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【25-07】《中関村フォーラム》2025年の年次総会を開催

JST北京事務所 2025年04月10日

 3月27日から31日にかけて北京市で中関村フォーラムの年次総会(年会)が開催された。中関村フォーラムは、中国政府の科学技術部(部は日本の省に相当)、国家発展改革委員会、国務院国有資産監督管理委員会、中国科学院、中国工程院、中国科学技術協会、北京市政府が共催するもので、「イノベーションと発展」を恒久的なテーマとし、2007年から開催されている。特に近年、重視され、中国の科学技術政策や成果が論じられるフォーラムの中でもトップブランド的なものとなっている。

 今年の年会は、「新しい質の生産力とグローバル科学技術協力」をテーマに全体では約60の平行フォーラム、技術取引の関連イベント、技術コンクール等多数のイベントが開催された。また、併せて中国SF大会も開催された。

 開会式では中国科学の10大進展、10の重大成果が発表され、閉会式では19の重大成果が発表された。会場では、ロボットがボランティアとして位置づけられ、司会の補助や太極拳等のパフォーマンス、来客の歓迎やコミュニケーション、展示等で会の開催・運営を支え、注目された[1]

 シンガポールの副首相が開会式に参加。ASEAN、シンガポールや韓国、北欧と中国の協力をテーマにした平行フォーラムや、医療科学技術に関する英国とのマッチングイベントなども開催された。

 平行フォーラム等や開会式、閉会式の中で多くの政策、報告書等の発表が行われた。例えば科学技術部による「国家イノベーション指数報告2024」、国家金融監督管理総局、北京市による北京商業宇宙開発保険共同保険体の成立の発表、AI for Science青年フォーラムにおける「AI for Scienceイノベーションマップ」の発表等である。

 人民日報社ウエブサイトの記事によれば、1000人以上の発表が行われ、335の外国政府機関、国際組織・機関、29の省(自治区、直轄市)、252の国内外大学、304のベンチャーキャピタル機関、数千の研究機関、約1万のテクノロジー企業が関連イベントに参加した。164の国内外のメディアから1756人のジャーナリストがイベントを報道し、これらの数値は過去最高とのこと。115の国・地域から参加があり、外国人スピーカーは266名だったという。

 閉会式において、北京市の許心超副秘書長(副官房長に相当)は、「イノベーションは終わりなき旅であり、フォーラムの一連の活動は1年を通じて継続される」と述べた。

 いくつかの平行フォーラム等について、今後概要をお知らせしていきたい。


[1]例えばロボットのパフォーマンスは、下記URLの映像の冒頭で見ることができる。
https://live.zgcforum.com.cn/activity/p1/index2.html?aid=2025032610018639

 

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