【19-012】国家自然科学委員会、新プログラムで独創的な探索研究の支援強化
JST北京事務所 2019年12月26日
国家自然科学委員会(以下NSFC)は23日付で、「2020年度国家自然科学基金オリジナル探索プログラム応募ガイドライン」(以下「ガイドライン」)を公表した。ガイドラインによると、オリジナリル探索プログラム(以下「本プログラム」)は、新しい理論や方法を示し、新しい法則の解明等に資する研究者が独創的な学術思想の提起、探索性とリスクが高いオリジナルの基礎研究実施を支援することを通じて、これまでになかった方向性を示す独創的な研究成果を創出し、科学的難題を解き、研究方向の牽引または研究分野の開拓等に貢献し、中国の基礎研究をハイレベルに発展させる上流から供給を目指すものである。
「基礎研究の全面的強化に関する国務院の若干の意見」と「課題審査、人材評価、機構評価の改革の関する意見」に掲げられたオリジナリティのあるイノベーションの創出力向上に関する戦略的配置を着実に実施するため、NSFCは、オリジナリティのある基礎研究課題に対する非従来型審査制度の導入を積極的に模索し、本プログラムを設ける運びとなった。ガイドラインで本プログラムは、中心的な研究内容が、実施中または審査段階にあるNSFCおよび中国国内のその他の科学技術プログラムの研究内容と重複してはいけないと指摘している。
ガイドラインによれば、本プログラムは、専門家推薦型と公募型の2種類に分けられるという。
専門家推薦型は、NSFCが年度募集案内を発し、応募条件を提示するが、研究分野または領域を特定しない。応募者は、推薦者の推薦を経て随時プロポーザルを提出することができる。
公募型は、NSFC内の各科学部門が研究者からの意見募集、学術フォーラムや専門家による論証等を通じて、募集要項を作成し公表する。募集要項には、研究の分野または領域、解決希望の科学課題等を含む。応募に当たって、推薦者による推薦は不要。今回のガイドラインは、専門家推薦型と公募型2種のプログラムの募集要項を包括している。うち、公募型は、「腫瘍研究の新しいパラダイム探索」とした。
ガイドラインに基づき、本プログラムは、支援期限と支援額について柔軟な体制を取ることになる。専門家推薦型の支援期間は基本的に1~3年、支援経費は100万元/年を上限とする。応募者は、それぞれの研究の実際の需要に応じた支援期間と支援金額を提案内容に反映して応募することができる。公募型は、その都度の募集要項において支援期間と支援金額を定める。
基礎研究プロジェクト(課題)またはその他の基礎研究を実施した経験を有する科学者、技術者であれば、誰でも応募することができるという。
関連サイト
《科学基金改革出实招:增设原创探索计划项目》科技日報(2019年12月24日付)