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【24-12】《情報通信》中国、10ギガ光ネットワークなどの新型インフラ整備を加速へ

JST北京事務所 2024年10月29日

 中国政府網によると、「10ギガクラウドブロードバンドモデル住宅団地」がこのほど、上海市楊浦区で誕生した。これにより、住民は超快速インターネット回線を楽しめるほか、裸眼で全角度から3D映像を鑑賞するなどのデジタルアプリケーションも体験できるようになった。

 10ギガ光ネットワークは、次世代光ファイバー網技術の発展方向であり、現在のインターネットアクセススピードを10倍に上げることができるという。上海市では年内に26の住宅団地で10ギガ光ネットワークを導入し、2026年に市内全体に拡大する計画を立てた。上海のほか、20を超える省や直轄市においても、10ギガ光ネットワーク関連技術が試験的に展開されている。

 5Gや光ファイバー、インダストリアル・インターネット、デジタルセンターなど新型インフラの整備が今年に入ってから各地で加速している。8月末現在、全国で5G基地局は400万局を超え、コンピューティングセンターは830万以上のラックを実装し、工業や教育、医療、エネルギー分野などの演算アプリケーションは1.3万件以上に達している。そして、工業・情報化部の最新統計によると、今年1~8月、コンピューティングネットワークに関連するデータセンター、ビックデータ、クラウドコンピューティングなど新興事業は2870億元(約6兆円)の売上高となり、前年同期比で10.5%増えた。うち、クラウドコンピューティングは12.3%増、ビッグデータは61.6%増となった。

 また、10月12日に広州で行われた中国移動(チャイナモバイル)グローバルパートナー大会において、工業・情報化部の趙志国チーフエンジニアより、ネットワーク施設の質的向上と規模拡張、5G-A(5G-Advanced、5Gネットワークの発展版)と10ギガ光ネットワークのビジネス応用を進めるとともに、国家科学技術プログラムの牽引の下で、6Gや人工知能(AI)、量子情報などへの配置を指示し、大規模モデルアルゴリズムなどのソフト・ハードウェア技術において、より大きなブレイクスルーを果たす方針が示された[1]


[1]関連報道:中国新闻网「工信部:加快推进5G-A、万兆光网规模商用

参考リンク

 

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