【24-09】中国、12の原子力研究拠点を世界へ開放
JST北京事務所 2024年10月07日
中国国家原子能機構(CAEA)は9月16日、ウィーンで行われた第68回国際原子力機関(IAEA)総会において、「開放と協力・発展を共有」と題した原子力研究施設の開放に関するテーマ別イベントを開催し、中国の先進研究炉(China Advanced Research Reactor、CARR)をはじめとする12の原子力研究施設を世界に開放すると宣言した。中国政府網が伝えた。
その概要を以下にまとめる。
CAEAの劉敬副主任(副機構長)は挨拶で「IAEA加盟40周年を迎えるに当たり、中国は12の原子力研究施設を世界に開放するほか、開放的かつ公正・公平で、差別のない国際科学技術発展のための環境づくり、研究開発・試験・工学実証に資する技術資源やプラットフォームの共有、共同研究・交流や人材育成などの実務協力の強化において、各国と共同で努力したいと表明した。
会議にはIAEAのチュダコフ事務次長やIAEA中国政府代表部の李松大使などが出席した。
今回、世界への開放を宣言した12の原子力研究施設は以下のとおり。
1. 中国先進研究炉(China Advanced Research Reactor、CARR)
2. 小型中性子源原子炉(Miniature Neutron Source Reactor)
3. 49-2プール型原子炉(49-2 Swimming Pool Reactor)
4. プール型試験炉
5. 中国北山高レベル放射性廃棄物地層処分実験室(China's high-level radioactive waste disposal program)
6. 中国環流3号トカマク装置
7. 大気、水環境および放射線生態学シミュレーション研究施設
8. 北京放射性核ビーム装置(BRIF)
9. 熱水力・安全共有試験施設
10. 原子力級設備鑑定付属試験設備施設
11. 容器構造性能実験施設
12. 容器熱水力総合実験装置
中国はこれまで8つのIAEA協力センターを設立しており、フランスやロシア、EUなどと原子力科学に関する研究協力メカニズムを構築している。また、タイやインドネシア、パキスタン、アルジェリア、ガーナ、ナイジェリアなどの発展途上国と、相手国での原子力科学研究施設や合同実験室などの整備を進めている。
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