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【17-15】中国の躍進続く 英教育誌の大学評判ランキング

2017年 6月15日  小岩井忠道(中国総合研究交流センター)

 英国の教育誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」が14日、「世界の大学評判ランキング2017」を発表した。清華大学が昨年から4位順位を上げ14位、北京大学も4位順位を上げて17位にそれぞれ浮上した。清華大学が15位内に、北京大学が20位内に入ったのは、このランキングが最初に公表された2011年以来、それぞれ初めて。「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」は、中国の躍進ぶりを今回のランキングの大きな特徴として挙げている。

「世界大学評判ランキング2017」100位内アジア大学
(タイムズ・ハイヤー・エデュケーション「World Reputation Rankings 2017」から作成)
世界順位 大学名 国・地域
11 東京大学 日本
14 清華大学 中国
17 北京大学 中国
25 京都大学 日本
27 シンガポール国立大学 シンガポール
39 香港大学 香港
46 ソウル大学 韓国
51~60 国立台湾大学 台湾
  大阪大学 日本
  浙江大学 中国
61~70 東北大学 日本
71~80 香港中文大学 香港
  復旦大学 中国
  香港科技大学 香港
  上海交通大学 中国
  東京工業大学 日本
81~90 KAIST 韓国
  南洋理工大学 シンガポール
  成均館大学 韓国
91~100 名古屋大学 日本
  南京大学 中国

 このほかのアジア勢では、東京大学が最上位の11位、次いで京都大学が25位、シンガポール国立大学が27位、香港大学が39位、ソウル大学が46位。以下100位内は、51-60位に国立台湾大学、大阪大学、浙江大学、61-70位に東北大学、71-80位に香港中文大学、復旦大学、香港科技大学、上海交通大学、東京工業大学、81-90位にKAIST(韓国)、南洋理工大学(シンガポール)、成均館大学(韓国)、91-100位に名古屋大学、南京大学となっている。

 「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」は、中国の大学が過大評価されているとする見方を否定するロンドン大学教育学研究所教授のコメントを紹介している。この教授によると、清華大学は数学やコンピューター科学分野で被引用数の多い論文数が米国のマサチューセッツ工科大学(MIT)をしのぎ、世界一になっているという。

 また、中国の大学が躍進したのは、国際的レベルの大学をつくろうとする1980年代以来の中国政府の戦略が功を奏した、という清華大学准教授のコメントも載せている。

 上位10位は、1位のハーバード大学、2位のMIT、3位のスタンフォード大学をはじめ8大学を米国勢が占め、圧倒的な強さを示している。残る2大学は英国のケンブリッジ大学とオックスフォード大学が4位に並んだ。一方、アジア勢の躍進と英国を除く欧州勢の退潮は昨年に次ぐ現象。今年も、ベルギー、フランス、オランダでそれぞれ評価が最も高い大学がいずれも順位を落とした。

 「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」は、指導・学習環境、研究の質・量、論文被引用数、資金獲得能力、外国人職員・学生数などを総合的に評価した大学のランキングも毎年公表している。「世界の大学評判ランキング」は、これとは評価法が異なり、世界の一流高等教育機関の研究者から、それぞれの専門分野で教育と研究能力のレベルが最も高いと評価する大学を最大15まで挙げてもらう手法をとっている。今回は137カ国、10,566人から回答を得た。その回答を基に大学をランク付けする際、客観的な評価がしやすい研究能力に対する評価点に、教育に対する倍の重みを与えている。