南柯の夢(なんかのゆめ)
意味
とりとめのない夢のこと。またはかないことのたとえ。南柯とは南に出た枝のこと。
物語
9世紀、唐代の作家李公佐(りこうさ)の伝奇小説「南柯太守伝(なんかたいしゅでん)」に由来する成語である。唐の時代、淳于棼(じゅんうふん)という酒好きの男が、酔 って庭のエンジュの木の下でうたたねをした。そこに槐安(かいあん)国の使者という二人の男が現れ、槐安国の国王のもとに連れて行かれた。そこで国王に気に入られた淳于棼は南柯郡の郡守にとりたてられた。国 王の娘とも結婚をし、彼は南柯郡を良く治め、栄華を極めた。やがて敵国の侵略や愛妻の急逝で意気消沈していると、これを見た国王が帰国をすすめ、それに従って帰国したところで夢からさめた。夢 からさめた淳于棼がエンジュの木の根本を調べてみると、寝台が入るほどの穴があって大きなアリがいた。これが槐安国王であった。また、もう一つの穴を調べてみると、南の枝に通じていて、これが南柯郡であった。
原語:
南柯一梦(nán kē yī mèng)
類語:
槐安(かいあん)の夢。邯鄲(かんたん)の夢。盧生(ろせい)の夢。