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【25-31】中国、第15次五カ年計画で宇宙や生命の起源を探る科学衛星計画を実施

JST北京事務所 2025年12月02日

 中国科学院国家宇宙科学センターは11月24日の記者会見で、「第15次五カ年計画」(2026~30)期間中に「鴻蒙計画」や「夸父2号」を含む宇宙起源探査に関する科学衛星計画を実施すると発表した。宇宙や宇宙天気源、生命の起源といった重要課題に焦点を当て、宇宙のダークエイジ(暗黒時代)、太陽磁気活動周期、地球型系外惑星探査などの分野で新たな進展を目指すという。

 会見では、中国科学院国家宇宙科学センターが、宇宙の短命天体、宇宙線伝播、太陽フレアなど、宇宙科学分野で達成した科学的進展が紹介された。また、X線全天マップ、宇宙線電子・陽子・ヘリウム核・ホウ素核構造の微細構造、強磁場測定によるブラックホールに近いジェットの検出などの成果も示された。

 中国では2011年に宇宙科学先導プロジェクトが開始されて以来、「悟空」「実践10号」「墨子」「慧眼」「太極1号」「懐柔1号」「夸父1号」「天関」という8つの科学衛星が打ち上げられてきた。

 また、国際協力も積極的に進められている。「微笑」衛星は、中国科学院と欧州宇宙機関(ESA)によるプロジェクトで、「天関」衛星は中国が主導し、ESA、ドイツ、フランスが共同で参加している。国際科学チームの組織やデータ共有が進むことで、科学衛星計画の国際的な連携や交流が広がっている。

 

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