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【21-028】《企業支援》製造業の企業研究開発費加算控除率、100%へ引き上げ

JST北京事務所 2021年04月02日

1.概要

 国務院の李克強首相が主催する国務院常務委員会は3月24日、企業のイノベーションを促進し、産業の高度化を促進するために、1月1日に遡及し製造業企業の研究開発費の加算控除率を75%から100%に引き上げることを決定した[1]

 例として、企業が100万元を研究開発費に投入した場合、課税所得から200万元を控除することが可能となる。この政策の実施により、昨年度の減税額が3,600億元以上と見込まれる中、今年度はさらに800億元の減税が見込まれる。今年度における最も強力な減税策である。

 また、国家会計研究所の財政税政策・応用研究所の李旭紅所長は、企業は半年間の加算控除(註:上半期に発生した研究開発費をその年の下半期の予納時に課税所得から控除)を選択することができ、企業のイノベーションを促進するための「真金白銀(註:"純金銀"真水の意)」支援を提供すると述べた。

 3月5日から開催された中国の全国人民代表大会(国会に相当)において、李克強国務院総理から発表された2021年政府活動報告の中で、「企業研究開発費加算控除政策(現行:比率75%)を引き続き実施し、製造業企業の加算控除比率を100%にまで引き上げ、税制優遇の仕組みにより企業の研究開発投資の拡大を奨励し、企業がイノベーションに注力し、より発展をリードしていくよう促す」という方針を表明していた。

2.2020年度以前の製造業企業研究開発費加算控除比率について

 2018年1月1日から2020年12月31日の期間における企業が研究開発活動を展開する中で、実際に発生した研究開発費については、以下の通知に示す企業の研究開発費の控除の適用を可能とする旨が規定されていた。今回、本通知をさらに拡充したものと捉えることができる。

財務部、国家税務局、科学技術部 財税[2018]99号

「研究開発費の税引前加算控除率の引上げに関する通知」[2]

①無形固定資産を形成しないもの
当期の損益に算入し規定により基礎控除の上、さらにその75%を税引前控除。

②無形固定資産を形成したもの
上記期間に無形固定資産コストの175%を償却費計上することができる。

3.半年間の加算控除について

 当該加算控除の適用を受けることにより、企業はより早く利益を得ることが可能となる[3]

例:
2021年1月~6月発生研究開発費用(費用化)400万元
2021年10月(第3四半期)企業所得税予納額:600万元

非適用:
600万元×税率25%=150万元(3Q予納額)

適用:
(600-400)×税率25%=50万元(予納額が100万元減少)

以上


1. 新华社3月25日"国常会:制造业企业研发费用加计扣除比例提至100%"

2. 财政部 税务总局 科技部 财税〔2018〕99号"关于提高研究开发费用税前加计扣除比例的通知"

3. 众智财税智库3月25日"定了!今年1月1日起,制造业研发费实行100%加计扣除"