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【22-06】総投資額10億元で実験室建設を強化 中国民航大学

陳 曦(科技日報記者)/呉金棟 任光輝(科技日報通信員) 2022年07月12日

 人材育成と科学研究の重要拠点となる大学の実験室は、教育や科学研究、学科建設という「3頭立て馬車」が高速で前進するのをサポートしている。

 中国民航大学によると、同大の実験室建設関連の北京大興民用航空テクノロジーイノベーション拠点(民航大学)プロジェクトと寧河新キャンパス2期プロジェクトの立ち上げが承認され、実験室への総投資額が10億元(1元は約20.1円)以上に達した。

 北京大興民用航空テクノロジーイノベーション拠点(民航大学)プロジェクトは、「耐空性・安全」のテクノロジー研究にスポットを当て、未来の航空輸送システム安全研究所1ヶ所が牽引し、核心要素研究部6部が下支えとなる「1+6」体制の構築に取り組んでいる。寧河新キャンパス2期プロジェクトは、空中通信技術「機内インターネット」を主線とし、民用航空総合交通研究センターの建設を展開すると同時に、大学の各学科の実践教育のニーズを満たす教育実験室を建設している。

 中国民航大学は近年、複数の実験室プロジェクト実施をサポートしてきた。うち、航空交通管制学科実験室と、航空機整備バーチャルシミュレーションセンタープロジェクトの5000万元級の実験室2ヶ所が既に完成し、運用されている。また、耐空性査定関連のプラットフォームプロジェクトやグリーン発展実験室プロジェクトの建設が今も展開されている。

 実験室の建設と管理はシステム工学である。中国民航大学の実験室管理部門は、「学外への進出、学内への招聘」というスタイルを通して、調査、研究を継続的に強化し、問題を整理し、実験室の建設や管理のイノベーションに取り組み、新たなスタイルを生み出し、「建設・管理・使用・評価」からなる四位一体の実験室管理体制を次第に構築してきた。同大学の実験室管理部門は、実験技術イノベーション基金プロジェクトの設置を通して、技術イノベーションやノウハウの研究を促進し、実験室管理のスマート化、デジタル化システム建設を通して、その水準や効率を向上させて、「明確なデータ、正しい決定、良いサービス」を実現している。

 また、同大学は、実験室運営保障メカニズムの構築を強化し続けている。人材育成の面では、学内の実験技術人材の職階評価・審査チャンネルを完全に開通させ、実験教育や実験技術といったポストにつく人からなる実験技術人材チームを立ち上げ、実験技術人材の活動に対する積極性を最大限に向上させるように取り組んでいる。メカニズム・体制の構築という面では、大学は、システム設計やニーズをめぐる意思の疎通、機能開発、調整・テスト・運営、機能整備といった一連の建設作業を通して、現行の実験室総合スマート管理システムを中心とする「1+N」情報管理システム枠組体制を作り上げた。政策サポートの面では、制度建設強化を通して、低炭素運営のための技術イノベーションを模索し続け、実験室を安全に運営するために、政策面からの保障を提供している。2014年、同大は、実験室使用の効果・利益評価メカニズムの研究を本格的に始め、天津市教育委員会から高く評価されている。

 中国民航大学航空工程学院の王軒准教授は、「大学にとって、実験室建設は、質の高い、内包的、持続可能な発展の基礎であり、重要な条件となる。教育と科学研究実験室の建設により、学部生と修士課程の大学院生の教育、実験環境が大幅に改善され、実験室の環境や安全性、文化などの建設活動が大きく進展した。また、当大が実施する実験技術イノベーション基金プロジェクトは、教員の実験技術能力向上を力強く促進した。誕生した優秀な実験技術の成果が、中国全土のコンテストで何度も受賞している。このほか、当大は、大型機器・設備の共有を実施しており、設備の利用率が大幅に上昇した。そして、教師全体がそこから益を受け、当大の人材育成と科学研究に強力なサポートを提供してくれている」と強調した。


※本稿は、科技日報「総投資超10個億 中国民航大学加強実験室建設」(2022年6月2日付6面)を科技日報の許諾を得て日本語訳/転載したものである。