【14-23】革新企業トップ100に初めて中国企業 日本企業が最多数

2014年11月10日 小岩井 忠道(中国総合研究交流センター)

 米国の情報企業「トムソン・ロイター」が11月6日に公表した世界のイノベーションをけん引する革新的企業・機関トップ100に、ファーウェイが中国企業として初めて選ばれた。

 トムソン・ロイターは、同社が持つ世界最大の特許データベースを基に2011年から毎年「トップ100グローバル・イノベーター」を発表している。単に特許の取得数を見るだけでなく、特 許出願数に対する特許登録の数つまり特許取得の成功率や、登録特許が他社の発明の中でどのくらい引用されているかから見た影響力、さらに中国専利局、欧州特許庁、日本国特許庁、米 国特許商標庁という世界の主要特許局で登録されたベーシック特許の数から読み取れるグローバル性も比較して、その企業・機関の革新度を測っている。

 電気通信機器製造企業であるファーウェイが中国企業として初めて選ばれたことを含め、今年はアジア勢の躍進が目立った。100社のうちアジアの企業が46社を占めている。こ のうち日本企業が昨年より11社多い39社に増え、2011年以来、トップの座にあった米国を抜いて初めて1位に浮上した。日本、中国以外では、韓国、台湾もそれぞれ1社増えて4社、2社が選ばれている。 

 ファーウェイについてトムソン・ロイターは、中国屈指のグローバル企業の一つで、特許の件数だけではなく、成功率、グローバル性、影響力がトップ100 グローバル・イ ノベーターの選考基準をバランス良く満たしている、と評価した。また、製造国家からイノベーション国家への変革を目的とした中国政府の継続的なイノベーション政策の結果がついに現れた、としている。

 日本企業の躍進については、国内総生産(GDP)に対する研究開発費が、2010年にいったん低下したものの今年3.4%という過去の水準を取り戻したことを挙げている。2.7%の 米国、2.0%の 欧州に比べ、イノベーションへの投資は著しく高い、と評価した。

 米国は、昨年からら10社減らし、2011年以降、最も少ない39社と2位に落ちた。これについてトムソン・ロイターは、米国の技術革新力が衰えたというより、アジアの勢いに押されたとの見方を示した。長 期にわたる研究開発費に対する税金控除と昨年、改正米国特許法が施工されたことを挙げ、今後イノベーションのスピードは速くなる、と予想している。

 欧州からは18社(フランス7、スイス5、ドイツ4、オランダ、スウェーデン各1)が選ばれた。フランスは企業数では3位に入っているが、日米との差は大きい。トムソン・ロイターは、研 究開発費の増額が不十分、博士号取得者の割合が経済協力開発機構(OECD)諸国の平均よりも低く、博士号取得者の失業率が他国と比べて約4倍に上るといった現状が、イ ノベーションの成長に何らかの影響を及ぼしている可能性を指摘している。

 2012年以降、3年間選出企業がない英国については、GDPに対する研究開発費の比率が1.7%と低いことを指摘している。

 グローバル・イノベーターに選ばれた企業・機関の分野を見ると、「半導体および電子部品製品」が21社(昨年23社)で最も多く、次いで「コンピュータ・ハードウェア製造」13社(同11社)、「 工業製品製造」8社(同7社)と上位3位は昨年と変わりない。「半導体および電子部品製造」は米国が12社と強さを示し、続いて日本4社、韓国2社、スイス2社、台湾1社となっている。「コンピュータ・ハ ードウェア製造」は日本が9社でトップ。4社の米国と2カ国で独占し、「半導体および電子部品製造」ともに日本と米国の突出ぶりと、半導体とコンピュータ・ハードウェア製造の結びつきの強さを裏付けた形だ。 

 トムソン・ロイターは、今回の結果から「研究開発に潤沢な人材と時間を投資している企業、機関は、株価の上昇や収益増、市場シェアの拡大などの成果を着実に挙げていることがあらためて証明された」と 結論づけている。

 また、グローバル市場を見据えた政策と知的財産システム強化の効果が高いことを挙げ、日本、米国、フランスの上位3カ国が、そ ろって長期にわたるイノベーション促進政策を進めている国であることも強調している。

資料1
資料2
トムソン・ロイタープレスリリース「 「Top 100 グローバル・イノベーター 2014:世界で最も革新的な企業100社中、日本企業の選出数は世界最多の39社」(2014年11月6日)
サイエンスポータル・ニュース「 世界イノベーター100で日本は39社とトップ」(2014年11月6日)

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