北京便り
トップ  > コラム&リポート 北京便り >  File No.22-005

【22-005】科技部:2020年度の科学普及統計結果を公表

JST北京事務所 2022年02月03日

科学普及活動の参加人数は前年比138%に

 中国科学技術部(MOST)はこのほど全国2020年度科学普及統計結果を公表した。それによると、オンラインとオフラインによって同年に開開催された各種の科学普及活動に、全国から延べ約27.4億人の参加があり、参加人数は前年(2019年)比138.2%に達したという。科技日報が伝えた。以下にその概要をまとめる。

 本統計はMOST主導の下で、中国本土31省・直轄市・自治区および31の中央省庁その他関係機関を対象にアンケート調査を実施した全国最大規模の科学普及実態調査である。統計によると、2020年に全国各地で行われた科学普及活動のうち、以下のようなイベントが各地で行われた。

・ 講座 84.66万回、参加者16.23億人(前年より484.7%増)

・ テーマ展示 11.01万回、参加者3.2億人

・ コンテスト 2.82万回、参加者1.84億人

・ 科学館見学 1.15億人(前年より52.7%減)

 また、統計では、科学普及費や科学普及施設にも触れており、その要旨を以下にまとめる。

1)科学普及費

・ 2020年度全国科学普及経費は171.7億元で、前年より7.4%減少した。うち、政府資金は138.4億元(前年より1%増)、全体の80.6%を占めた。

・ 科学普及費の支出の主な内訳は、活動支出81.6億元(全体の47.5%)、施設整備支出41.4億元(同24.1%)。

2)科学普及従事者について

・ 2020年時点で全国181.3万人、前年より3.1%減少。ただし、職位・学歴ベースは、中級職位およびそれ以上と大卒およびそれ以上の者はそれぞれ全体の62.5%と55.2%を占め、いずれも前年より増加。

・ 専任科学普及クリエイターは1.85万人、前年より6.5%増加。

3)科学普及施設の整備

・ 2020年、科学技術館や科学技術系博物館などは1,525館であり、前年より48館増加。

・ 2020年、国家実験室、工学センター、科学データセンターなど社会に開放する科学施設は8,323カ所あり、前年より28.2%減少。ただし、一部の施設でオンラインによる受け入れ施策が講じられたため、全体のアクセス人数は1,155万人を超え、前年より21.9%増になった。

4)科学普及広報

 全国の科学技術類新聞:1.58万紙、科学普及図書:9,853.6万冊、科学普及ジャーナル:1.31億部、科学普及のためのラジオ放送:12.8万時間、科学普及のためのテレビ放送:16.5万時間、科学普及サイト:2,732サイト

5)その他

 新型コロナ感染拡大をめぐる感染症対応についても、科学普及の視点からオンラインおよびオフラインによって広く宣伝、広報を行った。

関連リンク:

科技部发布2020年度全国科普统计数据 我国线下线上科普活动增长138%》科技日报, 2021-11-24