北京便り
トップ  > コラム&リポート 北京便り >  File No.22-039

【22-039】清華大学出版社オープンアクセスジャーナル「Nano Research Energy」を6月に発刊

JST北京事務所 2022年07月26日

 エネルギーの低炭素化と高品質な開発は、今日世界にとって機会であるとともに、大きな課題でもある。これを背景に、清華大学は、ハイレベルなオリジナリティのある研究成果を発表することによって「炭素ピークアウト・炭素ニュートラル」達成に寄与することを目的とし、オープンアクセス英字ジャーナル「Nano Research Energy」[1]を創設。6月に公式に発刊した。

 同誌は清華大学がかつて創刊したナノ研究に特化する「Nano Research」誌[2]の姉妹誌として、新エネルギー関係分野におけるナノ材料とナノ技術に関する最先端な研究・応用にフォーカスし、電気触媒・光触媒、燃料電池、新型電池技術、先進なエネルギー貯蔵装置(ESS)、スーパーキャパシタ、バイオマス・バイオ燃料、炭素捕集・貯蔵技術、水素・太陽・風・地熱・原子力・水エネルギー、エネルギー経済、エネルギー安全などの幅広い領域を網羅する。同誌は、研究論文を発表するほか、関連分野の研究速報やプレスリリース、学者見地、研究ハイライトおよび論説なども掲載するという。

 エネルギー分野における世界で最も影響力のあるジャーナルを目指して、同誌は世界で学術に関する深い造詣・影響力を持つ学者から編集委員を集め、現メンバー37人のうち、25人が中国国外の機関に所属する学者である。このほか、若手編集委員も中国を中心に51名任命されている。編集委員長は、清華大学の曲良体教授と香港城市大学の支春義教授が務めている。

 6月の第1号では、ナノ材料、新型電池技術、先進貯蔵装置と電気触媒・光触媒の4テーマについて、関連分野の研究者から投稿された11編の論文が取り上げられた。


1 「Nano Research Energy」 サイト

2 「Nano Research」誌 :清華大学の主導により2008年に創刊した、清華大学出版社とSpringer社が共同して出版する英字ジャーナルである。2020年、同誌はインパクトファクター(IF)が8.897に達し、継続して4分野でQ1ジャーナルを保った。そして、Web of Science高被引用文献が124編で、学術誌9000誌のトップ2.5%にランクし、中国ジャーナルの中では1位を占めた。

関連記事

清华大学主办国际期刊《Nano Research Energy》首期正式出版】 清华大学出版社 2022-7-6