【23-46】重慶ハイテク区、企業の科学技術イノベーションを支援
雍 黎(科技日報記者) 雷 雍(科技日報実習生) 2023年07月05日
中国重慶市で4月24日、重慶ハイテク産業開発区・ハイテク企業・テクノロジー型企業『ダブル倍増』行動計画をテーマにした発表イベントが開かれ、ハイテク区の関係者が行動計画の重点任務と支援政策を説明した。
企業の質的向上・数量増を後押し
西部科学城重慶ハイテク区の党工委委員で副主任の賈子文氏は、ハイテク区が企業のイノベーション力と競争力の向上を根本とし、全サイクルにわたる段階的育成システムの構築に力を入れると説明。企業主導と政府の誘導を重視し、数量増と質的向上を同時に進め、モデル転換・高度化とイノベーション・発展を推し進める考えを示した。行動計画は2段階に分かれており、まず2025年までにハイテク企業を700社、科学技術型企業を3000社に増やす。27年までに22年を基準とした「ダブル倍増」を実現し、ハイテク企業を1000社に、科学技術型企業を4500社に増やす。また、年間平均伸び率を25%以上にし、重慶市全体における比率が7.8%まで高まるよう目指す。
重慶ハイテク区は4つの面で12項目の課題を打ち出した。第一に、イノベーション主体の数量増と質的向上に力を入れ、「一科三高」企業育成システムを構築する。第二に、科学技術企業のイノベーション力向上を加速させ、企業がイノベーションプラットフォームを構築して研究開発機関の質的向上と範囲拡大を推進するよう支援し、企業が研究開発投資を拡大するよう誘導する。第三に、科学技術イノベーション拠点の集約効果を発揮させ、複数の大型イノベーション・起業インキュベーションコミュニティと大手科学技術企業のインキュベーションパークの建設を加速させる。第四に、イノベーション・起業のエコシステム最適化を進め、大学・研究機関の在職科学技術者に対する兼業での起業、離職しての起業、株式保有による起業を支援し、科学技術成果の移転を促し、イノベーション・起業人材への支援を強化し、イノベーション・起業の良好な雰囲気を醸成する。
「ダブル倍増」計画の実施期間中、科学技術型企業の審査入庫を初めて完了した企業に対し、1社につき1万元(1元=約20円)の補助金を一括支給する。専門的インキュベーター、市レベル以上のインキュベーター(ソーシャル・イノベーション・プラットフォーム)などに認定された運営機関に対し、科学技術型企業を新たに10社育成するごとに3万元の補助金を支給し、ハイテク企業を新たに1社育成するごとに5万元の補助金を支給する。ハイテク企業の認定に合格した場合は、企業のタイプ別に20万~50万元の奨励金を支給するとともに、毎年最大30万元の貸付利子補給を行う。
4つの面で企業のイノベーションを支援
重慶ハイテク区科学技術イノベーション局の鄧松副局長は企業の科学技術イノベーションに対する支援について、「内部の研究開発投資が200万元に達し、かつ前年度より増加した企業に対し、研究開発投資の強度に基づき、最大500万元の奨励金を支給する。国家科学技術計画・プロジェクトを率先して担当する機関に対しては実行金額に基づき1対1の割合で関連支援を行う。国家最高科学技術賞を受賞した場合は1000万元の奨励金を支給し、国家自然科学賞、技術発明賞、科学技術進歩賞を受賞した場合は最大500万元の奨励金を支給する。企業が主導し、認可を受けて建設する国家レベル研究開発機関には1000万~3000万元の支援金を支給し、市レベル研究開発プラットフォームには50万元の支援金を支給する」と説明した。
重慶ハイテク区イノベーションサービスセンターの党組書記で主任の石維娜氏は科学技術企業のインキュベーション拠点への支援について、「現在、重慶ハイテク区にはインキュベーション拠点が26カ所ある。うち市レベル以上が20カ所、国家レベルが6カ所で、インキュベーション面積は120万平方メートルに達する。ハイテク区は今後、大学・研究機関、国有プラットフォーム企業、リーディングカンパニーがインキュベーターを建設するのを支援し、科学技術企業のインキュベーターがインキュベーション中の科学技術企業のために家賃減免措置を提供することを奨励し、認可を受けた国家レベルインキュベーターに対して、100万元の奨励金を支給する」と説明した。
重慶ハイテク区は企業の資金調達問題を解決するため、イノベーション金融商品「科学企業傾斜融資」を打ち出し、企業の発展レベルに基づいて科学技術型企業、ハイテク企業、高成長性科学技術企業、ハイレベルリーディングカンパニーにそれぞれ異なる与信限度額の融資支援を行い、企業の資金需要を保障するとともに企業のイノベーションの発展を誘導していく。
※本稿は、科技日報「支持企业科技创新 重庆高新区解读"双倍增"行动计划」(2023年5月4日付7面)を科技日報の許諾を得て日本語訳/転載したものである。