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【25-13】CSRankingsからうかがえる中国の大学の位置づけ

JST北京事務所 2025年05月16日

 マサチューセッツ大学アマースト校のエメリー・バーガー教授が主導するCSRankings(Computer Science Rankings)がこのほど、発表された。

 CSRankingsは、コンピューターサイエンス分野で最も重要な会議で発表された論文数を主要な指標とし、世界各国の大学・研究機関(以下「大学」という)のコンピューターサイエンスおよび関連分野における学術的影響力と国際的活躍度を示したものだ。

 今回のランキングでは、世界からランクインした563大学のうち、中国本土の大学が39校を占めた。「科教評論」が伝えた概要を以下にまとめる。

 CSRankingsは、全体ランキングのほか、AI(人工知能)、コンピューターシステム、コンピュータ理論、学際領域という4つのテーマ別ランキングも設定されている。

 今回は世界各国から563大学がランクインした。全体ランキングは1位がカーネギーメロン大学(米)、2位が清華大学、3位が上海交通大学と浙江大学で、5位が北京大学だった。そして、Top50入りした中国本土の大学は15校(前年は9校)、Top100は25校(同18校)だった。

 テーマ別のランキングでは、中国勢は、AIとシステムの2テーマでそれぞれ1~4位と1~3位を占めたが、理論と学際の2テーマはTop10に入った大学はなく、バランスを欠く結果となった。中国勢がTop100にランクインした大学数を表にまとめる。

  Top100 Top50 Top20 Top10(Top5)
全体ランキング 25校 15校 5校 4校(4校)
テーマ別ランキング
・AI 23校 18校 10校 6校(4校)
・システム 21校 10校 5校 4校(4校)
・理論 7校 2校 0校 0校
・学際 18校 9校 2校 1校(0校)

 テーマ別ランキングでは、清華大学、上海交通大学、北京大学と浙江大学が、AIとシステムの2テーマにおいて揃ってTop10にランクインした。

 また、日本勢については、全体ランキングでは東京大学が68位、国立情報学研究所が137位、慶應義塾大学、京都大学、奈良先端科学技術大学院大学、大阪大学、筑波大学が197位タイ、早稲田大学が344位となった。

 同ランキングは、コンピューターサイエンス分野で最も重要な会議で発表された論文に基づいてランク付けされたもので、従来の論文被引用数に基づくランキングより、当該分野における各大学の実力および教師の水準をより反映できるとされる。

 

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