【22-046】科学技術部など7部門、「科学研究補助員ポジションの新規増・採用に関する通知」(要訳)
JST北京事務所 2022年10月20日
6月29日、中国科学技術部等7部門(科学技術部、教育部、財政部、人力資源と社会保障部、国務院国有資産監督管理委員会、中国科学院、国家自然科学基金委員会)は、大学卒業生就職促進施策の一環として、「科学研究補助員ポジションの開発・実施に関する通知」(以下、「同通知」という)を発布し、全国において科学研究補助員ポジション(以下、「補助ポジション」という)を開発(新規増員)し、2022年度の大学卒業生を採用するよう求めた。
同通知にある科学研究補助員は、あらゆる科学研究課題の補助研究、実験(エンジニアリング)施設の運営維持と実験技術、研究成果の移転展開、学術アシスタント、財務アシスタント、およびポスドクなどに従事する人を指し、科学研究チームを構成するための重要な一部であると位置づけられる。そして、あらゆるステータスのイノベーション推進機関において補助ポジションを設けることは、大学生就職促進の重要な手段であるほか、科学技術管理改革の深化、科学技術計画に応える専門的なサポート人材育成などのための重要な措置であるとされる。
補助ポジションの開発(設置)は、主に以下セクター別の導線にて進めるとする。
1.中央省庁所属大学、中央レベル研究機関、中央企業(国有企業にある中央が主管する企業のこと)などにおいて、補助ポジションの開発を強化させる。各レベルの科学技術計画に支援されているプロジェクトおよび各種の重大なイノベーション創出プロットフォームにおいて、新しい補助ポジションを合理的に設け、そして既存の補助ポジションを整理して、最大限に大学卒業生を受け入れるようにする。
2.国家級ハイテクパークと国家自主イノベーション創出モデルパークにおいて、補助ポジションを自主的に設けさせる。補助ポジションの開発実績を、国家級ハイテクパーク評価の重要な指標系に取り入れ、国家ハイテクパーク、国家自主イノベーション創出パーク、農業ハイテクパーク及び各々のパークに立地した科学技術型企業やインキュベーター等に補助ポジションを導入するよう動員・奨励する。
3.地方について、積極的に補助ポジションを開発させる。各地方の科学技術担当管理部門は、各ベルの科学技術計画プロジェクトとイノベーション創出プラットフォームを基盤に、省立大学、省所属研究機関、新型研究開発機関、国家級ハイテクパーク入居外のハイテク企業等の機関における補助ポジションの開発促進を強化しなければならない。そして、補助ポジションでの採用実績を、国務院が実施する2022年度重大施策を地方で実施した実態の査定・奨励、および省級ハイテクパークの国家級ハイテクパークへの昇格審査のための重要な参考とする。
同通知の実施をより確実なものとするための保障的な措置として、
4.各省庁/各地方に、本省・庁/当該地方内での実施徹底に当たる組織役をはたし、省庁所属大学、中央所属研究機関、中央企業、国家級ハイテクパーク、国家自主イノベーション創出モデルパークに、けん引役を果たすよう義務付けている。
5.国家重点研究開発計画、科学技術イノベーション2030-重大プログラム、国家自然科学基金などの国家科学技術計画に支援されているプロジェクトやイノベーション創出プラットフォームを担当する機関に、同通知の実施をリードし、積極的に大学新卒者を採用するよう義務付けている。
6.社会保険と住宅積立金の参加など、補助ポジションに関するロジ面の配慮を強化する。補助ポジションに関する経費について、①研究課題余剰金から構成された研究活動直接支出科目から支出する、②各レベルの科学技術計画に支援されたプロジェクトに設置した補助ポジションの場合、研究経費の「労務費」科目から研究補助員に払うべき労務報酬と社会保険補助金等を支出する。そして、補助ポジションを設置している機関において、補助ポジションを安定して長期的に支援するための専門資金を設立するよう奨励する。
7.情報共有・広報強化を図るため、地方における補助ポジションの開発・実施実態は、数回に分けた時限を決めて、科学技術部に報告するよう義務付けられる。
出所:中国中央政府サイト