【17-06】歳月を経てさらに盛り上がる中日協力―白芨灘生態協力の24年
2017年10月 5日 趙香君(寧夏中日友好林担当者)
今振り返れば、1993年9月28日、国家林業部外事司の楊禹畴司長が北京で林業部を代表し、日本側の代表である江藤素彦氏と、プロジェクト協力合意「森林回復技術及び農用林業技術の実地適用に関して」を 締結した時、正式に白芨灘と日本側との砂漠化防止での協力の幕が上がったと言える。
白芨灘防砂林は、寧夏回族自治区の霊武市内にあり、毛烏素砂漠の南西の縁に位置し、砂漠と農地との推移帯であり、風食・砂漠化が深刻で、生態環境は劣悪である。自然災害も頻繁に起こっており、改 造と対処の必要性に迫られていた。この問題に対する取り組みはこれまで24年にわたって続いてきたが、その間には、「中日協力治砂研究プロジェクト」や「中日(寧夏-島根)友好林プロジェクト」、「 中日青少年友誼林プロジェクト」、「中国黄河中流域防護林建設プロジェクト」、「日中友好砂漠緑化協会植樹ボランティアプロジェクト」が相次いで白芨灘で実施された。これらのプロジェクトの成功は、現 地の生態環境の改善や人びとの生活水準の向上に重要な役割を発揮した。
中日協力治砂研究プロジェクト
「中日協力治砂研究プロジェクト」は、白芨灘防砂林場が実施した最初の国際協力治砂研究プロジェクトである。同プロジェクトでは、900ムー(1ムーは約667平方メートル、60ヘクタール)の 土地が対象となり、300ムー(20ヘクタール)で乾燥地帯の造林、600ムー(40ヘクタール)で揚水灌漑が計画された。プロジェクトの実施期為は3年で、総投資額は240万元だった。
中日(寧夏—島根)友好林プロジェクト
寧夏回族自治区と島根県は1993年に正式に友好都市関係を締結した。中日両国の人びとの末永い友好感情を促進し、両国民の造林緑化や環境保護に向けた生態保護意識を普及・樹立するため、1 996年10月、「中日(寧夏—島根)友好林プロジェクト」が白芨灘樹木農場で実施された。第1期プロジェクトは建設総面積225ムー(15ヘクタール)、投資額60万元で、5年ごとの実施が計画された。1 996年に第1期プロジェクトの建設開始後(5年1期)、良好な社会的効果と際立った生態効果がもたらされた。プロジェクトは2002年と2013年にそれぞれ第2期、第 3期の後続建設プロジェクトの合意が締結された。両県区の民間友好交流はすでに24年にわたって健全に推進されている。
中日青少年友誼林プロジェクト(小渕基金プロジェクト)
2002年8月、「中日青少年友誼林プロジェクト」の実施が白芨灘防砂林場で始まった。2期に分けて実施され(第1期は2002年—2005年、第2期は2005年—2007年)、1530ムー( 102ヘクタール)の土地の開発・整地が完了し、森林地帯の道路22.82キロメートル、フェンス2キロメートル、灌漑水路10.5キロメートルが建設され、排水パイプライン7952メートルが敷設され、揚 水ポンプ場1カ所と揚水幹線水路2キロメートル、臨時貯水池11カ所、高圧送電線2.4キロメートルも建設された。さらに友誼林記念碑が1基建設され、169.35万平方メートルにわたってワラを使った草方格( そうほうかく)が敷設され、4764ムー(317.6ヘクタール)の人工造林が実現された。各類樹木が45万5千株栽植され、716万3900元の建設投資が実施された。
中国黄河中流域防護林建設プロジェクト(日本援助プロジェクト)
2002年4月5日、「中国黄河中流域防護林建設プロジェクト」の始動式が白芨灘防砂林場大泉管理所で行われた。国家林業局対外協力司の章紅燕副司長や駐中国日本国大使の野本佳夫氏らが自ら現場を訪れ、プ ロジェクト始動式に参加した。このプロジェクトは、日本国政府の無償援助によるもので、総規模は661ヘクタールに達した。建設内容としては主に、防砂用人工造林450ヘクタール、草方格236ヘクタール、林 道15キロメートル、補水パイプライン15キロメートル、ポンプ井1基、林地防護用小屋1カ所、観測所3カ所、鉄製フェンス12.9キロメートルが含まれる。
24年が過ぎ、かつては小さかった樹木も、白芨灘の多くの作業員の心のこもった保護の下、根を深く張り、葉を大いに茂らせている。プロジェクトエリアには毎年、世 界各地の政治家や専門家が視察に訪れている。咲く花は毎年似ていても、関わる人は年々替わっていく。プロジェクト建設に参加した担当者の中にはもう退職した人もおり、当時のポストから異動になった人もいる。だ が彼らが中日両国の人びとの間に植えた友情の樹、播いた友情の種は、中日両国の人びとに末永く幸福を与え続けている。
※写真はすべて筆者提供。