2014年04月07日-04月11日
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中国の若者、世界一の顔認証技術を開発

2014年04月08日

 唐文斌氏は清華大学に在学中、数人の同級生とあるゲームを開発し、これが創業のスタートラインとなった。ゲームが好評を博する中、若き創業チームはこの成果に満足することなく、ゲーム会社から技術会社に変わることを決めた。この企業は先進的な顔認証技術により、中国の起業支援企業「イノベーション工場」(Innovation Works、創新工場)から数百万ドルの資金を獲得した。同社はすでに、大企業向けに技術サービスを提供している。北京日報が伝えた。
 「フェイスブックの顔認証精度は97.25%だが、当社の精度は97.27%に達し、フェイスブックをやや上回る」。唐文斌氏、印奇氏、楊沐氏ら数人の若者は、パソコンの画面に表示されたこの結果を目にし、拍手喝采した。世界で最も権威ある顔認証評価システム「LFW」において、同チームの技術力は他国のライバルを圧倒し、世界一に輝いた。この若きチームの創業者3人のうち、最年長者は大学院を卒業したばかりの1987年生まれの若者だ。
 ◆半年内に3つの世界一
 ターゲットを追跡中のエージェントが、人の流れに逆らい歩きながら、コンタクトレンズにより歩行者の顔画面を収集し身分情報を認証する――。これは「ミッション・インポッシブル ゴースト・プロトコル」の名シーンで、最先端の顔認証技術が使用された。
 北京曠視科技有限公司の共同創設者である唐氏は、「単なるスパイの任務の一幕に見えるが、その裏側には複雑な技術が隠されている。分かりやすく言えば、これには3つのステップが必要だ。第1ステップは、顔の検査・測定だ。つまりレンズの中で位置を確定し、人の顔の位置を把握する。第2ステップは重要部分の検査・測定で、人の顔の位置の特定後、眉や目、耳や鼻などの重要部分を見つけ出し、さらなる分析の基礎とする。第3ステップはビッグデータに基づく顔認証で、それが誰であるかを明らかにする」と説明した。
 この3ステップについて、世界にはそれぞれ評価システムがあり、顔の位置特定はFDDB、顔の重要部分の位置特定は300−W、顔認証はLFWと呼ばれている。顔認証技術を研究する世界のすべての技術チームは、顔認証に関する「試験問題」を解くことで、優劣を競うことができる。
 このほど終了したLFWのテストにおいて、唐氏、印氏、楊氏の3人が率いる創業からわずか2年の同社は、顔認証の精度でフェイスブックを0.02%上回り首位になった。彼らはこの6カ月間で、上述した3ステップの世界一に輝いた。
 同社のCTOである印氏は、「人類の神経系に類似する計算方法は、当社が世界と競争を展開する際の武器になる。この技術枠組みにより、当社はビッグデータを利用し計算方法の訓練を行える。分析するデータが多いほど、システムの計算・認証結果の精度が高まる」と語った。
 より多くのデータ資源と企業の口コミを集めるため、同社は「Face++」顔認証クラウドサービスプラットフォームを開設した。同プラットフォームはすでに、2万人以上の開発者を集めている。同社の顔認証技術サービスを無料で提供される開発者は、毎日同プラットフォームに200万枚以上の画像を提供している。プライバシーを保護し、商用利用を避ける前提の下、「Face++」はこれらの画像とマーキング情報を使い、計算方法の学習と改善を進め、世界一の顔認証能力を獲得した。

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