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【24-11】《人材政策》CAST、博士後期課程学生支援事業を設立

JST北京事務所 2024年10月21日

 中国科学技術協会(CAST)はこのほど、2015年に発足した中国科学技術協会若手人材育成事業(中国語:「中国科协青年人才托举工程」)において、本年より中国本土の博士後期課程在籍学生を支援する新しい事業を設立した。以下にその概要をまとめる。

 この新しい事業は「中国科学技術協会若手人材育成事業・博士後期課程学生特定プログラム」(以下「特定プログラム」と称す)と名付けられ、中国本土の大学・研究機関の理学、工学、農学、医学系学科に所属する博士後期課程在籍の30歳未満の高学年生(2年生以上)に特化して2年を上限に支援する事業である。

 特定プログラムは、以下3つの面で採択者を支援する。

・ 団体加入支援:関連する中国学会(CAST管轄下の全国レベルの学会)に無料で入会させ、優秀な者を同学会の専門委員会に参加させる。

・ 学術兼任支援:高レベルな学術会議や国内外の学術団体での助手職、学術ジャーナルの編集助手を非常勤として兼務させる。

・ 学術助成:採択者の学術活動[注]に対して、支援期間内に4万元までの助成金を提供する。

 CAST人事部の担当者によると、特定プログラムは2024年に試験的に3000人を支援する。25年以降は段階的に1年1万人、そして関連学科の博士後期課程年間卒業者の15%以上を占めることを目指すという。


注:新しい事業の実施に備えて公表した「中国科学技術協会若手人材育成事業・博士後期課程特定プログラム管理方法(試行)」において、「学術助成」の対象活動および助成金について以下のように定めている。
中国学会が開催する重要な学術会議への参加支援。中国国外と国内での会議に分け、それぞれ1万元/回と5千元/回を定額で支援する。
高レベルな学術論文の発表支援。CAST実施の「中国科技ジャーナル卓越計画」の入選ジャーナルまたはCAST作成の高品質科技ジャーナル格付けリストT1区分のジャーナルと同高品質の科技ジャーナル格付けリストT2区分のジャーナルで発表した場合、それぞれ1万元/論文と5千元/論文を定額支援する。2回以上支援する場合、少なくとも1編は国内ジャーナルで発表したものであることを求める。
海外への交流訪問支援。海外の一流大学や研究機関に赴いて交流することを支援し、そして、1か月以内、3か月、3か月以上という期間別にそれぞれ1万元、1.5万元、2万元を定額支援する。

「中国科学技術協会若手人材育成事業・博士後期課程特定プログラム管理方法(試行)」はこちら に掲載されている。

参考リンク

 

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