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中国の無戸籍人口は1300万人-公安省が対策協議

2015年11月30日

 中国の公安省共産党委員会は11月21日、同省改革全面深化指導小組の第17回会議を開催し、この中で中国の無戸籍人口が1300万人に上っていることを明らかにした。

 チャイナ・ウオッチが30日、中国の経済紙「第一財経日報」の報道(24日の文滙ネット)として伝えたもので、公安省改革全面深化指導小組は中国の無戸籍人口が総人口の1%にもなっていることを指摘。「社会の公平や調和に影響する重大問題となっている」と警告した。

 それによると、このデータは中国国家発展改革委員会マクロ経済研究院の萬海遠副研究員らが2014年7-8月に行った調査に基づくもので、「黒戸」と呼ばれる無戸籍者のうち60%以上は産児制限の規定を超えた出産の結果だったという。また、その他の「黒戸」は、主体的な戸籍未登録、未婚出産、関連書類の紛失などの結果や捨て子だった。

 中国では、無戸籍者の大多数に社会保障が適用されておらず、正常な仕事・生活・教育を受ける権利も与えられていない。

 中国戸籍登録条例(1958年施行)は第2条で「中華人民共和国の公民は本条例に基づき、戸籍登録をしなければならない」と定めており、第7条では「嬰児は生後1カ月以内に、戸主、親族、扶養者などが、嬰児の常住地の戸籍管理機関に出生登録を申請しなければならない」と規定されている。しかし、"一人っ子政策"が行われていた中国ではこれまで、違反者に罰金が科せられ、罰金を納めなければ戸籍登録もできなかった。

 公安省改革全面深化指導小組はこれに対し、「人民大衆の利益擁護を公安改革の出発点とし、無戸籍者が戸籍を持てる政策を実施し、無戸籍問題を解決する」ことなどを決めたという。

 萬副研究員らは「高齢化が進み、"人口ボーナス"が消失しつつある今、早急に戸籍管理の電子化を進め、戸籍登録と各種の福利政策とのリンクをなくし、中国で生まれた公民すべてに、自動的かつ無条件に、戸籍登録ができるようにすべきだ」と提言している。

 

天津の巨大な家畜クローン工場建設に物議-中国

2015年11月27日

 中国のバイオ関連企業、博雅グループは26日までに、天津市に世界最大の家畜クローン工場を建設する計画を明らかにした。チャイナ・ウオッチが27日、北京発共同電で報じたもので、この計画が安全性をめぐって物議を醸しているという

 中国メディアなどによると、博雅グループは韓国の研究所と共同で家畜クローン工場を建設し、肉牛やペット犬、競走馬などを量産するというが、同研究所はクローン関連技術に関する論文の捏造 (ねつぞう) が問題となった黄禹錫元ソウル大教授が率いているそうだ。

 計画では、博雅グループと韓国の研究所は当初、2億元(約38億円)で天津市に関連施設を建設。来年前半に家畜クローン工場を稼働させる予定。総投資額は30億元。同じ遺伝情報をもつ動物を作り出す体細胞クローン技術を用い、年間10万頭の肉牛などを育てる計画という。また、この目標が達成されれば、次のステップで、クローン牛などを100万頭まで増やす計画だという。

 中国の業肉価格は、需要の増大に伴って、高騰しており、博雅グループはクローン牛の肉を、これまでより低価格で市場に売り出すという。また、博雅グループ幹部は、中国メディアに対し、「より安全で良質な牛肉を市場に提供する」と説明しており、当面は海外への輸出はないという。 しかし、中国メディアは「安全性が十分に検証されていないだけでなく、費用も高い」とし、同計画に疑問を呈している。

 日本の農林水産省によると、国内では体細胞クローン技術による家畜の生産は研究段階にとどまっており、同省が業者などに出荷自粛を要請していることもあり、食品として流通していない。

 

2015 世界ロボット会議開幕=習主席、技術開発と産業化強調

2015年11月26日

 チャイナ・ウオッチが北京発新華社=共同電として伝えるところによると、2015世界ロボット会議が23日、北京で開幕した。習近平国家主席が会議開催に祝意を表するメッセージを寄せた。その中で各国の科学技術界、産業界と協力し、ロボット技術開発と産業化を推進し、ロボット技術と製品の発展を推進し、人民に幸福をもたらすことに寄与することを願っていると強調した。

 また習主席は次のように述べている。情報化、工業化の融合に伴い、ロボット技術に代表されるスマート産業が盛んになり、ロボットが技術革新(イノベーション)を示す重要なものになっている。中国はロボットとスマート製造を国家技術革新の優先重点分野に組み入れている。各国の科学者と企業家が手を携えて、ロボット技術革新・発展を共に推進し、人類社会のより素晴らしい未来を築くために積極的に貢献することを希望する。

 李克強首相も指示を出した。その中で中国は革新駆動の発展戦略を進めていると強調し、大衆起業・万民革新と「インターネット+」、「メード・イン・チャイナ2025」はロボット新興産業の成長を強力に促し、世界最大のロボット市場を築くものであると述べた。

 会議は中国科学技術協会、工業・情報化省、北京市人民政府の共催で、12のロボット国際機関と58の国内研究機関が参加している。10余りの国および香港マカオ台湾地区の100人余りの専門家、学者が基調報告会、専門テーマフォーラムに出席する。国内外の100余りの企業がロボット博覧会に参加し、先進的製品を集中展示している。16の国と地域の145の青少年代表チームが2日間の世界青少年ロボット競技に参加する。

 国際ロボット連盟(IFR)によると、中国で昨年販売された工業用ロボットは前年を55%上回る5万7000台に達し、世界の4分の1を占めた。しかし、製造業の労働者1万人当たりのロボット台数は36台で、韓国の478台、日本の315台、ドイツの292台、米国の164台に比べ大きく遅れをとっている。

 

ドイツで中国欧州国際取引所正式オープン

2015年11月25日

 人民元建て金融商品を扱う中国欧州国際取引所が18日午前、ドイツのフランクフルトで正式オープンした。当初、二つのETF(株価指数連動型上場投資信託)と人民元建て債券商品が取引される。チャイナ・ウオッチがフランクフルト発新華社=共同電として伝えた。

 同日、中国欧州国際取引所株式会社の開業式がフランクフルト証券取引所で行われた。中国の史明徳ドイツ駐在大使、上海証券取引所の黄紅元・総経理(社長)、ドイツ取引所グループのカーステン・ ケンジェターCEOが出席した。

 史大使は新華社記者に、中国欧州国際取引所の開設は人民元国際化の重要なステップで、また中独協力の重要なブレークスルーであり、両国の実体経済の協力に重要な金融支援を行うものであると語った。

 中国欧州国際取引所は今年3月の中独第1回ハイレベル財政金融対話の重要な成果の一つで、欧州オフショア人民元建て証券取引・価格決定センターを築くことを目的とし、本部をフランクフルトに置いている。上海証券取引所とドイツ取引所グループが各40%、中国金融先物取引所が20%を出資して設立された。この3機関が先月29日、北京で取り決めに調印し、設立を宣言した。

 

北京大が磁覚タンパク質を発見=「第六感」の謎解明へ

2015年11月24日

 北京大学の研究グループはこのほど、まったく新しい磁気受容体タンパク質「MagR」を発見し、論文を学術誌「Nature Materials」に発表した。今回の成果は生物の「第六感」と呼ばれる磁覚の謎解明につながる可能性があるとみられている。

 チャイナ・ウオッチが24日、 北京18日発新華社=共同電で報じた。それによると、オオカバマダラ、サケ、イセエビ、ウミガメなど、渡りをする生物は、生まれつきのコンパス機能を備えているかのように、長い道のりを迷わずに進むことができる。また、シロアリの一種やヨーロッパモグラなどの生物は、地球の磁場の方向に合わせて巣づくりを行う。

 科学者は生物がこうした不思議な「方向感覚」について、生物の感覚器に「第六感」と呼ばれる磁覚があり、生物が地磁場を利用して正確な方向を探り当てると考えてきた。

 このため、北京大学生命科学学院の謝燦氏らの研究グループは生物の磁気感知のシステムの解明に取り組み、タンパク質に基づくバイオコンパスモデルを提案。磁気誘導受容体となる鉄結合タンパク質が存在し、このタンパク質が線型マルチメリゼーション(多量体組み立て)によって、棒磁石のようにS極とN極を持つ棒状のタンパク質複合体を形成すると考えた。

 そして、同研究グループはこれに基づき、キイロショウジョウバエのゲノムワイドスクリーニング、タンパク質の相互作用实験によって、まったく新しい磁気受容体タンパク質を発見し、「MagR」と命名したという。しかも、この「MagR」が極めて顕著な固有磁気モーメントを持っていることも突き止めた。

 同研究グループはまた、このタンパク質の溶液状態における磁性の特徴を測定。電子顕微鏡によって、「MagR」が微弱な地球の磁場を感知でき、しかも、タンパク質が地球の磁場にそって並んでいることを確認したという。

 この「MagR」を介した磁場の感知が、生物の渡りとナビゲーションの基礎を構成している可能性があるという。

 

米のノーベル賞受賞者が成都に核酸研究院設立へ

2015年11月20日

 中国・成都ハイテク産業開発区管理委員会は16日、ノーベル医学生理学賞受賞者のジャック・ショスタク教授(米)と戦略枠組み協力取り決めを結んだ。双方は成都ハイテク産業開発区天府生命科学技術パークに「ショスタク・四川大学大核酸研究院」を共同で設立し、大規模な核酸研究開発および産業化の発展を後押しする考えである。チャイナ・ウオッチが成都発新華社=共同電として報じた。

 取り決めによれば、「ショスタク・四川大学大核酸研究院」は四川大学、ハーバード大学、マサチューセッツ総合病院、米ジョージア州立大学などから核酸技術分野における一流の人材、研究成果および資本を集め、核酸アプタマー薬物・診断試薬共同実験室など多くの実験室を設ける予定であり、主な分野には核酸アプタマー分子診断技術の確立、子宮頸がんアプタマー診断試薬の研究開発などが含まれる。

 現在、「健康中国」はすでに第13次5カ年計画(2016~2020年)の提案に盛り込まれ、核酸検出と核酸修飾などを基礎とする精密医療は世界のバイオ医薬と健康産業の重要な発展方向となっており、市場の見通しが明るい。

 ショスタク教授は2009年のノーベル医学生理学賞の受賞者で、米科学アカデミー会員、ハーバード大学医学部終身教授を務めている。同教授は核酸研究分野で世界的に注目される研究成果を収め、その成果の実用化と産業化を後押しすることに尽力してきた。

 今年5月、ショスタク教授は成都ハイテク産業開発区を視察し、協力の意向を固めた。「成都はバイオ医薬産業発展のための良好な環境を備え、世界各地から多くの優秀な人材が集まっており、私は今後の協力に明るい見通しを感じた」、教授はこう述べている。

 四川省のバイオ産業の重要な集積区域として、成都ハイテク産業開発区のバイオ産業はすでに良好な基盤を備え、メドトロニック、邁瑞、倍特などを含む国内外の有名企業約800社が集まっており、産業従事者は3万人近くに上る。

サイエンスパーク 成都ハイテク産業開発区
 

甘粛酒泉に単体最大の太陽熱タワー型発電所

2015年11月19日

 チャイナ・ウオッチが宜昌発新華社=共同電として伝えるところによると、単体では中国最大のタワー型太陽熱発電所の一つである、甘粛省酒泉市金塔白水泉光熱発電プロジェクトがこのほど、酒泉市エネルギー局に正式に登記された。中国長江三峡集団公司が15日明らかにした。

 金塔白水泉光熱発電プロジェクトは甘粛省酒泉市金塔県白水泉光伝産業パーク内にあり、設備容量は100メガワット、敶地面積は6平方キロで、三峡集団初のタワー型太陽熱発電プロジェクトであり、単体では中国最大の太陽熱タワー型発電所の一つだという。

 このプロジェクトは溶融塩を熱媒とするタワー型の太陽熱技術で、多くの平面反射鏡を並べ、太陽光をタワー頂上部の太陽熱吸収器に反射させ、加熱し、蒸気を発生させ、熱動力装置を使ってタービンを動かして発電し、太陽エネルギーを電気エネルギーに変える。

 白水泉熱発電プロジェクトが完成すれば、毎年の送電網接続量は 3.2 億キロワット時、満負荷での3232時間の運転に相当し、毎年標準炭換算で10.54万トン節約でき、排煙量を約1426.3トン削減でき、二酸化炭素排出量を約31.76万トン減らせる。

 太陽熱発電は熱エネルギーを発電に利用しており、貯蔵しやすいという特徴があり、連続、安定、高品質の電力輸送を実現し、従来の新エネルギーの間欠式の送電網への衝撃を防ぎ、送電網への基礎的負荷を受容する潜在力をもっている。

 

「一人っ子」撤廃の中国、過半数が第2子望まず

2015年11月18日

 中国政府は2016年から「一人っ子政策」の撤廃に着手するが、中国市民の過半数は政策が撤廃されても第2子出産を望んでいないことが中国共産主義青年団機関紙「中国青年報」の世論調査で分かった。生活水準の低下などを理由としている。

 チャイナ・ウオッチが18日、北京発共同電で伝えた。それによると、 約3千人の男女を対象とした聞き取り調査で、回答者の46%が「第2子を考える」と答えたものの、52%は「生活水準が低下するので考えない」と回答した。

 また、回答者の87%は「第2子を安心して生むには十分な社会福祉政策が必要」と答え、北京市の会社員(42)は「第2子を持つには経済的要因などを考える必要がある。政策変更で子どもが増えるという単純な話ではないと思う」と話したという。

 さらに、 回答者の80%が「第2子出産で最も重要なのは夫婦に安定した高収入があること」と回答し、40%が第2子を望まない理由として「生活のリズムを変えたくない」を挙げたという。

 中国政府は「一人っ子政策」撤廃による労働力人口増加を期待しているが、そう容易なことではない。なお、調査対象の39%は自身も一人っ子で、対象の55%が女性だった。調査の実施時期や対象年齢は明らかにされていない。

 

中国国務院、食糧生産安定のための措置などを決定

2015年11月17日

 中国の李克強首相は11日、国務院常務会議を招集し、食糧生産安定のための措置などを決めた。チャイナ・ウオッチが17日、北京発新華社=共同電で報じたところによると、同会議では、食糧の安全保障と農民の利益を保証するため、食糧生産の安定によって農家の収入を増やす措置が決まった。また、消費の高度化で産業の高度化を促し、新たな供給と原動力の育成・形成によって、内需拡大ための手配が行われたという。医療衛生と介護サービスの結合によって、老後の医療・介護を一層よく保障することも確認されたという。

 同会議では、「食糧の増産が続き、今年も豊作で、経済・社会発展と民生改善を強力に支えたが、在庫の大幅な増加、価格の低下などが起きている」といった問題が指摘され、①複数の措置を合わせて、農民の利益と栽培意欲をしっかり保護する②秋収穫食糧の買い付けに力を入れ、貯蔵施設建設の投資を増やし、食糧倉庫の建設と保守・改造の進度を速め、必要に応じて広域倉庫移転計画を追加し、北部の食糧の南部への輸送を増やす③加工企業による市場での食糧購入を奨励する政策の発表を急ぎ、「打白条」(買い付けの際、現金取引をせず証票を渡すこと)、等級・価格抑制を厳しく取り調べる④既存の在庫を穏やかに消化し、条件に適う臨時備蓄トウモロコシを国の可処分備蓄に振り替える-ことなどが決まったという。

 同会議はさらに、「消費財など関連産業とサービス業の供給を革新すれば、大衆の生活を豊富にし、内需の潜在力を解き放ち、民生の不足部分を埋め、工業の高度化と製品の品質向上をはかれる」ことを確認。これに基づいて、①消費拡大を制約している体制・仕組み上の障害を取り除き、教育、衛生、文化などの事業体の個別改革を急ぎ、企業に転換すべきものは早急に転換する②民間資本の市場参入を全面的に緩和し、分野毎に外資に対する制限の軽減、緩和、撤廃を図る③新しい技術・製法・材料の使用を支援し、良質な新型の製品や生活サービスなどの有効な供給を増加させる④戸籍制度改革の加速によって住宅、家電などの消費をけん引する-ことなども決めたという。

  会議ではまた、「地図管理条例(草案)」が採択された。草案は地図の作成、審査、刊行などについて規定している。

2014年中央一号文件一、国家食糧安全保障システムの整備
 

中国企業、ルーマニア原発プロジェクト枠組み取り決めに調印

2015年11月16日

 中国広核集団(中広核、CGN)ルーマニア原発公司(設立準備中)は9日、ルーマニアの国営原子力発電会社(SNN)とチェルナボーダ原子力発電所プロジェクトの了解覚書に調印した。CGNはこれより先、英国との間で原発プロジェクトの投資取り決めに関する協定を結んでいる。

 チャイナ・ウオッチが16日、ブカレス発新華社=共同電で報じた。了解覚書はチェルナボーダ原子力発電所3、4号機プロジェクトの開発、建設・運営および廃炉に関するもので、調印式はルーマニアのエネルギー省で行われ、同国のジェレア・エネルギー相と中国の徐飛洪ルーマニア駐在大使らが見守る中、CGNルーマニア原発公司の張啓波総経理(社長)とSNNのルラシェ総裁によって行われた。

 ジェレア・エネルギー相は調印式後、「今回の調印はルーマニアと中国両国にとって、非常に重要であり、両国の原発分野での協力は双方の伝統的友好協力関係を体現したものだ」と指摘。「チェルナボーダ原子力発電所の新ユニット2機の建設と稼働はルーマニアのエネルギー生産能力を大いに高め、ルーマニアをこの地域の重要なエネルギー生産国とし、ルーマニアひいては欧州連合(EU)のエネルギー独立のために寄与することになろう」と強調した。

 同相はまた、「新たなユニットの建設によって、わが国の工業は受注が大幅に増え、国民経済の成長を後押しするだろう」と付け加えた。

 一方、張総経理はこの調印式で「CGNは運転中または建設中の原発ユニットを26機保有しており、ルーマニア原発プロジェクトへの参加を通じ、中国の原発技術サービスの海外進出を实現し、(中略)一帯一路(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)の建設および中国と中・東欧諸国との实務協力の实現のために新たな手本を打ち立てることになる」と表明した。

 チェルナボーダ原子力発電所はルーマニアの南東部にあり、1980年代に計画され、1号機、2号機はそれぞれ1996年と2007年に運転を始めた。3、4号機は2号機を参考とし、単体ユニットの設備容量は720メガワットを下回らず、単体の工期は88カ月が予定されている。プロジェクトの総投資額は約72億ユーロとされている。

 

中国初の知的財産権エクイティファンド設立

2015年11月13日

 国の資金で誘導する中国初の知的財産権エクイティファンド「国知知恵知的財産権エクイティファンド」が9日、正式に設立された。チャイナ・ウオッチが北京発新華社=共同電として報じた。

 特許をいかに戦略的資産として合理的に運用するかは、中国のハイテク産業を発展させる上で非常に重要な影響を持つ。同日の記者会見での発表によれば、このファンドは主に店頭市場に登録する予定の企業に投資され、的を絞って企業の知的財産権の発掘と開発に用い、国内の中小企業がコア技術の特許を効果的に取得し、業界発展の枠組みの中で主導権を握り、それによりモデルとしての役割を果たすのを支援する。

 国知知恵知的財産権エクイティファンドの第1期の規模は1億元(1元=約19円)となる。そのうちファンドの主要発起団体である北京国之特許早期警報コンサルティングセンターは500万元を出資するとともに、9500万元の社会(民間)資本を呼び込み、1対20の誘導効果を作り上げ、特許の革新性と企業の知的財産権保護において政府資金の誘導的役割を最大限発揮する。

 ファンドに協力する北京清林華成投資有限公司の趙偉社長は次のように説明した。ファンドはさらに業種の細分化および地域の細分化においてその他の機構と協力し、社会資本の大規模な参加を呼び込むことになろう。同時に、ファンドは「国知知恵知的財産権指数」を定期的に発表し、主として技術力、革新能力および成長の潜在力を持つ店頭市場登録企業の予備軍を発見するのに用いる。この指数は店頭市場登録済み企業の知的財産権指数を研究することを通じ、成功企業が備える特質を分析し、それによって投資および特許サービスの重要な指標とし、最終的に企業がコア技術の特許を効果的に取得してその価値を高めるのを支援する。

 業界関係者は次のような見方を示した。国内初の知的財産権エクイティファンドの設立は政府資金のモデル誘導効果を発揮するものであり、中小・零細企業の技術革新を支援するのに役立つ。これは「大衆起業、万民革新」を促進し、イノベーション駆動の発展戦略を実施し、知的財産権分野の改革を深化させ、知的財産権強国づくりを加速する革新的措置である。

 

パナソニックが中国で初の電子商取引認証を取得

2015年11月12日

 中国国家認証認可監督管理委員会はこのほど、日本のパナソニックに対して国内で最初の電子商取引(EC)認証証書を発給した。チャイナ・ウオッチが12日、北京発新華社=共同電で報じたもので、パナソニックに与えられたのは「B2C(企業・消費者間)」のECサービス認証だという。

 同委員会関係者が9日明らかにしたところによると、中国では近年、電子商取引(EC)が急速に発展し、産業規模が急拡大。と同時に、扱われる商品とサービスの全体的な質の状況が憂慮されている。例えば、中国の国家品質監督検査検疫総局がネット販売のおもちゃ、衣朋、靴、手提げかばん、小型家電の5分類11品目について抜き取り検査を行ったところ、商品の3割近くが不合格だったという。

 同委員会はこのため、電子商取引(EC)に対する一連の基準・規則を定め、国際的に行われている第三者認証方式を採用。オンライン供給業者、プラットホーム業者などに対して監督、評価を実施し、商品の質、サービス、セキュリティーなどについて追跡調査や評価を実施し、持続的改善が可能な仕組みを作り上げたという。

 同委員会関係者はこれについて、「電子商取引(EC)認証制度はサービスを一層規範化し、関係企業が内部管理システムを整えるよう導き、商品とサービスの質に対するコントロールを強化した」と指摘。「国際的な相互認証の仕組みを通じ、中国の電子商取引(EC)企業の海外進出を支援し、越境(クロスボーダー)取引の発展を促していく」と語った。

 

中国の労働人口、「一人っ子政策」撤廃で3千万人増も

2015年11月11日

 中国国家衛生計画出産委員会は10日、共産党が「一人っ子政策」を撤廃し、すべての夫婦が第2子まで持つことを認める決定をしたことで、2050年までに労働人口が3400万人増え、高齢化の加速に一定の歯止めがかかるとの予測を公表した。

 チャイナ・ウオッチが11日、北京発共同電で報じたところによると、中国国家衛生計画出産委員会の王培安副主任は10日記者会見し、「(近年)高齢化が加速し、労働人口と出産や育児に適した人口が減少に転じている」と危機感を表明し、「こうした問題は『一人っ子政策』の撤廃により緩和される」と強調した。

 同委員会によると、この措置によって新たに2人目の出産が可能になる女性は9千万人余り。2050年までに60歳以上の高齢者が総人口に占める割合は、「一人っ子政策」を撤廃しなかった場合に比べて低くなる見通しという。

 また、中国の人口は2029年に14億5千万人に達するが、ピークを迎える時期が従来の予測より2年前後遅れるとみられる。さらに、 2人目の出産を認めることで医療や保育施設が不足するとの懸念について、王副主任は「多方面からの努力により解決できる」と語った。

 

中国初の安全産業発展投資基金設立=規模1千億元

2015年11月10日

 チャイナ・ウオッチが5日北京発新華社=共同電として伝えるところによると、中国初の安全生産発展投資基金設立に関する取り決めが5日、調印された。資金規模は1000億元(1元=約19円)で、安全分野の新技術、新製品、新装置・設備および新サービス業態の発展を重点的に支援する。工業・情報化省、国家安全生産監督管理総局と国家開発銀行、中国平安保険集団が取り決めに調印した。

 説明によると、基金は国家開発銀行の低コスト融資や平安保険の長期投資の二つの優位性を生かし、国の政策を通じて産業の発展需要をマクロ的に導き、民間資本を活用し、債券投資、株式投資、債券・株式混合投資、低利息融資などの各種方式で、安全産業分野の科学技術型企業、中小零細企業、国有企業改革などに資金を提供し、危険化学品生産企業の再編を支援し、企業の資金調達難、調達コスト高などを解決するとしている。

 工業化、都市化の急速な進展で、現在、中国は生産での事故や職業病が多発する特殊な時期にあり、産業体系を整備し、安全生産や防災減災、緊急対応・救援保障の能力を高め、人々の安全と健康に対する要請にこたえることが差し迫って必要となっている。安全産業の製品とサービスに対する需要は一層の拡大が見込まれ、市場見通しは明るい。

 今回の取り決めは新興産業の育成、新たな経済成長ポイントの形成に役立ち、政府と民間資本の協力方式刷新にも重要なモデルとなるとみられている。

産学連携(技術移転)データ スパーク(星火)計画重点事業のプロジェクト数事業タイプ別構成比(2011年)
 

中国の貿易総額、10月は12%減‐8カ月連続マイナス

2015年11月09日

 中国税関総署は8日、輸出と輸入を合わせた10月の貿易総額がドルベースで前年同月比12・1%減だったと発表した。貿易総額のマイナスは8カ月連続で、減少幅は9月の11・4%よりも拡大した。

 チャイナ・ウオッチが9日、北京発共同電で報じたもので、10月の輸出総額は同6・9%減、輸入総額は同18・8%減だった。中国では内外需ともに振るわない状況が続いており、中国経済の停滞感が一段と鮮明になってきた。中国を最大の貿易相手国とする日本の経済にも影響を与えそうだ。

 輸出総額は、前年同月比だけでなく、前月比でも減少しており、8月に実施した人民元の切り下げが輸出の拡大につながっていない。

 1~10月の貿易総額(累計)は前年同期比8・5%減で、年間で6%増とする政府目標を大きく下回っており、目標達成はほぼ絶望的な状況だ。

 1~10月の貿易総額(累計)を国・地域別で見ると、日本は前年同期比11・2%減で、引き続き低調。欧州連合(EU)も8・3%減。一方、経済が好調な米国は1・8%増で、プラスを維持した。

 

習主席、初の国産大型旅客機ラインオフで重要指示

2015年11月06日

 チャイナ・ウオッチが6日、北京発新華社=共同電で報じたところによると、習近平国家主席(共産党総書記、中央軍事委主席)は中国が独自に開発している初の国産大型旅客機C919のラインオフに際し、重要指示を出し、「安全と品質を第一とし、初飛行に向け入念かつ地道に準備し、中国の装置・設備製造能力を高め、国産大型機の一日も早い飛行を実現するため新たに貢献するよう希望する」と表明した。

 また、李克強首相(党中央政治局常務委員)もC919のラインオフで指示を出し、「衆知を集め、多くの革新(イノベーション)を結集し、大型機の独自開発製造能力を高め、近代的民間機産業体系を整え、ハイエンド装置・設備製造力を増強し、製造強国建設のために新たに貢献するよう希望する」と述べたという。

 C919のラインオフ式典には、馬凱副首相(党中央政治局委員)が出席し、あいさつした。

 C919は中国が初めて最新の国際耐空性基準に基づいて2008年から開発を進めている幹線民間機で、座席数は158。標準航続距離は4075キロで、「完全に自前の知的財産権を有している」としている。

 来年、初飛行を計画している。

 

中国「爆買い」対策強化へ=日本企業の収益に影響も

2015年11月05日

 中国商務省の沈丹陽報道官は4日の定例記者会見で「海外の消費を(国内に)回帰させる政策を検討している」と述べ、訪日中国人が大量に買い物をする「爆買い」現象を沈静化させる措置を強化する意向を示した。減速する景気の下支えに向け国内消費を増やす考え。対策が奏功すれば、爆買いで潤う日本企業の収益に悪影響を与えそうだ。

 チャイナ・ウオッチが北京発共同電として伝えるところによると、沈氏は具体的な対策として、国内で免税店を増やすほか「国内のビジネス環境改善や新たな販売ルートづくり、中国ブランドの育成などを進める」と説明した。

 中国は3日に公表した第13次5カ年計画(2016年~20年)の基本方針でも、成長維持のために国内消費を促進する方針を打ち出した。 政府高官は3日の記者会見で「中国の多くの観光客が海外で温水洗浄便座や風邪薬、化粧品を買っている。中国の消費環境を改善する必要がある」と強調した。

 爆買いについて、沈氏は「中国の経済が成長し、生活水準が向上したことの表れだ」と指摘。国内消費を促すために日用品の輸入関税を6月に下げたことを紹介した上で、さらなる措置を講じる考えを示した。

 日本の上場企業のことし9月中間決算をみると、爆買いの恩恵を受けた小売りや陸運、空運といった業種で経常利益が増えた。

 

中国ユニクロに毎年10万人が応募―事業好調、採用有利に

2015年11月04日

 カジュアル衣料品店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングの中国法人の潘寧最高経営責任者(CEO)はこのほど、「この3年間、毎年約500人の採用に、10万人超の学生が応募してきている」と 述べ、中国事業の好調さが採用に有利に働き、有能な人材の獲得につながっているとの認識を示した。

 チャイナ・ウオッチが4日報じたもので、潘氏は2日、日本の共同通信社との会見に応じ、「中国は人脈が物を言う『関係の社会』といわれるが、ユニクロは関係ない」と指摘。「 実力があれば地位や収入が上がる経営理念が有能な人材を引きつけている」との考えを示した。

 潘氏はまた、中国経済について「全体としては弱含んでいる」としながらも、「(年間約100店の新規出店を目指す中国事業に)影響は出ていない」と言明。その上で「 政府が進める農村部の都市化で内需の拡大が見込める。消費市場としてのポテンシャル(成長の余地)は大きい」と語った。

 潘氏はさらに、 ぎくしゃくする日中関係に触れ、「(ユニクロは)中国で日本のよさを伝える役割を担っている」と強調。訪日客が大量に買い物をする"爆買い"についても「 日本製品はそれだけ中国の消費者に評価されている。しっかりとしたブランド発信をして、最新、最高の商品を提供すれば、(日本製品は)売れる」と述べた。

 中国本土におけるユニクロの店舗数は8月末時点で387店に上り、中国経済誌のアパレル人気ブランド調査でトップになるなど、ユニクロ商品は中国の中間所得者層に浸透している。

 

北京で中米民間宇宙協力対話の初会議開く

2015年11月02日

 中国政府は30日、上海の自由貿易試験区で個人投資家による海外投資を認める計画を発表した。人民元の国際化に向けた取り組みの一環だという。实施時期は未定。

 チャイナ・ウオッチが2日、北京発共同電で報じたもので、この金融自由化促進のための計画が実現すれば、中国の個人投資家は海外で上場する株式などに投資できるようになる。ただし、海 外投資資格は所得など一定の条件を満たした投資家のみに与えられる。

 中国政府はまた、原油先物の取引の開始を急いでいるほか、外資系金融機関が中国企業と合弁で自由貿易試験区内に証券会社を設立できるようにする方針という。

 中国政府は現在、国際通貨基金(IMF)の「特別引き出し権(SDR)」の構成通貨に人民元を加え、人民元を国際通貨とすることを狙っており、金融自由化を進めている。上 海の自由貿易試験区はさまざまな規制緩和を全国に先駆けて試行する目的で、中国政府が2013年秋に開設した。