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【24-14】中国、工学博士養成で実践的イノベーション創出能力の育成を要求

JST北京事務所 2024年11月21日

 中国教育部(省)によると、国務院学位委員会弁公室はこのほど、「工学系博士の学位論文と学位申請の実践的成果に関する基本要求(試行)」(以下、「基本要求」)を発表し、工学系博士の養成において実践的なイノベーション創出能力を強化するとの方針と基準を定めた。以下に科技日報が伝えた概要をまとめる。

 国務院学位委員会は2011年、イノベーション型の国家建設に対応するハイレベル工学技術人材の育成を目的とし、工学博士学位を設けた。2018年には工学系博士課程を電子情報など8つの専門学位に改定して工学技術人材の養成システムを整備した。2022年には、教育部が主導して産学提携による卓越エンジニア育成改革が進められた。これら一連の整備により、工学博士学位は中国の博士学位における主要学位へと発展してきた。

 今回発表された「基本要求」では、工学系博士の学位論文について、テーマ選定の範囲と論文の質に対する要求を初めて明確化し、実践的な成果に基づいて学位を申請するよう、基準とプロセスが初めて定められた。国務院学位委員会弁公室の担当者によると、「基本要求」は大学院生が専門的な実践活動を単独で完了できる能力を身につけることに重点を置いて制定された。


注:国務院学位委員会は国務院が設立した、中国国内の学位授与および関連業務を担当する機関で教育部の所管となっている。同委員会の通常業務を運営する事務部門として弁公室が内設され、教育部学位管理・大学院生局が兼務する。

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