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【21-037】中国、国家疾病予防・コントロール局を設立

JST北京事務所 2021年05月18日

 新華社ニューメディアは、国家疾病予防・コントロール局が5月13日に正式に設立されたと報じた。その概要を以下にまとめる。

 同局は国家衛生健康委員会所属の副大臣級[1]の行政機関として、従来、政府への提言や研究を行ってきた疾病予防コントロールセンター(CDC)とは別に、感染症予防・コントロールと公共保健監督に関する政策の制定、疾病予防・コントロールシステム構築への指導、疫病情勢予測・警報システム整備の企画・指導、疾病予防対策に関する研究システム構築への指導、公共保健の監督管理と感染症予防治療の監督などを担当する。

 新しい局の設立について、2003年のSARSと今回の新型コロナウイルス感染症への対応に活躍している鐘南山院士は、「新しい局の発足は、予防・コントロール戦略を『治療を中心とする』から『人々の健康を中心とする』へ繰り上げ、疫病の予防・コントロールレベルと治療能力の全面向上に貢献できる。そして、発生した公共衛生事件への対応をより改善できるほか、それの予防・コントロールに備えて全国の要員を手配・動員することも可能になる」と述べた。このほか、同局は機能がより独立性を有し、権限がより大きく付与されており、今まで分散してていたリソースを統合的に活用することができるため、重大な疫病や突発した公共衛生事件が起こった際に、部門間の調整に要する時間を省き、迅速で効率よく反応できるようになると、関係の専門家達からも評価されている。

 また中国新聞網によると、先週から中国本土で新たに新型コロナ感染者が報告されたことをめぐって、設立直後の国家疾病予防・コントロール局は16日、李陽副局長をヘッドとするワーキンググループを感染者が報告された安徽省の六安市と合肥市へ派遣した。同グループは現地において、指定病院やCDC、対応措置適応コミュニティー等を視察し、疫学調査・感染源追及、PCR検査、コミュニティーによる予防・コントロール、治療および病院内感染防止などに対して指導を行っている。


1. 中国の公的機関は、トップの格に応じて国(中央)、地方を通じ横断的に階層的な分類がされる。

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