【25-12】中国主導の国際月科学研究ステーション計画が進展
JST北京事務所 2025年05月09日
10回目の「中国宇宙の日」(4月24日)に際し、国際月科学研究ステーション開発者会合が4月23日に上海で開催された。中国月探査プロジェクト総括設計士を務める中国工程院の呉偉仁院士(アカデミー会員)により、国際月科学研究ステーション(以下「ステーション」)の最新状況がメディアに紹介された。中国航天報のWeChat公式アカウントが伝えた概要を以下にまとめる。
ステーションの建設は、2035年ごろにステーションの基本形が完成し、45年ごろに拡張形が完成するという2段階で進められる。うち、基本形の部分について呉氏は、基本形の構成部分となる月面探査機「嫦娥7号」と「嫦娥8号」がそれぞれ26年と28年(または29年)ごろに打ち上げられる予定であると紹介した。
ステーションは月軌道または月面に設置される長期的な科学研究と技術実験に資するプラットフォームで、中国が主導し、複数の国が参加。月をベースとした天文観測、月の地質環境、太陽・地球環境、基礎科学、資源利用という5つの科学目標が参加国の間で定められている。これまでに17カ国の50を超える機関がステーションの契約に調印したという。
呉氏によると、ステーションは2年間にわたる論証を経て、実施段階に近づいており、参加各国は自らの能力と意志に基づき、『協商、共創、共有』の原則に従って、ステーションにおける役割分担を話し合っているという。
参考リンク
- 中国航天报微信公号≪他们特意来到中国,商议月球建站事宜≫ 2025-4-24