンドの設立、地方債務の借り換え、社債の発行、固定資産投資プロジェクトの資本金比率の調整などを通じて、地方と企業の投資能力を高め、公共施設建設などの重大プロジェクトを地方で推進し、中部地区、西部地区、貧困地区の発展を支援し、有効投資を拡大しなければならない」と語ったという。

 

中国の1~7月税収が2010年以来の低水準に

2015年09月01日

 中国の楼継偉財政相は27日、現在の予算執行状況をみると中央と地方の一般公共予算(一般会計予算)収入の今年の目標達成はかなり難しく、収支矛盾が目立つと指摘した。チャイナ・ウオッチが新華社電として伝えた。

 国務院の委託を受け、開会中の第12期全国人民代表大会(全人代)常務委第16回会議で年初来の予算執行状況について報告した中で述べた。楼財政相は次のように説明した。

▽1~7月の一般公共予算収入は前年同期比7.5%増の9兆3849億元で、予算の60.8%に達した。これまでの11の政府基金を一般公共予算に組み入れたことを差し引くと、伸び率は5.4%となる。税収は7兆8793億元で、2010 年同期以来の低い水準となった。

▽財政支出は前年同期比12.1%増で、予算の52.5%に達した。支出の伸びを項目別にみると、教育が16%、社会保障・就業(雇用)が21.4%、医療衛生・計画出産が19.2%、省エネ・環境保護が19.3%、農林水産が15.4%で、いずれも平均の伸び率を上回った。

▽今後、重要プロジェクトの建設を推進し、2016年度の重要プロジェクト建設投資計画を繰り上げて下達する。減税と徴収費用の整理に力を入れる。企業の研究開発費について課税控除などの優遇政策を実施し、企業の増資とストックオプションの個人所得税分納試行を適時に全国に拡大する。

 全人代財政経済委員会は、全体的に見て予算執行状況は比較的良好だが、財政収支均衡圧力が比較的大きく、予算執行と財政の際立った問題となっているとの認識を示した。

政策 PDFファイル 第12期全国人民代表大会第3回会議 政府活動報告
統計データ 中国統計年鑑2013年版