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【22-044】〔人材〕上海は2022年下半期に世界から5000人超のポスドクを募集

JST北京事務所 2022年08月24日

 上海市人力資源・社会保障局は近日、2022年下半期度のポスドク募集の求人情報を発表した。今度の求人は、(上海)浦江実験室、中国科学院上海技術物理研究所、上海交通大学など中国トップレベル研究機関および世界リーディング企業はじめ123社に所属する259のポスドクステーションにまで及び、トータルで5,157人を募集するという。中国新聞網が伝えた。以下その概要をまとめる。

 今回の求人は国籍を問わず世界向けに行われている。うち、国を指向する求人ポジションの国別では、米国、英国とドイツはそれぞれ3,228人、2,887人と1,416人と上位となる。また、求人ポジションは約9割が国家級・(上海)市級の重大プラットフォーム、重点任務、重要プロジェクトに所属し、研究チームの共同指導教官に35人の院士および大勢の各分野の優れた研究者が就いていることなどで、採用者へ優れた研究環境を提供する。

 求人情報では、バイオ製薬、新材料、化学工業、集積回路、人工知能などの分野、および臨床医学、生物学、材料科学・工学、化学、物理学、電子科学・技術、計算機科学・技術などの学科からの応募が多いと見られる。待遇の面では、大多数は年俸25万元から35万元(中位数30万元)だが、最高70万元(1元=約19.6円)とされ、そして、3割は自社アパート提供、5割は住宅補助金提供という住居面での配慮も受けられる。

 希望者は、上海市人力資源・社会保障局の以下のホームページにアクセスし、求人要項、所属機関概要、指導教官、待遇、および求人機関連絡先など有用な情報を手に入れることができるという。
rsj.sh.gov.cn/tbshyd_17417/index.html

 上海は中国初のポスドク制度導入地域の1つであり、現在、37の大学・研究所にポスドク研究流動ステーションを238ヶ所、154社の企業・事業単位およびサイエンスパークにポスドク研究ステーションを、13の行政区などにポスドクイノベーション実践拠点を設けている。中国でポスドク制度導入して以来の37年間に、上海は延べ3万人を超えたポスドク研究員を養成し、うち、10人が中国科学院・中国工程院院士に選ばれ、300人超が国家級の人材計画に採択されている。上海在籍中のポスドク研究員は6月末現在7,305人で、うち外国籍、香港・マカオ・台湾籍の人および海外留学経験者が24%を占める。

 また、上海は2018年から「スーパーポスドク」インセンティブ事業を実施し、同事業に採択された者に対し、市から30万元/人を支給するほか、所属先からもこれに相当する額を下回らない支援をする。同事業は実施以来、この4年間にトータルで1,675人に5億元を支援しており、今年から外国人ポスドクへの支援を強化し、毎年の採用者を50人以上に増やすという。

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