【22-027】中国人民銀行、2,000億元の科学技術イノベーション再貸付を設立
JST北京事務所 2022年05月25日
中国人民銀行(中央銀行、以下「人民銀行」)は28日、党と国務院の要求に応じて、国の戦略的科学技術力の強化、コアとなる要素技術の難関攻略および自主イノベーション創出の推進を図るよう、金融機関向けに「科学技術イノベーション再貸付」(科技創新再貸付)を設けたと発表。光明網が伝えた。以下にその概要をまとめる。
「科技創新再貸付」とは、金融機関に低コストの資金を提供し、そして金融機関より科学技術型企業へ資金を貸し付けることを通じて、社会的資金による科学技術イノベーションへの支援を促進するものである。人民銀行の関係者によると、「科技創新再貸付」は2,000億元、貸付利息1.75%とされる。期限は1年間で、2回まで延長できる。同資金の配布先は、国家開発銀行、政策的銀行、国有商業銀行、中国郵政貯蓄銀行、株式制銀行等計21社の金融機関であり、そして、所定の支援先範囲に該当する企業に6カ月を下回らない期限で貸し付けた金額の60%を上限として提供するという。
「科技創新再貸付」を使って支援する対象として、ハイテク企業、「専(門化)・精(細化)・特(色化)・新(鋭化)」中小企業、国家技術イノベーションモデル企業、製造業単項目チャンピオン企業[1]等から選ばれ、国家科学技術計画に参与した企業、国家製造業イノベーションセンターなどのほか、国レベルのサイエンスパークに入居している企業が優先的に支援を受けることができる。具体的に支援を受けられる科学技術型企業は、科学技術部と工業情報化部が現行基準に沿って認定し、そして国家科学技術イノベーション・創出データプラットフォーム、国家産融(産業・金融)連携プラットフォーム等を通じて金融機関に推薦されたものとする。
1.「製造業単項目チャンピオン企業」(原語:制造业单项冠军企业)とは、工業・情報化部が2016年に発表した「制造业单项冠军企业培育提升专项行动实施方案(製造業単項目チャンピオン企業育成に関する専門行動実施プラン)」において、製造業のある特定の細分製品市場を長期的に注目し、生産技術またはプロセスが世界でリードしたり、単種目の製品の市場シェアが世界で上位を占めたりする企業と定義されている。
工业和信息化部关于印发制造业单项冠军企业培育提升专项行动实施方案的通知
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