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【21-013】《十四五》両会のホットトピックスの中での科学技術イノベーション

JST北京事務所 2021年03月04日

 北京では、3月4日に全国政治協商会議(全国政協)が、3月5日に全国人民代表大会(全人代)が開会した。この二つの会議を総称して"両会"と呼ばれる。今年は、新しい五カ年計画が決定される重要な年である。

 3月3日、新華社が、今年の両会のホットトピックスとして取り上げたものの中には、「いかに科学技術イノベーションを次の新しいステップに進めるか」という項目がある[1]。そこでは、概ね次のように述べている。

 宇宙ロケットや深海潜水艇「蛟龍」、電波望遠鏡「天眼(FAST)」などを例示し、近年の中国の科学技術の成果を"突飛猛進(飛躍的な進歩発展)"、自主イノベーション能力を大幅に向上させたと評価している。一方、フォトリソグラフィ,ハイエンドチップなどの領域に依然としてボトルネックがあり、産業発展の制約となっている。いかに国家の戦略的な科学技術力を強化し、科学技術イノベーションのための国家チームをつくり上げることができるか、企業や人材のイノベーションへの積極性を活用できるか、中国のイノベーションの"加速度"を高めることができるか、などについて人々は期待している。

 なお、今年の両会のために設けられた新華社の特設サイトでは、最も関心がある事項に関するアンケート調査が行われており、人々がネットで投票できる[2]。科学技術イノベーションおよび知的財産権に関する選択肢は以下のとおり。

〇科学技術イノベーションに関する選択肢(3月4日夕刻時点で4.3万人が投票)

  ・基礎研究の強化、オリジナリティのあるイノベーションの重視
・各種研究のエネルギーやレイアウト・配置の最適化、リソースの共有の推進
・企業の研究開発投資の拡大の奨励
・研究開発従事者の待遇と収益分配における比率を高める
・学問に関する風土、環境を高め、研究倫理の堅守を求める

〇知的財産権に関する選択肢(3月4日夕刻時点で3.2万人が投票)

  ・知的財産権の保護のためのトップレベルの設計の強化
・知的財産権法制度システムの改善
・社会全体の知的財産権に関する意識の社会全体における尊重と保護の向上
・全サプライチェーンにおける知的財産権の保護
・知的財産権の領域における国際協力と競争


1. 新华社:2021年中国两会热点前瞻

2. 新华网:"今年你最关心的事--2021全国两会热点调查"