【25-14】中国、2027年にコンパクト型核融合実験装置を完成へ
JST北京事務所 2025年05月19日
中国青年報によると、中国の国家ビッグサイエンスプロジェクトである核融合炉本体コアシステム総合研究施設の総指揮役を務める李建剛中国工程院院士(アカデミー会員)がこのほど、上海で行われた「好望角科学サロン」[注]において、「遅くとも2030年までに核融合による灯りを点灯させる」と示唆した。
李氏によると、中国の磁場閉じ込め核融合エネルギー開発の技術ロードマップでは、実験装置から実験炉、工学的実証炉を経てプロトタイプ発電所をつくることとされている。また、同事業の今後の計画について、2027年にコンパクト型実験装置の整備を完成する予定となっている。中国核融合工学的実証炉(CREDR)の設計にもすでに取り掛かっており、世界初の核融合パイロット発電所の建設を目指しているという。
注:好望角科学サロンとは、科学研究、産業、ファンディング、科学普及などの関係者の交流を通じて、科学技術イノベーション創出に資する新たなパラダイムや道筋を探索することを主旨とした公益活動である。同サロンはインキュベーションとベンチャーキャピタルを主業とする中科創星科技投資有限公司(本部:西安・北京)により、毎回テーマを設定して開催されている。今回は「コントロール可能な核融合」がテーマだった。
参考リンク
- 中国青年报百度客户端【专家预计2027年将建成聚变能实验装置】2025-4-28