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【22-023】米中研究者、BCIに適用できるソフトな電極を開発

JST北京事務所 2022年05月09日

 中国の天津大学、首都医科大学付属北京天壇病院および米国のスタンフォード大学の協力によって、ブレーン・マシン・インタフェース(BCI)のコア技術になると期待される2μmサイズの新型フレキシブル電極が生み出された。この成果は3月25日付で「サイエンス」誌で公開されている。科技日報が伝えた。以下にその概要をまとめる。

 このフレキシブル電極は、脳外科手術に導入すれば、電極を細胞単位で正確に配置し、ヒートマップの形で画像を提供できるため、医師は脳の神経核や大脳皮質機能局在等を正確に識別することができ、脳の機能を最大限に保護して手術による死亡のリスク減少に貢献できるという。

 この研究は、「大脳の不規則な形状の領域にぴったりくっつくことができるソフトなマイクロアレイ電極というソリューションを提供し、併せて新型の導電性高分子材料を開発した」と、本共同研究の合同代表者である首都医科大学付属北京天壇病院の賈旺副病院長が語った。導電性ポリマーの分子設計を用いて、2μmレベルまで加工しても伸縮性と高度伝導性を維持できる電極材料を開発した。

 また、今回、米中共同で開発した電極は、世界でも最も精度の高いソフトで伸縮可能な電極であり、神経外科手術への応用のほか、BCIのコア技術として、脳科学研究と臨床医学において重要な役割を果たすと期待されている。

論文リンク:
science.org/doi/10.1126/science.abj7564

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