【21-032】中国「天眼」、世界の研究者からの観測申請受付を開始
JST北京事務所 2021年04月14日
1.概要
2016年に竣工、2020年1月11日に正式運用が開始された貴州省黔南プイ族ミャオ族自治州平塘県の窪地にある、口径500メートルの球面電波望遠鏡 [名称は中国「天眼[1]」(スカイアイ)。英語名称はFAST(Five-hundred-meter Aperture Spherical radio Telescope)] は、2021年3月31日から世界の研究者からの観測申請の受付を開始した。
募集終了後、中国天眼科学院会・時間配分委員会が申請されたプロジェクト採択を審査の上、7月20に審査結果を公表。8月1日から観察時間を割り当てる。
(1)申請ページURL(電子申請)※英語
(2)募集案内"Call for FAST Science Observing Proposals" ※英語
①募集期間:2021年3月31日0時 ~ 2021年5月16日0時(中国時間)
なお原文では 3月30日 UT16:00 ~ 5月15日 UT16:00
②観察時間:1提案あたり100時間以内。(標準的な科学プログラム全体で1,800時間程度を割り当てが予定されている。)
③募集領域:1) Pulsar Timing,
2) Pulsar Search,
3) Single Pulse,
4) Galactic Spec-line,
5) Extragalactic Spec-line,
6) Masers,
7) FRB,
8) Continuum,
9)その他
(3)FAST Data Policy ※英語
Ⅳ. 附則(Supplementary Notes)
1. 国際条約に従い、大型天体望遠鏡のデータポリシーは、資金提供機関の権利および利益を完全に保護する。中国政府に完全に資金供与されている中国の大規模科学施設として、FASTは中国の天文学コミュニティにサービスを提供しなければならず、得られたデータは国内の天文機関によって共有されなければならない。
2.今後の方向性
科技日報の報道[2]によると、今後、中国の天眼は、より開放的な態度で世界に研究施設を提供し、世界の天文学界により多くの観測条件を提供し、人類運命共同体の構築に中国の知恵を提供し、世界の科学技術の発展と人類文明の進歩を促進するために努力するとされている。
以上
1.「中国の「天眼」FASTが竣工、深宇宙を観測始まる」Science Portal China,2016年9月26日付
2. 《中国天眼向全世界天文学家开放》中国科技网,2021年3月30日