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【22-011】科学技術進歩法改正法施行

JST北京事務所 2022年03月14日

 我が国の科学技術基本法に相当する中華人民共和国科学技術進歩法が2021年12月24日に改正され、2022年1月1日から施行された。

 ポイントは次のとおり。我が国であれば、科学技術基本計画に記載されるような事項を含め、同法に規定されている。

1.経緯

・ 同法は、1993年に制定、2007年に改正されており、今回が2回目の改正。

・ 1993年制定時は10章62条で構成。2007年改正により7章に改正され、全75条。2021年改正により12章117条となっている。なお、既に取り組まれている事項についての規定や訓示的な規定も多く、新設されている条が、必ずしも新規の取組みについて規定しているわけではない。

2.章構成

・ 2007年法の第2章「科学研究、技術開発及び科学技術の応用」が、第2章「基礎研究」と第3章「応用研究及び成果移転」[1]に分かれ、第7章「地域の科学技術イノベーション」、第8章「国際科学技術協力」、第10章「監督管理」を追加。

3.中国内の報道等で重視されている点

・ 新華社通信(中国中央政府サイトにも掲載)では、①国家が新型研究開発機構等の新型研究主体の設立・発展を支援すること等主体の多様化を図ること、管理システムの近代化、運用メカニズムの市場化、雇用メカニズムの柔軟化等による発展モデルの整備・改善を図っていくこと(第56条)、②基礎研究への資金投入の増加のため、地方政府や企業等社会各方面の経費の投入の(第20条)、地方政府による自然科学基金の設立の奨励(第21条)、③研究者の負担軽減・研究時間の確保のための管理システムの整備・改善を採り上げており、改正法は研究者・技術者のインセンティブの向上、企業の資金調達問題の改善、地域のイノベーションの強化、法的責任の整備・改善を図るものだとしている(第64条)。

・ 国家知識財産権局は、WeChat公式アカウントにおいて、条文を列記する形で、知的財産権関連の内容として、第13条(国による知的財産戦略及び制度の整備・改善、企業等による意識及び質の向上 2007年法第7条に相当)、第32~34条(財政資金を使用したプロジェクトから生じた知財の活用に関する規定(第32条 2007年法第20条に相当)、知的財産権の活用により得られた資金配分制度の整備・向上、研究者・技術者による所有又は長期使用権制度の検討(第33条 新規)、財政資金を活用したプロジェクトの国内での最初の活用の奨励、海外での独占実施権付与の許可制等(第34条 2007年法第20条に相当)、第45条(国による知的財産権の保護と企業による質の向上、自主的イノベーション能力の向上に関する訓示的規定 2007年法 第38条に相当)、第82条(国際協力における知的財産権保護制度の整備・改善 新規)、第92条(知的財産権を担保とする金融の奨励 2007年法第18条に相当)、第102条(科学技術資源の管理単位による資源使用者の知的財産権侵害の規制 2007年法第65条に相当)を列挙。


1.1993年法の章名には、第4章「基礎研究及び応用基礎研究」があり、基礎研究が章の名に取り上げられたことは初めてではない。

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