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【22-036】《中欧協力・脱炭素》在中EU企業、中国のカーボンニュートラル目標実現加速に協力

JST北京事務所 2022年06月20日

 中国EU商会とローランド・ベルガー社(Roland Berger)は5月25日に、「カーボンニュートラル:ヨーロッパ企業は中国に協力して2060ビジョンを実現する」レポート(以下「レポート」という)を共同で発表し、中国との協力分野を深化し、カーボンニュートラル目標の実現を速めるよう、中国に先進技術の獲得を支援する意向を示した。中国新聞網が中新財経発のニュースを転載して伝えた。以下その概要をまとめる。

 レポートでは、ヨーロッパ企業は、ヨーロッパの厳格な環境保全の法令を遵守し、消費者の需要を満足させ、そしてカーボンニュートラル実現に関する世界への約束を履行しなければならないと義務付けられているため、中国の2030年カーボンピークアウト目標と2060年カーボンニュートラル目標の達成に協力する能力があると主張。調査によると、中国で業務展開中のヨーロッパ企業の67%はすでにカーボンニュートラル目標を設けて関連の取り組みを講じている。また、40%の企業に中国業務を重点とした脱炭素チームが結成され、そのうちの多くは直接取締役会に報告する体制を取っている。

 中国のカーボンニュートラル目標に対し、中国EU商会のJoerg Wuttke会長 は、「中国は市場改革の深化とヨーロッパの成熟した技術を含めた既存の手段をうまく活用すれば、この目標は必ず実現できる」と語り、「ヨーロッパ企業がヨーロッパ本土でカーボンニュートラルを切実に推進した経験を積み上げているため、脱炭素における欧中協力強化は賢明なやり方である」と強調。そして、ローランド・ベルガー社のグローバル管理委員会Denis Depoux共同総裁からも、「気候変動対応・改善への中国の貢献はその製造強国としての競争力保持に極めて重要である」と評価されたうえ、ヨーロッパ企業の技術とノウハウを使って中国のカーボンニュートラル目標達成に貢献するために、(中国)当局において実行可能な政策を制定し、中長期的に予測可能なビジネス環境をつくる必要があると提言された。

 中国EU商会は2000年に北京で創設、会員企業は設立当時の51社から1,800余社に増えている。北京、南京、上海、広州等9都市に7分会がある。

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