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【21-036】科学技術部「全世界からのイノベーション人材へ『理想的な生息地』の提供に尽力」

JST北京事務所 2021年05月11日

 中国科学技術部(MOST)王志剛部長はこのほど深圳で開かれた第19回中国国際人材交流大会[1]で基調講演を行い、中国は世界を視野に入れたハイレベルな人材の招へい・育成に一貫して取り組み、全世界のイノベーション・創業に取り組む人材に向けて理想的な生息地を提供しているなどと語った。中国新聞社が伝えた。以下にその概要をまとめる。

 王部長によれば、中国の研究開発(R&D)人員のFTE(フルタイム換算)は490万人年を超え、中国で長期に働く海外人材は33万人を超えたという。また、海外人材の受け入れに関する環境づくり、グローバルな取り組みへの関与などについても、王部長から紹介された。具体的には、以下のとおりである。

・ 「一帯一路」の枠組みの下で、8,300人を超えた若手研究者の受け入れ、18万人を対象とした研修、33の合同実験室と5つの技術移転プラットフォームの構築、8カ国とのサイエンスパーク共同建設などの実績をあげた。

・ 外国との科学技術協力において、160あまりの国と科学技術協力関係を築き、200以上の国際機関と多国間メカニズムに参加し、国際熱核融合実験炉(ITER)、地球観測に関する政府間会合(GEO)、スクエア・キロメートル・アレイ(SKA)などの国際ビッグサイエンス計画・プロジェクトに参加している。そして、世界保健機関実施のCOVAXにも参加し、新型コロナ対応の経験などを各国とシェアしている。

 このほか、王部長は、中国は発展の新しい段階において、科学技術先行を重視する発展構造を築き、戦略的科学技術力の強化、イノベーションに資するエコ環境の改善を踏まえた上で、より効果的で開放的な国家イノベーションシステムを建設していくことを示した。

 本大会は今年で20周年[1]を迎えており、中国にとってイノベーション創出成果の発表と人材交流の場となり、そして世界から人材を誘致するための重要な機会に発展している。


1. 2001年から2003年を除き毎年1回開催。2007年から継続して深圳で開催。

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科技部:中国一直为全球创新创业人才提供"理想栖息地"》中国新闻网, 2021年4月24日