新規事業(建設項目)の主要汚染物質排出総量指標査定と管理暫定規定
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新規事業(建設項目)の主要汚染物質排出総量指標査定と管理暫定規定

 新規事業の主な汚染物質排出総量指標の査定及び管理規定を明確にすることで、汚染物質の排出量を厳格に制御していく。そのため《第12次 五ヵ年計画 省エネ・汚染物質排出削減総合事業計画》( 公告[2011] 26号)、《大気汚染防止行動計画》(公告[2013] 37号)、《2014-2015年 省エネ・二酸化炭素排出削減・低炭素発展行動法案》(公告[2014] 23号)な どの関連規定に基づき、本規定を制定する。

新規事業(建設項目)の主要汚染物質排出総量指標査定と管理暫定規定

一、総体的な必要条件

二、審査手順

三、指標の根拠

四、指標審査

五、監督管理

六、付則

参照:新規事業の主要汚染物質排出総量指標審査方法

一、総体的な必要条件

(一)本規定は各環境保護主管部門の新規事業(都市生活廃水処理工場、ゴミ処理工場、危険廃棄物、医療廃棄物処理工場は含まない)の主要汚染物質排出総量指標の査定と管理に対し適用される。尚、主 要汚染物質(第12次 五カ年計画では、化学的酸素要求量、アンモニア性窒素、二酸化硫黄、窒素酸化物)は国家がこれを排出規制している。微細粉塵、揮発性有機化合物、主要重金属汚染物質、ま た沿岸地区及び沿岸都市の総窒素量及び、地方で実施されている総量規制の対象となる汚染物質については、本規定を参照し実施するものとする。

(二)厳格に汚染物質排出総量規制制度を実行するため、新規事業は、主要汚染物質の排出総量指標の取得が、環境への影響評価審査の前提条件となる。新規事業は、環境影響評価文書(以下、環評文書と略す)の 審査前に、主要汚染物質排出総量指標を取得しなければならない。

(三)新規事業の主要汚染物質排出総量指標の審査及び管理は、総量の排出削減目標と連動していなければならず、前年度の削減目標に到達していない地域及び企業については、新 規事業に関係する環評審査を一時的に停止する。

(四)新規事業環評文書には主要汚染物質総量規制内容とともに、主要生産工程、生産施設規模、資源エネルギー消費状況、汚染処理施設建設と運用管理指針を明記し、総量指標及び代替削減計画、詳 細な測定根拠などを明確にしなければならない。さらに、プロジェクトの所在地の環境保護主管部門より提示された総量指標、代替削減計画の第1回審査の見解も付加する。

二、審査手順

(一)新規事業の主要汚染物質排出総量指標は環評審査の実行権限等級管理に基づくものとする。環境保護部が管轄する新規事業に関しては、プ ロジェクト所在地の省の環境保護主管部門が発行する第1回審査に基づくものとする。また省及び市の環境保護主管部門が管轄する新規事業は、一 等級下の環境保護主管部門の発行する第1回審査の意見に基づくものとする。国営企業は、国家の定めた排出総量目標責任書の国営企業新規事業に調印し、総量指標、代 替削減計画の第1回審査意見を発表しなければならない。

(二)環評文書受理後、環境保護主管部門は総量規定を設定し、10日以内に汚染防止管理機構に環評文書を提出、環評文書中の総量規定に基づき第1回審査を実施し、意見を発表するものとする。

(三)環評文書による審査決定前に、新規事業の主要汚染物質排出総量指標に変更がある場合は、再度、総量指標、代替削減方計画、関係文書を提出し、関係する手順に基づき再審査を受けなければならない。 

三、指標の根拠

(一)当該五ヵ年計画の前期に建設を実行する事業体(都市汚水集中処理施設は五ヵ年計画の影響下にない)は、排出削減措置決定後に定められた"代替総量指標"を採用する。汚 染物質排出権取引を推進している地域では、新規事業の汚染物質取引総量指標を採用することができる。セントラルヒーティング又は、最新の技術を採用している企業などの新規事業の総量指標は、現 在営業を停止している企業、又は設備完成後の削減量を先取りし、新規事業の開始前に、代替削減計画を定めることができる。

"代替総量指標"は、企業単位での、当該五ヵ年計画の基準年間排出量(排出総量削減計算規定によって算出される)と排出削減措置後の正常な状態での稼働状況における年間排出量との差異を当てる。

(二)火力発電新規事業(その他発電工場を備える業種を含む)の主要大気汚染物質排出総量は当該業種の指標に基づき、熱電同時生産の熱供給部分、ゴミ焼却発電工場、バ イオマス発電工場の総量はその他の業種の指標に基づくものとする。火力発電機器は"代替総量指標"の原則として、その他の業種の新規事業に含めてはならない。

製紙、印刷、染色などの新規事業の主要水汚染物質排出総量は工業部門企業の指標を当てる。農業は"代替総量指標"の工業系新規事業に含めてはならない。

(三)当該五ヵ年計画前期の新規事業はすでに環評審査を通過しているため、再度建設を申し出ることはできない。また、すでに総量指標査定を受けた(排出汚染物質取引を通して得たものは除外)も のと代替削減計画は、その他の新規事業に使用してはならない。新たに許可を求めたもの、又は新たに審査を受けたものは、以前の総量指標審査及び代替削減計画は継続して使用して良い。

(四)新規事業の主要汚染物質排出総量指標が行政区を跨ぐ場合、企業の所在地の環境保護主管部門が企業に確認し、共同で上級の環境保護主管部門の審査を受け、同意を得なければならない。環評文書の審査後、管 轄の環境保護主管部門は行政区を跨ぐ総量指標代替計画を、書面にて関係する環境保護主管部門に送らなければならない。

(五)京津冀(北京市、天津市、河北省)、長江デルタ、珠江デルタなどの重点地域は、他の地域の主要大気汚染物質"代替総量指標"を受け入れることはできるが、逆に他の地域に対して、重 点地域の主要大気汚染物質"代替総量指標"を転嫁してはならない。環境対策が遅れている地域は、他の地域の"代替総量指標"に関係する汚染物を受け入れてはならない。具 体的に実施できる範囲内で省の環境保護主管部門の決定を実行するものとする。

四、指標審査

(一)火力発電、鉄鋼、セメント、製紙、印刷、染色業界の新規事業の代替主要汚染物質排出総量指標は、成果に基づき査定する。その他の業界は国家、又は地方汚染物質排出標準及び製品基準排水量( 業界の許可する最高排出量)、排煙量などにより査定する。

(二) "代替総量指標"を用い、新規事業の代替主要汚染物質排出総量指標を下げてはならない。前年度の大気質指数が年平均濃度目標に達しなかった都市、水質環境が要求水準に達していない市と県、関 係する汚染物質を新規事業の代替主要汚染物質排出総量指標の2倍の削減が義務付けられる(石炭発電機器の大気汚染物質排出濃度基本がガスタービン排出限界値に達する場合は除く)必要がある地域、微粒子物質( PM2.5)の年平均濃度が目標に達していない地域、二酸化硫黄、窒素酸化物、煤塵、揮発性有機物の四項目汚染物質を2倍削減が義務付けられる( 石炭発電機器の大気汚染物質排出濃度基本がガスタービン排出限界値に達する場合は除く)必要のある地域などである。

地方はより厳格な基準にて代替要求に取り組み、関係する規則を実行しなければならない。

五、監督管理

(一)各環境保護主管部門は、当該法規定新規事業の主要汚染物質排出総量指標管理制度に基づき、厳格に汚染物の排出を制御していくとともに、各地区当該法規に基づき細則を定め実行していく。

(二)新規事業の主要汚染物質の実際の排出量は、許可されている量を超えてはならない。代替削減計画を実施していない場合、また環境保護検収が未完了の場合は法に基づき処罰を受ける。

(三)省の環境保護主管部門は、行政区内の新規事業の主要汚染物質排出総量指標管理基準を作成し、新規事業の名称、番号、総量指標、代替法案及び"三同時(新規事業と環境保護施設を同時に設計、施工、稼 動する)"受入検査後の実際の排出量などの情報、実施動向状態管理などを記録する。市、県などの環境保護主管部門はこの基準に基づき、審査を実施する。汚染物質排出権取引地域では、情報を記録しなければならない。 

(四)省の環境保護主管部門は、各四半期の最初の10作業日内に火力発電、鉄鋼、セメント、製紙、印刷、染色業界の新規事業の主要汚染物質排出総量指標管理状況を調査しなければならない。行 政区内の他の新規事業の主要汚染物排出総量指標については集計状況を環境保護部へ報告しなければならない。

(五)新規事業の主要汚染物質排出総量指標代替計画の定期検査の実施を強化する。日常の監督及び検査と、定期検査における結果は重要であり、主要汚染物質総量排出削減量を計算し結果を記録する。代 替計画が未実施の場合、審査の責任を負う環境保護主管部門は期限を調整し、関係する機関や企業に実施を命令する。

(六)"代替総量指標"は重複して使用してはならない。虚偽などによる不正手段で主要汚染物質総量指標、代替削減計画審査意見を取得した場合、無効と見なし、規定に基づき関係者による追求を受ける。 

六、付則

(一)本規定は環境保護部が説明する責任を負う。

(二)本規定は発行日から施行される。

一、火力発電機器の主要大気汚染物質総量指標審査

 火力発電機器が必要とする代替二酸化硫黄と窒素化合物排出総量指標は、成果を査定する方法を用い、平均発電時間は原則5500時間とする。

計算公式:

M i =(CAP i ×5500+D i /1000)×GPS i ×10 -3           (1)

式中:M i を第i台機器の必要とする代替主要大気汚染物質排出総量指標、トン/年;
CAP i を第i台機器の最大出力とする、メガワット;
GPS i を第i台機器の排出成果値とする、グラム/キロワット時。
熱電生産機器の熱供給部分を発電量に換算し、発電量として表示する。

計算公式:

i = H i ×0.278×0.3            (2)

式中:D i を第i台機器熱供給量換算の発電量とし、キロワット時とする。
H i を第i台機器の供給熱、MJとする。

表1 石炭機器二酸化硫黄排出成果値表
注:¹ 硫黄炭地区は広西、重慶、四川、貴州四省を指す(区、市)。   
² 重点地区は『関于執行大気汚染物特別排放限値的公告(大気汚染物質特別排出限度値公表の実施に関して)』(環境保護部公告2013年第14号)中で確定された47都市とし、環 境保護部大気汚染物質特別排出限界値の実行範囲に合わせて調整する。
地区 成果値(グラム/キロワット時)
硫黄炭地区 0.70
重点地区 0.175
他の地区 0.35
表2 石炭機器窒素化合物排出量成果値表
注:* 重点地区範囲表1。 石油、ガス機器の二酸化硫黄、窒 素化合物の排出成果値は新規事業の燃料を用いた企業の発電量排煙状況及び排出濃度限界値の許可に基づき査定する。
地区 ボイラー/機器類型 成果値(グラム/キロワット時)
重点地区* 全部 0.35
他の地区 W型火炎ボイラー 0.70
他のボイラー 0.35

二、鉄鋼企業の主要大気汚染物質総量指標査定

 鉄鋼企業の必要とする代替の二酸化硫黄と窒素化合物の排出総量指標は、生産ライン生産量規模に基づき、成果査定方法を用いる。

表3 鉄鋼企業の二酸化硫黄と窒素化合物排出成果表
注:* 重点地区範囲表1。
地区 生産ライン種類 単位 二酸化硫黄 窒素化合物
重点地区* 焼結機 千グラム/トン 焼結機 0.54 0.9
ペレット焙煎設備 千グラム/トン ペレット 0.45 0.75
溶鉱炉 千グラム/トン 銑鉄 0.13 0.39
圧延 千グラム/トン 圧延鋼 0.09 0.18
他の地区 焼結機 千グラム/トン 焼結機 0.6 0.9
ペレット焙煎設備 千グラム/トン ペレット 0.5 0.75
溶鉱炉 千グラム/トン 銑鉄 0.13 0.39
圧延 千グラム/トン 圧延鋼 0.09 0.18

三、セメント企業の窒素化合物総量指標査定

 セメント企業が必要とする代替窒素化合物の排出総量指標は、クリンカ生産規模に基づき、成果査定方法を採用し、成果値を1千グラム/トンクリンカとする。重点地区(範囲表1)は成果値0・8 千グラム/トンクリンカとする。

四、製紙及び紙製品企業の主要汚染物資総量指標査定

 製紙及び紙製品企業の必要とする代替化学酸素量とアンモニア排出総量指標は、西洋紙及び段ボール(糊付け)生産規模に基づき、成果査定方法を用いる。排出標準が定められている地域は、地 域排出標準に基づき成果査定を実施しなければならない。

表4 製紙及び西洋紙企業化学酸素量及びアンモニア排出成果値表
注:* 他の関係する企業製品の廃水排出量は《パルプ製紙工業水汚染物質排水標準》(GB3544-2008)注の表2を参照して執り行う。 
企業生産種類 製品種類 廃水排出量
* (トン/トン製品)
科学酸素量
(グラム/トン製品)
アンモニア
(グラム/トン製品)
パルプ製造企業 50 5000 600
パルプ製造企業と
製紙連合生産企業
40 3600 320
製紙企業 20 1600 160

五、印刷、染色企業の主要汚染物質総量指標査定

 印刷、染色企業が必要とする代替化学酸素量とアンモニア排出総量指標は、印刷、染色布など主要製品生産の規模に基づき、成果査定方法を用いる。

 排出標準が定められている地域は、地域排出標準に基づき成果査定を実施しなければならない。

表5 印刷、染色企業化学酸素量とアンモニア排出量成果値表
製品種類 廃水排出量
(トン/トン製品)
科学酸素量
(グラム/トン製品)
アンモニア
(グラム/トン製品)
印刷、染色布 146 17802 1760
(ろうけつ染め2500)
印刷、染色布(ニット) 133 11655 1569
生糸及び交ぜ織物
(生糸含有量≧50%)
228 29592 2741
交ぜ織物(毛織物) 327 33102 3925