第6回研究会「日中科学技術学術交流の将来展望」/講師:李 磊(2008年1月23日開催)
科学技術振興機構(JST)中国総合研究センターは1月23日(水)、JSTにおいて第6回研究会を開催しました。
全日本中国人博士協会会長、日 本新華僑華人会副会長、法政大学工学部教授の 李磊(リ・ライ)氏 を講師にお招きし、「日中科学技術学術交流の将来展望」についてご講演いただきました。
同氏は講演の中で、日中科学技術交流は研究者個人レベル、大学等教育研究機関レベル、政府機関レベル及び企業レベルなどさまざまな階層で展開されていることに触れ、日中両国科学技術のそれぞれの現状、; > 問題点及び国の科学技術発展戦略、政策及び計画内容を分りやすく解説しました。また、日中両国が共にアジアに位置する国であるにもかかわらず、欧米との交流が比較的多い割に、「 日中科学技術交流はどちらから見ても重要視されているとは言いがたい」状況にあると指摘した上で、両国が電子通信、環境、エネルギーなどの有力分野で日中連合大学または大学院を設置して科学技術人材の育成にあたり、「株の持合い形式」で安心安定的な科学技術協力を推進することを提案しました。「 21世紀半ばに生命科学や宇宙科学からの啓示を受け、近代科学体系、情報機器構造の本質的な変革が生じる可能性がある」ことを指摘し、「東アジアの連携によるアジア中心の科学技術文明」が築かれるよう、長期的な視点で日中科学技術連携を進めるべきだと強調しました。
講演の後、質疑応答があり、活発な意見交換が行われました。研究会には、文部科学省、在日中国大使館はじめ、報道機関、大学、在日中国人留学生、企 業及びJSTなど多数の関係者が参加しました。
講演資料
「 日中科学技術学術交流の将来展望」( 915KB )
(中国総合研究センター フェロー 内野秀雄 記)