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環境省ヒアリ調査の範囲拡大

2017年07月31日

 南米原産の強毒アリ「ヒアリ」の拡大を防ぐ対策として環境省は7月31日、神戸市の神戸港周辺2キロ圏で、捕獲用のわなを使った調査を始めた。神戸を含めヒアリが発見された8都府県で同様の調査をする方針。チャイナ・ウオッチが伝えた。

 環境省はこれまでも地元自治体と協力し、発見場所の周辺で駆除や調査を続けてきたが、国内でのヒアリ発見が続いているため、範囲を拡大し対策を徹底するとしている。

 神戸市中央区のポートアイランドでは午前9時ごろに作業を開始した。専門業者の作業員2人が、歩道の街路樹にわなを置いたり、路上にいるアリを採取したりしていた。

各地の調査は8月の上中旬と下旬の2回にわたり実施予定。同省はそれぞれ結果がまとまり次第、公表する。調査方法は、専門業者による目視やわなの設置で、ヒアリが見つかった場合は、殺虫処分をするという。

 ヒアリは、5月に中国から神戸港に入り、兵庫県尼崎市に運ばれたコンテナで、国内で初めて確認された。6~7月には名古屋港や東京港の大井ふ頭など各地で相次いで発見され、福岡市の博多港では男性が刺される被害も出た。

 

10月に東京で中国大使館主催日中友好イベント

2017年07月28日

 在日中国大使館は27日、中国文化を通じて日中間の相互理解を促す大規模な交流イベント「チャイナフェスティバル2017」を10 月21、22の両日、東京都渋谷区の代々木公園で開催すると発表した。チャイナ・ウオッチが伝えた。

 中国交正常化45周年の記念事業の一環として中国大使館が主催し、日本外務省などが後援する。福田康夫元首相がイベントの最高顧問を務める。福田氏は「日中関係が安定するだけでも、他の地域に大きな影響を与えることができる」と述べ、民間交流の重要性を強調した。

 程永華駐日中国大使は「中日関係は全体として改善しつつある」と述べ、イベントを通じた友好ムードの高まりに期待を表明した。

 会場には中華料理の販売や観光地PRなど約100のブースが出店、日中カラオケ大会なども開かれる。2日間で約10万人の来場を見込んでいる。

 

日本ガイシ排ガス規制強化見越し中国に新工場

2017年07月27日

 セラミックス大手の日本ガイシは26日、自動車の排ガスを浄化するフィルターの生産工場を中国江蘇省に新設すると発表した。チャイナ・ウオッチが、伝えた。

 中国は排ガス規制を強化しており、今後の新基準導入に伴う需要を見込む。投資額は約330億円。

 既存工場の近くに延べ床面積7万9千平方メートルの新工場を建て、2019年12月に稼働する。厳しくなる排ガス規制に適合した新しいフィルターを手掛け、既存工場と合わせたフィルターの生産能力は従来の6倍に高まるという。

 

中国報道出版産業の営業収入前年比9%増

2017年07月26日

 中国の報道出版産業は好調で、昨年の全国の出版・印刷・発行サービスの営業収入は前年に比べ9%、うち図書、新聞、定期刊行物、音響・映像(AV)製品、電子出版物、デジタル 出版物の輸出は前年に比べ5%伸びた。チャイナ・ウオッチが、新華社の報道を引用した中国通信=共同通信電として伝えた。

 中国国家新聞(報道)出版ラジオ映画テレビ総局は24日、「2016年報道出版産業分析報告」を発表した。昨年の全国の出版・印刷・発行サービスの営業収入は2兆3,595億8,000万元(1元=16円)で、2015年より1,939億9,000万元、率にして9%増えた。

 報告によれば、テーマ別出版、主流メディアの伝達力、影響力が一段と際立った。単行本年間印刷部数ランキングで上位10位に入った書籍のうち、テーマ別出版物が全体の半分を占めた。出版物の構成が一段と最適化され、大陸本土のオリジナル文学と少年・児童向け図書が注目を集めた。

 報告は次のように指摘している。デジタル出版は高い伸びが続き、業界全体の営業収入の伸びに対する寄与率は3分の2を超える。デジタル出版の営業収入は5,720億9,000万元で、その伸び率と寄与率は報道出版の各産業類別の中で引き続き第1位となった。ネットアニメとイー・ラーニング(e-Learning)の営業収入の伸びが目覚ましく、その伸び率はデジタル出版関連の各類別の中で上位にランクされた。

 さらに報告は次のように指摘している。中国は著作権の輸出の伸びが加速し、出版物の輸出全体に占めるデジタル出版物の割合が一段と大きくなっている。昨年、中国の著作権輸出件数は計1万1,133件、うち電子出版物の著作権取引は大幅な黒字となり、192.5%の伸びを示した。図書、新聞、定期刊行物、音響・映像(AV)製品、電子出版物、デジタル出版物の輸出は累計1億1,010万8,000ドルで、前年に比べ5%伸び た。

 

アジアの金融安定を主導=中国、影響力向上狙う

2017年07月25日

 アジアの金融機関の協力強化をうたう中国主導の新組織「アジア金融協力協会」の田国立理事長(中国銀行業協会会長)は24日、同協会が中心となってアジアの金融安定に向けたルール作りでリーダーシップを発揮していくことに意欲を示した。北京で同日開いた協会の発足式典後の記者会見で述べた。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 従来、欧米が国際金融秩序を主導してきたが、中国はアジアでの金融協力を先導し、国際的な影響力を高めることを狙っている。

 田氏は2008年のリーマン・ショック後の世界的な金融危機などに触れ、アジアや世界の金融安定のため金融機関同士の密接な協力が必要だとも訴えた。

 協会にはアジアを中心に27の国・地域から107の銀行や証券などの金融機関が加盟。副理事長には韓国の銀行業界団体トップが就いた。日本のメガバンク3行の中国現地法人も含まれるが、日本の全国銀行協会は加盟していない。

 アジア金融協力協会は、15年に中国の習近平国家主席が構想を提唱。今年5月に設立された。発足式典には、中国の馬凱副首相やアジアインフラ投資銀行(AIIB)の金立群総裁らが出席した。

 

世界の大企業500社に中国が115社

2017年07月22日

 米誌フォーチュンは北京時間20日夜、売上高で見た2017年世界の大企業500社を発表した。中国企業は昨年に続き増加し、5社増えて115社となり、引き続き第2位を維持するとともにトップの米国との差が一段と縮まった。チャイナ・ウオッチが重慶発新華社電を引用した中国通信=共同通信電として伝えた。

 中国企業の増加は14年連続となる。今回初めて500社に入ったのは、安邦保険集団、アリババ、騰訊(テンセント)など10社。新たに入った企業の業種をみると、貿易が最も多く3社。不動産業で唯一、碧桂園が入った。

 順位をみると、第2位から4位までを中国の国家電網、中国石油化工集団、中国石油天然ガス集団が占めた。

 500社に入ったインターネットサービス企業は6社で、今年入った中国のアリババ、テンセントと昨年初めて入った京東の3社と米国のアマゾン、グーグル親会社アルファベット、今年入ったフェースブックの3社で、 両国がそれぞれ半分を占めた。

 

米中対話は金融、鉄鋼、自動車で対立か

2017年07月21日

 事実上決裂で終わった米中両政府の第1回包括経済対話は、鉄鋼や自動車などを巡る根深い対立が壁となり、不発に終わったとみられる。チャイナ・ウオッチがワシントン発共同通信電として伝えた。

 米中は4月の首脳会談以降、米国の大幅赤字となっている貿易不均衡の是正に向けた「100日計画」の策定を進めてきた。19日にワシントンで開かれた第1回包括経済対話で成果をまとめる予定だったが、終了後に米国側が出した声明は、新たな具体策を明記しなかった。米国が鉄鋼の輸入制限などの強硬策に出るかどうかが焦点となる。

 ロイター通信によると、米国は中国に金融市場のさらなる開放や鉄鋼の過剰生産、自動車貿易といった分野で譲歩を迫った。いずれも中国では国有企業が支配的な地位を占める分野だ。習近平指導部はむしろ国有企業強化を進めており、同意できなかったとみられる。

 米国は、中国が6月に施行した、情報通信の監視を強めるインターネット安全法にも懸念を示した。米企業の事業に悪影響が及ぶ恐れがあるためだが、情報統制を強める中国にとって譲れない一線だ。

一方、中国はハイテク製品の対中輸出規制の緩和を米国に求めた。だが軍事転用を防ぐことが目的なだけに、米国は同意しなかった。中国はトランプ米政権の保護主義的な通商政策もけん制している。

 中国国営通信の新華社は、両国は1年計画で成果を求めるとした。中国の朱光耀財政次官は対話後、「貿易不均衡是正に向け、米国が、中国からの輸入を減らすのではなく、中国への輸出を増やすことで双方が一致した」と述べたという。

 

米中経済対話、事実上決裂

2017年07月20日

 米ワシントンで開かれていた米中両政府の閣僚級による第1回包括経済対話が具体的な成果を得られないまま19日、終了した。チャイナ・ウオッチがワシントン発共同通信電として伝えた。

 第1回包括経済対話は、米国の大幅赤字となっている貿易不均衡の是正策を協議したが、共同声明の発表も見送り、事実上決裂した。対話終了後に米政府は単独で声明を発表したが、不均衡是正に向けた「100日計画」の新たな具体策を明記しなかった。経済協力を深めるはずの対話が不調に終わり、米中関係が悪化する恐れが出てきた。  

 米国は北朝鮮の核・ミサイル開発問題の解決に向けた中国の努力が不十分だと不満を募らせており、中国に対し圧力を強める構え。中国も保護貿易的な姿勢を見せる米国に反発しており、米中対立は世界の不安定要因となりかねない。

 経済対話には米国側がムニューシン財務長官とロス商務長官、中国側は汪洋副首相らが出席し、100日計画について協議した。米中は4月の首脳会談の際、計画の策定で一致し、今月16日に会談から100日の期限を迎えていた。

 米国側の声明は「米国の貿易赤字を削減するという共通目標を中国が認識した」との内容にとどまった。ロイター通信によると、中国の金融市場開放や鉄鋼の過剰生産、自動車貿易といった主要な問題で合意に達しなかった。対話終了後に両国がそれぞれ予定していた記者会見は急きょ中止された。

 中国商務省の報道官は北京で20日、経済対話に関する記者団の質問に「新たな情報はない」と述べるにとどめた。

 一方、トランプ米大統領は19日、中国などから輸入した鉄鋼に高関税を課すかどうか記者団に問われ「そうなる可能性はある」と述べた。ロイターが報じた。中国の鉄鋼の過剰生産問題を巡り大統領は以前から、中国を含む海外からの鉄鋼製品に高関税を課すことをちらつかせている。

 米中は5月に中国による米国産牛肉の輸入再開など10項目で合意済みだが、ロス氏は19日朝の経済対話の開会式で「最も難しい課題は残されたままだ」と指摘。中国にさらなる譲歩を強く迫っていた。

 

シャープが中国の家電大手を特許侵害で提訴

2017年07月19日

 シャープは18日、中国の家電大手、海信集団(ハイセンス)が米国で販売しているテレビがシャープの特許を侵害しているとして、製品の製造・販売の差し止めや損害賠償を求める訴訟を米ニューヨーク州の裁判所に起こしたと発表した。チャイナ・ウオッチが伝えた。

 提訴は現地時間17日(日本時間18日)付。シャープ側はハイセンスが自社ブランドで製造・販売しているインターネット閲覧機能を持つテレビに、シャープの無線LANに関する特許技術が無断で使用されていると主張している。さらに特許侵害の事実を知りながら事態を放置し、製品の販売を続けていると訴えている。

 シャープは2016年、ハイセンスに対して米国などで液晶テレビ「アクオス」ブランドのテレビを販売する権利を供与した。その後買い戻す方針に転換したが、交渉は難航している。今年6月にはシャープがハイセンスに低品質の製品をアクオスブランドで販売するのをやめるよう、商標の使用差し止めや損害賠償を求める訴訟も米国で起こしている。

 

中国、GDP算出見直し

2017年07月18日

 チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えるところによると、中国国家統計局は14日、国内総生産(GDP)の算出方法を一部変更すると発表した。経済情勢の変化を反映し、健康や観光、新産業の貢献分を増やして計算するという。

 統計局は「算出方法を国際標準により近づける」ことも理由の一つだと説明している。

 実施時期については「段階的に実施する。既に導入している内容もある」と説明。新たな方法が、17日に発表される2017年4~6月期のGDPにどのように反映されるのかは不明だ。

 

アジア投資銀にフィッチも最高格付け

2017年07月14日

 欧州系格付け大手のフィッチ・レーティングスは13日、 中国が主導する国際金融機関のアジアインフラ投資銀行(AIIB)に対して最高位の「AAA」の格付けを与えた、と発表した。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 AIIBが大手から格付けを取得するのは2例目で、いずれも最高位となった。フィッチは「資本金に十分な厚みがあり、包括的な経営方針や高いレベルのガバナンス(企業統治)によってリスクを抑えられる」と理由を説明 している。見通しは安定的とした。

 AIIBには、米格付け大手ムーディーズ・インベスターズ・サービスも6月末に最高位の「Aaa」を与えたばかり。

 AIIBは投融資規模の拡大に向け、格付け取得などの準備が整い次第、 金融市場で債券を発行して資金を調達する方針だ。

 

中国で偽造B型肝炎薬流通と厚労省注意喚起

2017年07月13日

 厚生労働省は12日、中国国内でB型肝炎治療薬ベムリディの偽造品が見つかったと発表するとともに、都道府県などに注意喚起したことを明らかにした。チャイナ・ウオッチが伝えた。

 厚生労働省によると、日本ではまだ見つかっていないが、偽造品のボトルに日本語の説明文があった。

 製造販売する米製薬会社「ギリアド・サイエンシズ」によると、ベムリディは中国で承認されていない。インターネットを通じて手に入れた中国在住の購入者が4月、同社の日本法人に本物かどうか問い合わせ、発覚した。6月以降、同様の相談が中国から数件寄せられている。

偽造品はふたの色が正規品と異なるほか、外箱も粗雑なつくりだった。錠剤からはビタミン剤の成分が検出された。

 ギリアド社の製品を巡っては1月、C型肝炎治療薬ハーボニーの偽造品が奈良県内の薬局や東京都内の卸売業者から見つかった。

 

サンマ漁獲が日中台の対立議題に

2017年07月12日

 日本政府が11日、北太平洋でのサンマ漁で国別漁獲枠の新設を提案すると表明した。札幌市で13日開幕する北太平洋漁業委員会(NPFC)の中心議題となる。チャイナ・ウオッチが伝えた。

 サンマの国際的な規制が具体化するのは初めて。昨年まで不漁に見舞われた日本は中国や台湾の乱獲が一因として歯止めをかけたい考えだが、漁獲低迷には海流変化の影響も指摘される。資源回復の責任を巡る対立が予想される。

 漁獲枠は全体の上限を約56万トンとし、内訳は日本が最大の約24万トン、台湾約19万トン、中国約4万トンとする方向。漁船数の増加を禁じることも呼び掛ける。山本有二農相は11日の記者会見で提案内容への言及は避けながらも「サンマの資源が著しく低下している」と指摘し、NPFC開幕に先立ち、参加8カ国・地域に「たたき台となる数量を提示した」 と説明した。

 水産庁によると、北太平洋での日本のサンマ漁獲量は近年20~30万トン程度だったが、2015、16年は約11万トンに激減。ロシアなどを加えた主要な5カ国・地域の15年合計は前年比43%減の35万4千トンだった。その中で公海に進出する台湾が日本を超える15万8千トンを占め、中国は12年の2千トンから4万8千トンへと急増し、国際協調が必要だと判断した。

 ただ、不漁には別の要因も挙がる。サンマは通常、秋に北海道南東部沖から房総沖へと南下するが、地球温暖化などの影響で15、16年は日本のはるか沖合を南下した。盛漁期の相次ぐ台風も低迷につながったとされる。

 日本案の24万トン枠は10~16年の漁獲量より多く、漁業者や食卓への大きな打撃は避けられる可能性が高い。他方、中国は魚の消費が伸び、台湾では生鮮サンマや加工品が輸出産業の一つ。漁獲量の伸びを抑え込まれることに反発しそうだ。

 

茅台酒の人気復活=反腐敗で値下がり庶民購入

2017年07月11日

 中国の高級酒として知られる「茅台(マオタイ)酒」の売れ行きが好調だ。習近平指導部が反腐敗運動で打ち出した「倹約令」の影響で接待用などの需要は減ったが、価格が下落したことで"市民の手の届く高級酒"になり、所得が向上した中間層による購入が増えた。製造企業の株価も上昇傾向だ。チャイナ・ウオッチが上海発共同通信電として伝えた。

 茅台酒はコーリャンなどを原料とする中国南部・貴州省産の蒸留酒で、独特の香りが特徴だ。1972年の日中国交正常化の宴席で、当時の田中角栄首相と周恩来首相が乾杯したことで日本でも有名になった。

 「売り切れて一本も残ってないよ。一般庶民もお金を持つようになったもんだ」。上海市中心部にある茅台酒の専門店で男性店員(66)が笑顔で話した。今年に入って、5カ月連続で入荷分は完売したという。

 一番人気のアルコール分53%の500ミリリットル瓶は、この店では現在1本1199元(約2万円)で売られている。中国メディアによると、2012年に2千元以上したが、昨年3月には約830元にまで下落していた。

 店員によると、以前は役所や企業関係者らによる購入が多かった。だが12年11月に発足した習指導部が、共産党や政府、国有企業の幹部らの公費による接待や贈答品購入を戒める綱紀粛正策を推進すると激減し、価格が低下。代わりに一般市民の購入が徐々に増え、今年からその傾向がさらに顕著になったという。

 貴州省にある製造元、貴州茅台酒も消費意欲の旺盛な中間層を重視する戦略に転換。1本1300元以下で販売するよう店舗側に求めている。

 同社によると、16年12月期の売上高は前年比19%増の389億元。中国メディアによると、17年1~3月期も前年同期比24・3%増を記録し、同社の株式時価総額は4月に4935億元を突破、蒸留酒メーカーとして世界1位になった。

 ただ、中国では若者を中心にワインの消費も高まっていることなどから、茅台酒の消費が将来的に継続して伸びるかどうか疑問視する声も酒類業界からは上がっている。

 

中国高速鉄道シルクロード沿い全線開通

2017年07月10日

 中国内陸部の陝西省宝鶏と甘粛省蘭州を結ぶ高速鉄道が9日、営業運転を開始、古代のシルクロード沿線を結ぶ全長2,300キロ超の路線が全線で開通した。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 全面的につながったのは、唐代の都があった陝西省西安から、新疆ウイグル自治区ウルムチ間。中国が推進する現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」がまた一歩前進した。万里の長城の西端にあたる嘉峪関、オアシスとして栄えたトルファンなどシルクロードの要衝を経由する沿線は乾燥地帯が多く、高温や強風、砂ぼこりへの耐久性を高めた新型車両も新たに投入する。

 9日営業運転を始めた宝鶏―蘭州間は全長401キロで、運行時速は250キロ。この間の所要時間は従来の約6時間から約2時間に短縮される。西安からウルムチまでは途中で乗り換えが必要とみられ、中国メディアによると、合計の乗車時間は最速で従来の約半分の14時間となる。ウルムチと蘭州を結ぶ全長1,776キロの路線や、西安―宝鶏間は既に開通していた。

 

東京・大井ふ頭にもヒアリ

2017年07月07日

 東京都は6日、品川区の大井ふ頭で陸揚げしたコンテナ内から、南米原産で強い毒を持つヒアリ1匹を確認したと発表した。コンテナは中国・広東省の港で積み込まれた。チャイナ・ウオッチが伝えた。

 都や環境省によると、コンテナは6月 27日に大井に到着。30日に君津市に搬出し、積み荷が取り出された。作業中にアリは確認されておらず、刺されるなどの健康被害も出ていない。コンテナを降ろした貨物船は大井を出港後、横浜、千葉、名古屋、大阪、神戸に寄港し、台湾に向かったという。7月3日、コンテナ業者が大井に返却されたコンテナを点検中、内部から生きたヒアリ1匹を発見。その場で熱湯をかけて殺処分した。

 連絡を受けた環境省が専門家に依頼し、ヒアリかどうかの確認を進めていた。見つかったのは1匹で、卵やさなぎは見つかっていない。環境省の担当 者は「状況から、定着の証拠はない」とみている。大井ふ頭周辺にわなを設置するなど、緊急調査を始める。

 環境省は、全国の主要7港で優先的に進めている生息調査で、7日に東京港を調べる。6日に大阪港で実施した調査では、ヒアリは見つからなかった。

 

マレー高速鉄道落札者決定は18年末に

2017年07月06日

 シンガポールとマレーシアを結ぶマレー半島高速鉄道計画の事業者向け説明会が5日、シンガポールで開かれた。チャイナ・ウオッチがシンガポール発共同通信電として伝えた。

 シンガポールとマレーシアの当局が開いた説明会の参加者によると、2018年12月に落札者を決めるとの説明があった。

 説明会は非公開で、日本や中国、韓国などから企業や政府機関の代表者ら400人近くが参加した。今年12月から来年6月までが入札期間だとの説明もあったという。新幹線を売り込むJR東日本などの日本連合も参加した。

 計画は、マレーシアの首都クアラルンプールとシンガポールの間の約350キロを90分で結ぶ高速鉄道を、26年末までに開業させるのが目標。シンガポールに1駅、マレーシアに7駅を整備する。

 東南アジアでは、日本や中国が鉄道事業の受注合戦を展開している。インドネシア・ジャワ島の高速鉄道は、中国が日本の新幹線案を退けて受注した。

 

63港でヒアリ重点駆除要請

2017年07月05日

 国土交通省は4日、定期航路でコンテナ貨物が中国から直接運び込まれる全国63港に、ヒアリの駆除対策を要請した。チャイナ・ウオッチが伝えた。

 要請は、大阪南港でのヒアリ発見を受けたもので、殺虫剤入りの餌を置くなどの対策を重点的に実施するよう地元自治体などに求めている。63港は函館、仙台塩釜、横浜、名古屋、大阪、神戸、広島、博多など。

 これまでに神戸、名古屋両港で見つかったヒアリは、中国・南沙港から届いたコンテナに付着していた。大阪南港の発見場所では通常、南沙港のコンテナは扱っていないが、中国の他の港のコンテナを多数保管していた。

 このため南沙港に限らず、中国からの定期航路がある港では十分注意を払うよう求めた。 これ以外の全国の主要港と地方港計870港でも、国内の他の港を経由するなどして中国からコンテナを受け入れている場合は対策を取るよう要請した。

 

イランに仏中が大型投資=ガス田開発、5千億円強

2017年07月04日

 国営イラン石油公社とフランス、中国の資源大手の3社は3日、イラン南部のペルシャ湾にある世界最大規模の南パルス天然ガス田の一部を開発する契約を交わした。契約額は48億ドル(約5400億円)。地元メディアが報じた。核兵器開発疑惑に伴う対イラン経済制裁が昨年1月に解除された後、海外企業が絡む投資案件としては最大。チャイナ・ウオッチがバンダルアバス(イラン南部)発共同通信電として伝えた。

 制裁解除につながったイラン核合意の見直しをトランプ米政権が示唆し、先行き不透明感が漂う中で、イラン進出をうかがってきた日本など各国の動きに影響を与えそうだ。

 国営イラン石油公社以外の2社はトタル(フランス)と中国石油天然ガス集団(CNPC)。昨年11月に基本合意が結ばれていた。契約期間は20年間で、少なくとも日量5600万立方メートルの生産が見込まれるという。

 ザンギャネ石油相は、5月のイラン大統領選で国際社会との協調を掲げる穏健派ロウハニ師が再選したことも背景にあると説明し「困難な仕事だった。国民を祝福したい」と述べた。

 イランは天然ガスの確認埋蔵量が世界1位。

 

長征5号打ち上げ失敗

2017年07月03日

 中国の新世代運搬ロケット「長征5号遥2」が、2日打ち上げに失敗した。月面の土壌サンプルを持ち帰る計画など、今後の宇宙開発スケジュールに影響が出る可能性がある。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 中国メディアによると、「長征5号遥2」は海南省(海南島)の発射センターから通信衛星「実践18号」を搭載して打ち上げられた。失敗の詳しい状況は説明されていないが、「ロケットの飛行に異常が生じた」という。実践18号は重量約7.5トンで、これまで中国が打ち上げた中で最も重い衛星だとしている。

 中国は「宇宙強国」建設を国家目標に掲げ、開発を加速している。年内に無人探査機「嫦娥5号」を打ち上げ、月面の土壌サンプルを持ち帰る計画を掲げている。ただ同探査機も長征5号で打ち上げる予定で、今回の失敗により一連の計画に影響が出る可能性もある。

 中国は昨年11月、初めて長征5号を打ち上げ、成功させていた。一方で先月、四川省の西昌衛星発射センターから運搬ロケット「長征3号B」で打ち上げたテレビ・ラジオの放送用の衛星も予定の軌道に進入できなかった。

 中国は打ち上げや衛星の軌道進入に関し、これまで高い成功率を誇ってきた。日本の科学技術振興機構の報告書によると、1957~2015年の中国のロケット打ち上げ成功率は日本(91.8%)や米国(91.1%)を上回る94.3%となっている。