【20-033】《新型コロナウイルス》武漢市の全市民ウイルス検査の結果
JST北京事務所 2020年6月04日
新型コロナウイルス感染症が最初に拡大した武漢市の全員検査の結果について、日本でも報道されていましたが、関連のデータは以下のとおりです。
・ 武漢市では、3月18日に新規確定診断者がゼロとなって以降、散発的に1名程度の新規確定診断者が報告されていました。(ただし、4月17日に初期の集計の修正として死者1,290人、確定診断者325人が増加されています。)
・ その後5月9日に1名、10日に5名の新規確定診断者が同じ団地内で報告されたことから、全市民のウイルス検査を行うこととなりました。
・ 5月14日から6月1日までに約1,000万(9,899,828)人を検査(6歳以下の幼児は除く)し、300人が無症状感染者(10,000人当たり0.303人)。1,174人が無症状感染者の密接接触者として検査され、密接接触者の中の感染者はゼロとのことです[1]。
・ 6月1日24時現在、武漢市の累計報告確定診断者数が50,340人、累計治癒人数が46,468人、累計死亡者3,869人、現有患者3人(うち重症1人)医学観察継続中の無症状感染者が286人[2]。
・ 武漢市の検査費用は9億元。政府が負担[3]。
・ 最近、ロシアからの感染者が報告されている黒竜江省牡丹江市も全員検査を行うとのことです(23医療機関1,196人を動員[4]。同市の総人口は280万人[5])。
補足
その後、6月5日に発表の6月4日24時現在のデータで湖北省の患者は、ゼロとなりました。また、6月8日の発表によれば、300名の無症状感染者の痰や咽頭スワブを武漢ウイルス研究所が培養した結果では、いずれも活性を持つウイルスは検出されませんでした。彼らが使用した歯ブラシ、カップ、マスク、毛布等の日用品をふき取り検査した結果も陰性でした。1,174人の密接接触者も全員陰性であったことから、同市の現時点での無症状感染者は感染性を有していないと考えるとの見解を示しました[6]。
1 Wuhan tests millions with no confirmed cases
2 2020年6月1日武汉市新冠肺炎疫情动态
5 牡丹江市HP
6 2020年6月4日湖北省新冠肺炎疫情情况
我市300名无症状感染者的病毒培养结果全为阴性