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第32回CRCC研究会「中国環境ビジネス市場とその攻略法」/講師:大野木昇司 (2010年5月26日開催)

 科学技術振興機構(JST)中国総合研究センター(CRC)主催による第32回研究会が5月26日(水)JSTにおいて開催されました。今回は、環境・エネルギーシリーズの一環として開催されました。

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 急速な経済発展の中で、中国の環境ビジネス市場は成長が期待されている重要な分野の一つです。本研究会では長年中国に仕事の拠点を構え中国環境・エ ネルギー事情を熟知されている日中環境協力支援センター有限会社 大野木昇司取締役社長をお招きし、「中国環境ビジネス市場とその攻略法」についてご講演いただきました。

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 大野木氏は1998年京都大学大学院エネルギー科学研究科修士課程修了、同年中国留学開始。2002年北京大学環境学院修士課程修了。天津日中大学院専任講師、国土環境(株)北京事務所技術渉外主任、( 社)海外環境協力センター客員研究員を経て、2005年に日中環境協力支援センター(有)を設立し、取締役社長に就任。その他、桜 美林大学北東アジア総合研究所と立命館サステナビリティ学研究センターの客員研究員、中国環境産業協会循環経済委員会の諮問委員、中国エネルギー研究会『中外能源』雑誌編集委員なども兼任されております。また、大 野木氏は現在われわれ中国総合研究センターのステアリングコミッティーのメンバーでもあります。

 講演は2部構成で、第1部ではまず中国の環境問題の現状、および、環境ビジネス市場の動向について解説されました。環境問題としては、具体的に大気汚染、水質汚染、ゴ ミ問題を主要な問題として取り挙げられました。中国の環境問題の特徴は、拡大な国土の中に多様な環境問題が並存すること、また、先 進国では過去形となる公害問題と現在も先進国が抱える環境問題が並存することだと指摘されました。一方、市場の傾向としては、環境資金投入額は増強する方針が示されており、環境規制も強化される方向があるため、市 場の拡大は確実だと予測されました。

 第2部では、対中環境ビジネスの際の留意点について説明されました。大野木氏は、まず最初に、中国の市場規模の拡大は必ずしも日本企業のビジネスチャンスの拡大につながってはいないと指摘し、次いで、中 国でビジネスをするための留意点を16項目示されました。

 講演後の質疑応答では活発な意見交換が行われました。

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 今回の研究会には、民間企業を中心に、官公庁、大学、研究機関の関係者200名近い方々にご来場いただきました。今後とも皆様のお役に立てるような各種研究会を企画、開催して参りますので、引 き続き温かいご支援、ご協力をお願い申し上げます。

(中国総合研究センター フェロー 邢 嘉驊 記)

講演資料