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【25-04】中国、「国家自然科学基金条例」を改訂 基礎研究や人材育成の促進、研究公正の強化を目指す

JST北京事務所 2025年02月04日

「国家自然科学基金条例」が2007年の施行後初めて改定され、新たな条例が25年1月1日に施行された。条例の施行機関となる国家自然科学基金委員会(NSFC)は、条例改定のポイントについて、このほど明らかにした。以下に光明日報が伝えた概要をまとめる。

・ 科学基金への資金投入メカニズムの多様化を推進
新条例は、地方政府や企業、その他団体が共同出資の形で基金に出資し、科学技術イノベーション創出に資する新たな協働体制の構築を奨励する内容を付け加えた。
この改定により、地方や産業、社会が関心を持つ課題の解決や、産学官のより緊密な連携が期待できるという。

・ 創造的研究推進を奨励し、若手人材の才能を刺激する。
2020年に創造的探索プログラムを新設し、創造的基礎研究のさらなる支援を目指してきたが、新条例では、基金管理機関が重要な創造的、学際的イノベーション創出に資するプロジェクトにおいて特別な公募・審査規則を制定することを可能にしている。
新条例は従来の若手研究人材支援特別基金を継承しつつ、さらに、優れた実績を持つ有望な若手科学技術人材への支援を強化している。

・ 研究公正・科学倫理の整備を強化する
新条例では、研究公正についての宣言制や処罰制度の導入など、研究公正や科学倫理強化に関する一連の規定を策定しており、研究者や課題所在機関、審査委員に責任意識を持たせることにより、公平公正な研究環境を形成するよう推奨している。

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