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【20-016】中国、量子中継とネットワーク技術において新たな進展

JST北京事務所 2020年3月3日

 中国科学技術大学は済南量子技術研究院、中国科学院上海マイクロシステム・情報技術研究所との共同研究において、延長50キロメートルの光ファイバーで繋げた2台の量子記憶措置の間で量子もつれを実現し、量子中継によって量子ネットワークを築くために基礎を定めたという。同成果は2月12日発刊の「ネイチャー」誌に掲載されている。新華社が伝えた。以下にその概要をまとめる。

 研究チームによると、当面学術界で広く採られている量子通信ネットワークの構想では、衛星に基づく自由空間のチャンネルを通じて広域をカバーし、そして光ファイバーによって都市内および都市間の通信を実現できる。光ファイバーによるフォントの伝送が光ファイバーの固有減衰に制約されるため、P2Pの地上安全通信は、現在百キロメートルにとどまっているという。

 これに対し、同研究代表者の一人である中国科学技術大学の潘建偉教授は、「量子通信の距離を拡張するために、P2P伝送を、全通信線路を多段に分け、量子中継器を用いて段と段を繋げて伝送する手段があると紹介し、これによって全量子ネットワークの構築も可能になる」と語った。

 なお、光と原子のもつれの輝度が低い等の技術的課題の制約を受けるため、既存の光ファイバーによる量子中継は最長でもキロメートルレベルしかないという。この課題を解決して長距離の量子記憶措置間接続を実現することを目指し、研究チームは、周期的に分極したニオブ酸リチウムを開発し、非線形差周波発赤を通じて記憶措置の光波長を近赤外線からから通信周波数帯へ調整する等のトライを行った。これによって、延長50キロメートルの光ファイバーの減衰を百分の一までにおさえ、効率は従前より16桁上がったことになる。また、実験において、延長50キロメートルの光ファイバーで繋げられた量子記憶措置の間に、デュアルノード(dual-node)量子もつれを実現した。

 潘教授は、「本実験は原理的検証として、同じ実験室に置かれた2台の量子記憶措置を50キロメートルの光ファイバーで接続した。次は空間で完全に分離したシステム間で研究を進展させ、同技術の実装を推進したい」と述べた。

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新華社《中国团队在量子中继与网络技术上实现新突破》2020年2月13日付