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【21-054】中国科学院、重要な研究ポジションでの若手研究者活用を強化

JST北京事務所 2021年11月09日

 国務院新聞弁公室が9月29日に開催した「上海における世界でも影響力のある科学技術イノベーションセンターの建設推進」に関する記者会見において、中国科学院(CAS)張涛副院長より、若手研究者支援強化を含むCASの人材重点事業が紹介された。以下その概要をまとめる。

1.科学技術イノベーションセンターにおいて、基礎・フロンティア・オリジナリティのあるイノベーションおよびコアとなる技術の研究開発等に焦点を当て、全世界からハイレベルな人材を集める。

2.最近発足した「基礎・フロンティア領域の若手チームを安定的に支援するプログラム」や「最先端科学重点研究プログラム」などをはじめとする科学研究の重大な戦略配置を通じて、世界でも影響力のあるトップレベル研究者を養成する。

3.若手研究者への支援を強化する。研究課題への支援費を増やしていくほか、CAS傘下の各研究所に対し、「第14期五カ年計画(十四五)」の期間において新規に採用した研究室主任(研究室の長)と副主任に、原則として40才未満の研究者の割合が50%を下回らないことを要求する。そして、CASの「先導プログラム」では、新規立案の特定プロジェクトの代表者に45才未満の研究者の割合を30%以上、研究課題の研究代表者に同割合を更に50%以上にしなければならないとする。

4.人材交流に関する国際協力を拡大し、科学技術イノベーションセンターの人材の国際化を促進する。CASの大型国際協力プログラムなど複数の国家による協力制度を活用し、海外の大学、研究機関、企業から優秀な人材を引き付けるよう努力する。

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中国科学院:"十四五"期间,各个研究所新聘实验室主任、副主任,原则上40岁以下的人员不低于50%》文汇客户端,2021-09-29