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【22-021】国資委、中央企業によるイノベーション創出・社会責任の遂行に拍車をかける

JST北京事務所 2022年04月18日

 国務院国有資産監督管理委員会(国資委)は所管下の中央所属企業による科学技術イノベーション創出及び社会責任をより推進すべく、組織内に科学技術イノベーション局と社会責任局を新設した。中国政府網が伝えた。以下にその概要をまとめる。

 国資委は国務院に直属する特設機関として、中央所属企業の国有資産への監督管理、国有企業の改革・改組、中央企業の長の人事任命等を司る「18大」(中国共産党第18回全国代表大会、2012年開催)以来、習近平総書記は中央企業による科学技術イノベーション創出と社会責任の推進について幾度指示を与え、国資委にも明確な方向性を示した。今度この2局を設立したのは、これを受けた取組みである。

 国資委は中央企業による科学技術イノベーションと社会責任の推進を徹底するため、主に以下の施策を講じることとされた。

・ 科学技術イノベーションの創出について、①重大な科学技術特定プロジェクトの実施の重要と、国有企業に創造的技術の策源地の形成、②イノベーション創出における企業の主体的地位の強化と、中央企業の革新的リーディング企業への発展、③科学技術エコシステム最適化への配慮と、中央企業に潜む創出・創造のポテンシャルの引き起し、④中央企業における情報化・工業化融合とデジタル化チェンジの実現徹底と、中央企業によるイノベーション創出チェーンと産業チェーンの高度融合などを求める。

・ 社会責任について、①中央企業におけるカーボンピークアウト・カーボンニュートラル(双炭素)に関する事業の実施と、企業別の対策による順序良く「双炭素」の推進、②安全・環境保全への配慮と、企業の全過程・全チェーンにおけるリスク対策の徹底、③中央企業による農村振興支援と新疆・チベット・青海支援の切実な推進、④中央企業での社会責任体制の構築などを求める。

 国資委党書記・主任の郝鵬氏は同科学技術イノベーション局と社会責任局の設立に関して、この2局の設立を契機に、国資委の出資者としての職責と監督管理体制をより充実・改善し、ハイレベルな行政人材の育成を加速させ、中央企業の改革・発展を切実に推進しなければならないと要求した。

 また、これに関連があるとみられる「中央企業での基礎研究・応用基礎研究強化に関する座談会」が、国資委の主催で3月19日に開催された。会議では、中央企業で基礎研究と応用基礎研究を強化することは科学技術の自立自強を実現するための必然な要求で、世界一流企業になるための重要な施策であると指摘され、そして、中央企業は基礎研究・応用基礎研究強化に当たる重要な責任を果たして、様々なニーズへの対応を原点とし、キャパシティービルディングを重要な手段とし、資源の協調的な活用に力を入れ、関連政策の支援の下で、世界で影響力を持つ創造的技術の策源地への発展を加速させるべきことが求められた。

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