【22-051】〔高齢化対応〕2022日中科学技術フォーラムを無錫で開催
JST北京事務所 2022年11月30日
11月9日、「ICT技術の活用による高齢化社会へ対応する」をテーマとした日中科学技術フォーラム(2022)が、科学技術振興機構(JST)と中国科学技術協会(CAST)の共催で、無錫で開催された。中国シニア科学技術協会常務副会長/元CAST副主席斉譲、主催機関の代表としてJST理事森本茂雄、参与米山春子、北京事務所長茶山秀一、CAST国際部一級巡視員(局長級)王慶林、及び日本側の座長である早稲田大学名誉教授小尾敏夫、開催地代表である江蘇省科学技術協会副主席孫春雷、無錫市委常務委員/組織部長柏長嶺などが出席した。
開会式では、以下5人より挨拶があった。
・ 斉譲:中国のシニア科学技術者が中国高齢者人口(2.7億人)の7%を占める1,900万人台に上り、高齢者へのスマートケア等にも関心を持っている。JSTとCASTが共催する高齢者対応に寄与する本フォーラムは高齢化社会対応に貢献しており、これを契機に、より広くの高齢者に恵みを与えられる中日交流を一層深めてほしい。
・ 王慶林:CASTは中国最大な科学技術組織として、一貫して科学技術の人的交流に取組んでいる。中日国交正常化50周年を機に、JSTと本フォーラムを含む一連のイベントを行っている。これからも、JSTはじめ、ICT技術による高齢者対応、気候変動、ダブルカーボン(カーボン排出ピークアウト・カーボンニュートラル)、省エネルギーなどにおける協力、および若手人材、女性研究者などに重点を置く交流制度の構築などにも努力したい。
・ 森本茂雄:日中科学技術フォーラムは2017年より6年連続で開催され、日中の科学技術交流の重要な形となった。JSTとCASTは日中国交正常化50周年を際にし、両国が共通して直面する課題をめぐって、両国のアカデミー、産業界等の方々を迎えて対話してもらうことは、今後の両国協力を深く推進させることに重要な意味がある。
・ 孫春雷:(江蘇省内の)無錫市、蘇州市等は多様な基盤を築き、地域を跨る共同治療、サマーと技術による高齢者対応等において大きな進展が見えてきた。本フォーラム開催地で新呉区においては、「15分間で到達する高齢者在宅ケアサービス圏」の構築、「IoT+スマート高齢者ケア」モデルづくりなどに尽力している。
・ 柏長嶺:無錫は揚子江デルタ地域の中心部に位置する町として、優れた国際化の基盤と条件を有し、そして国内一流の科学技術イノベーション創出・人材育成の高地づくりに向ける重要な時期、および高齢化への高質な対応を図る貴重なウィンドウ期を迎えている。本フォーラムの現地での開催によって、同市におけるICT技術による高齢者対応の発展を期待する。
開会式の後、復旦大学高齢研究院の呉玉韶副院長/教授と早稲田大学の岩崎尚子教授は、それぞれ「中国のICT技術による高齢者対応の実践と考え」と「『誰も取り残されない高齢社会』のためのデータ活用の在り方」をタイトルとして基調講演を行った。続いて、現地で高齢者対応事業を運営している2社(1社はPanasonicが設備の投入などで提携している)から事業展開の概要について紹介され、そして、日中両国から3人ずつが登壇し、ICT技術の活用による高齢者ケアへの対応、活力な老人へのサポート、高齢者向けのウェアラブルデバイス等について発表があった。日本からは、一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)国際部長折尾貴洋、会津大学副学長趙強福、トリプルダブリュージャパン(株)代表取締役中西敦士が発表した。
フォーラムの期間中、江蘇省内企業6社及び日立ソリューションズ(中国)、トリプルダブリュージャパン㈱などはブースを出して、自社製の高齢者への対応に資する製品や業務に関する展示が行われた。
本フォーラムは、中国シニア科学技術協会、及び江蘇省科学技術協会、無錫市人民政府、無錫市科学技術協会、無錫情報化協会など江蘇省及び無錫市内の多数の機関から協力を得た。
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