【24-08】定点観測シリーズ 中国の宇宙開発動向(その26)
辻野照久(元宇宙航空研究開発機構国際部参事) 2024年01月30日
今回は、定点観測シリーズの第26回目として、2023年10月1日から12月31日までの3か月間の中国の宇宙開発動向をお伝えする。
本期間には有人宇宙船「神舟17号」が打ち上げられた。貨物輸送船「天舟7号」は期間外ではあるが2024年1月17日に打ち上げられた。
通信放送分野では米国のStarlinkに匹敵する13,000機の衛星インターネット衛星網「国網」の試験段階の打上げが本格化し、本期間中に7機の「互聯網技術試験」衛星が打ち上げられた。
宇宙輸送分野では再使用可能な宇宙往還機が3回目の飛行に出発した。
本期間の中国の打上げ回数は22回で、四半期の打上げ数としては2022年第4四半期と並んだ。
年間の打上げ回数は67回(うち失敗1回、前年より3回増)で過去最多となった。ただし、長征系列に限っては昨年より6回減で、長征系列以外で穀神星ロケットが5回増など7種類のロケットで計9回増加した。
2023年の中国の年間衛星打上げ数も211機(外国衛星3機と軌道投入失敗衛星1機を含む、前年より25機増)と過去最多となった。
2023年の全世界のロケット打上げ回数は223回(失敗11回)で、過去最多だった昨年を37回上回った。中国のシェアは30.0%で、昨年の34.4%を下回った。昨年32.8%だったスペースXは43.9%を占め、中国の1.5倍近くになった。
2023年第4四半期までの世界のロケット打上げ状況
本期間のロケット打上げ回数は、中国が22回、米国が30回(うち1回は軌道投入失敗)、ロシアが6回、ニュージーランド(NZ)が1回、欧州が1回、韓国が1回、北朝鮮が1回で、全世界で62回であった。表1に2023年12月までの世界各国のロケット打上げ回数を示す。
*1 米国の[ ]内はスペースX社の打上げ回数(内訳) | ||||||||||||
期間 | 中国 | 米国*1 | ロシア | NZ | インド | 日本 | 欧州 | イスラ エル |
韓国 | 北朝鮮 | イラン | 世界計 |
1月-3月 | 14 | 24[21] (★3) |
6 | 3 | 2 | 2(★1) | 1 | 1(★1) | 53(★5) | |||
4月-6月 | 11 | 24(★1) [23(★1)] |
3 | 2 | 2 | 1 | 1 | 1(★1) | 45(★2) | |||
7月-9月 | 20(★1) | 29[26] | 4 | 3(★1) | 3 | 1 | 1 | 1(★1) | 1 | 63(★3) | ||
10月-12月 | 22 | 30(★1) [28(★1)] |
6 | 1 | 1 | 1 | 1 | 62(★1) | ||||
計 | 67(★1) | 107(★5) [98(★2)] |
19 | 9(★1) | 7 | 3(★1) | 3 | 1 | 2 | 3(★2) | 2(★1) | 223(★11) |
中国と米スペースX社のロケット・衛星打上げ状況
この期間に中国は四半期で過去最多に並ぶ22回の打上げを行い、自国衛星46機と外国衛星1機を打ち上げた。中国衛星のうち、地球観測衛星(気象観測衛星を含む)は22機、航行測位衛星は2機。通信放送衛星は9機、有人宇宙船は1機、宇宙科学衛星(微小重力実験)は1機、技術試験衛星は10機、宇宙往還機(スペースプレーン、ミッションは宇宙輸送)は1機である。
表2に中国の打上げに使われたロケットや軌道投入された衛星名などの一覧表、表3にロケット種別による2023年12月までの中国の打上げ回数と衛星数を示す。
国際標識番号の*は英字が未定であることを示す。 | ||||||||
衛星名 | 国際標識番号 | 打上げ年月日 | 打上げロケット | 射場 | 衛星保有者 | ミッション | 軌道 | |
Yaogan 39 -03A |
遥感 | 2023-152A | 2023/10/5 | 長征2D(2) | 西昌 | PLA | 地球観測 | LEO |
Yaogan 39 -03B |
2023-152C | |||||||
Yaogan 39 -03C |
2023-152E | |||||||
Yunhai-1 04 | 雲海 | 2023-159A | 2023/10/15 | 長征2D(2) | 酒泉 | SAST | 気象観測 | SSO |
Yaogan 39 -04A |
遥感 | 2023-163A | 2023/10/23 | 長征2D(2) | 西昌 | PLA | 地球観測 | LEO |
Yaogan 39 -04B |
2023-163C | |||||||
Yaogan 39 -04C |
2023-163E | |||||||
Shenzhou 17 | 神舟 | 2023-164A | 2023/10/26 | 長征2F | 酒泉 | CMSEO | 有人宇宙船 | LEO |
Tianhui 5A | 天絵 | 2023-168* | 2023/10/31 | 長征6A | 太原 | PLA | 地球観測 | SSO |
Tianhui 5B | 2023-168* | |||||||
Tongxin Jishu Shiyan 10 |
通信技術試験 | 2023-169A | 2023/11/2 | 長征7A | 文昌 | CAST | 通信放送 | GEO |
Zhongxing 6E | 中星 | 2023-172A | 2023/11/9 | 長征3B/3G | 西昌 | 中国衛通 | 通信放送 | GEO |
Haiyang 3A | 海洋 | 2031-176A | 2023/11/16 | 長征2C(3) /遠征1S |
酒泉 | NSOAS | 地球観測 | SSO |
Hulianwang Jishu Shiyan 02A |
互聯網 技術試験 |
2023-181* | 2023/11/23 | 長征2D(2)/ 遠征3 |
西昌 | 国網 (SatNet) |
通信放送 | LEO |
Hulianwang Jishu Shiyan 02B |
2023-181* | |||||||
Hulianwang Jishu Shiyan 02C |
2023-181* | |||||||
Aiji 2 (MisrSat 2) |
埃及 | 2023-187* | 2023/12/4 | 長征2C(3) | 酒泉 | EoSE(エジプト) | 地球観測 | LEO |
Xingchi 02A | 星池 | 2023-187* | 楕円時空科技 | 技術試験 | ||||
Xingchi 02B | 2023-187* | |||||||
Tianyan 16 | 天雁 | 2023-189* | 2023/12/4 | 穀神星1(3) | 酒泉 | 耕宇牧星(北京)空間科技 | 技術試験 | LEO |
Xingchi 01A | 星池 | 2023-189* | 楕円時空科技 | |||||
Hulianwang Jishu Shiyan 03 |
互聯網 技術試験 |
2023-190A | 2023/12/5 | 捷龍3 | 洋上 | 国網 (SatNet) |
通信放送 | LEO |
Honghu 1 | 鴻鵠 | 2023-193* | 2023/12/8 | 朱雀2 | 酒泉 | 上海藍箭鴻擎科技 | 技術試験 | LEO |
Honghu 2 | 2023-193* | |||||||
Tianyi 33 | 天儀 | 2023-193* | 天儀研究院 | 技術試験 | ||||
Yaogan 39 -05A |
遥感 | 2023-194A | 2023/12/10 | 長征2D(2) | 西昌 | PLA | 地球観測 | LEO |
Yaogan 39 -05B |
2023-194C | |||||||
Yaogan 39 -05C |
2023-194E | |||||||
Chongfu Shiyong Shiyan Hangtianqi 3 |
重複使用試験航天器 | 2023-195A | 2023/12/14 | 長征2F/T | 酒泉 | CAST | 宇宙往還機 | LEO |
Yaogan 41 | 遥感 | 2023-197A | 2023/12/15 | 長征5 | 文昌 | PLA | 地球観測 | GEO |
Dier (DEAR) |
廸邇 | 2023-199A | 2023/12/17 | 双曲線1(2) | 酒泉 | 紫微宇通科技 | 微小重力実験(回収式) | LEO |
Tianmu 1 11 | 天目 | 2023-205* | 2023/12/25 | 快舟1A | 酒泉 | 寰宇衛星 | 気象観測 | LEO |
Tianmu 1 12 | 2023-205* | |||||||
Tianmu 1 13 | 2023-205* | |||||||
Tianmu 1 14 | 2023-205* | |||||||
Shiyan 24C-1 | 試験 | 2023-206* | 2023/12/25 | 長征11H | 洋上 | CASC (CASTまたはSAST) |
技術試験 | LEO |
Shiyan 24C-2 | 2023-206* | |||||||
Shiyan 24C-3 | 2023-206* | |||||||
Beidou-3 M25 |
北斗 | 2023-207A | 2023/12/26 | 長征3B/G3Z | 西昌 | CNSA | 航行測位 | MEO |
Beidou-3 M26 |
2023-207B | |||||||
Tianmu 1 19 | 天目 | 2023-208A | 2023/12/27 | 快舟1A | 酒泉 | 寰宇衛星 | 気象観測 | LEO |
Tianmu 1 20 | 2023-208B | |||||||
Tianmu 1 21 | 2023-208C | |||||||
Tianmu 1 22 | 2023-208D | |||||||
Hulianwang Jishu Shiyan 04A | 互聯網 技術試験 |
2023-212* | 2023/12/30 | 長征2C(3) 遠征-1S |
酒泉 | 国網 (SatNet) |
通信放送 | LEO |
Hulianwang Jishu Shiyan 04B | 2023-212* | |||||||
Hulianwang Jishu Shiyan 04C | 2023-212* |
ロケット種別 | 長征2 | 長征3 | 長征4 | 長征5 | 長征6 | 長征7 | 長征11 |
打上げ回数 | 25 | 6 | 7 | 1 | 3 | 3 | 2 |
衛星数 | 104(3) | 7 | 8 | 1 | 6 | 3 | 4 |
ロケット種別 | 快舟 | 捷龍 | 中科 | 双曲線 | 穀神星 | 朱雀 | 天龍 | 計 |
打上げ機関 | CASIC | CASC | CAS | 星際栄耀 | 星河動力 | 藍箭航天 | 天兵科技 | |
打上げ回数 | 6 | 1 | 1 | 2 | 7(★1) | 2 | 1 | 67(★1) |
衛星数 | 22 | 1 | 26 | 2 | 22(★1) | 4 | 1 | 211(★1) (3) |
スペースX社はFalcon 9の25回の打上げで、貨物輸送船「Dragon」、自社のLEO通信衛星「Starlink」450機(打上げ回数20回)、英国通信衛星2機、ドイツ地球観測衛星2機及び各国衛星116機同時打上げ(打上げ回数2回)を行った。またFalcon Heavyの2回により小惑星周回衛星「Psyche」及びNASA/米空軍(USAF)の宇宙往還機「X-37B OTV-7」を打ち上げた。以上の合計で、計573機となる。超大型ロケット「Starship」は4月に続いて2回連続の軌道投入失敗となった(衛星は失敗1機)。
宇宙ミッション1 地球観測分野
(1) 陸域観測衛星
① 遥感(Yaogan)衛星
人民解放軍(PLA)は長征2D(2)ロケットにより10月5日に偵察衛星「遥感39-03A、B、C」[1]、10月23日に「遥感39-04A、B、C」[2]、12月10日に「遥感39-05A、B、C」[3]を打ち上げた。05号の打上げは長征系列ロケットの500回目という節目で行われた。遥感39号のシリーズは15機に達した[4]。
12月15日、PLAは静止偵察衛星「遥感41号」[5]を長征5ロケット[6]により打ち上げた[7]。長征5ロケットは静止衛星や月惑星探査機を打ち上げるためのロケットで、最大性能は静止トランスファ軌道へ13トンであり、今回が5回目(静止衛星2機、火星探査機、月サンプルリターンに次ぐ)の打上げである。これまで高分4号など静止地球観測衛星はGTO5.5トン級の長征3Bで打ち上げており、遥感41号はこれまでにない大型・大重量の偵察衛星であることは想像に難くなく、ミッションは中分解能の広域光学観測と考えられるが、ミサイル早期警戒衛星の役目が含まれる可能性もある。
② 天絵(Tianhui)衛星
10月31日、PLAは立体地図作成衛星「天絵5号A、B」[8]の2機を長征6ロケット[9]により打ち上げた[10]。天絵衛星の打上げ数は14機となった。
(2) 海洋観測衛星[11]
11月16日、国家衛星海洋応用センター(NSOAS)[12]は長征2C/遠征1Sロケットにより新型の海色観測衛星「海洋(Haiyang)3A」を打ち上げた[13]。
NSOASは海洋1C、1D、2B、2C、2D、CFOSAT(中仏海洋衛星)の6機の海洋衛星を運用しているが、開発側での試験が終われば海洋3Aが加わることになる。
同センターの予算書がPDFで公開されており、2023年の収支は約1億8500万元である[14]。
(3) 気象観測衛星
① 雲海(Yunhai)
10月15日、上海航天技術研究院(SAST)は「雲海(Yunhai)1-04号」を長征2D(2)ロケットにより打ち上げた[15]。雲海シリーズは雲海1が4機、雲海2が6機、雲海3が1機の計11機が打ち上げられている[16]。
② 天目(Tianmu)
西安寰宇衛星測定・数据応用有限公司(略称:寰宇衛星[Huanyu weixing])は周回型気象衛星「天目」のコンステレーションを急ピッチで構築中である[17]。9月までに10機を打ち上げていたが、12月25日と同27日に快舟1Aロケットにより天目衛星を4機ずつ打ち上げ、さらに2024年1月5日にも4機を打ち上げて[18]、22機となった。2週間足らずの間に3回の快舟1Aロケットの打上げが連続成功したことで、小型衛星打上げにおける中国航天科工集団公司(CASIC)の存在感が高まった。
宇宙ミッション2 通信放送分野
(1) 国有企業の通信放送衛星
11月9日、中国衛通(China Satcom)は「中星(Zhongxing)6号E」を長征3B/3Gロケットにより打ち上げた[19]。
(2) 中央政府の通信技術試験衛星
11月2日、中国空間技術研究院(CAST)は「通信技術試験(Tongxin Jishu Shiyan)10号」を長征7Aロケットにより打ち上げた[20]。
(3) 衛星インターネット技術試験衛星
11月23日、中国航天科技集団公司(CASC)に属する国網(Guowang、SatNet)は「互聯網技術試験(Hulianwang Jishu Shiyan)02A、02B、02C」の3機の衛星を長征2D(2)/遠征3ロケットにより打ち上げた[21]。国網の衛星群は米国スペースX社のStarlink衛星に匹敵する13,000機を目指している[22]。
12月5日に国網は「互聯網技術試験03」をCASCの捷龍ロケットにより打ち上げた[23]。
また、12月28日に「互聯網技術試験04A、04B、04C」の3機の衛星を長征2C/遠征1Sロケットにより打ち上げた[24]。これは2023年における長征系列ロケットの最後の打上げで、年間47回の連続成功を収め、CASCは長征ロケットと捷龍ロケットを合わせて2023年に48回の打上げにすべて成功したとしている。2020年5月以来の長征ロケットの連続成功は175回に達した。
宇宙ミッション3 航行測位分野
12月26日、国家航天局(CNSA)は長征3Bロケットにより中高度軌道の航行測位衛星「北斗3M」の25号機と26号機を打ち上げた[25]。前回の同種衛星打上げは2019年9月で、4年ぶりの追加打上げとなった。
宇宙ミッション4 有人宇宙活動分野
10月26日、中国は有人宇宙船「神舟(Shenzhou)17号」の打上げに成功した[26]。
搭乗員は湯洪波(Tang Hongbo)、唐勝傑(Tang Shengjie)、江新林(Jiang Xinlin)の3名。宇宙ステーション構築ミッション開始以来、これまでで平均年齢が最も若い。
11月1日、神舟16号の搭乗員3名が無事帰還した[27]。
12月21日、唐勝傑と江新林は7時間にわたって船外活動を行い、天和モジュールの太陽電池パネル修理などのミッションを実施した。
これまでは神舟の打上げに先立って貨物輸送船「天舟」が打ち上げられていたが、天舟7号の打上げは2024年初頭となった[28]。
宇宙ミッション5 宇宙科学分野
12月17日、紫微宇通科技(Ziwei Yutong Keji YG:AZSPACE)は微小重力実験衛星「廸邇(Dier)1号」(別名:DEAR 1 [Discovery Exploration Advanced Recovery])を双曲線1ロケットにより打ち上げた[29]。
宇宙ミッション6 新技術実証分野
(1)中央政府の技術試験衛星
① 試験(Shiyan)3機
12月25日、CASCは技術試験衛星「試験24号C 1,2,3」の3機を長征11Hロケットにより黄海から打ち上げた[30]。
(2)民間企業の技術試験衛星
① 天雁(Tianyan)
12月4日、耕宇牧星(北京)空間科技有限公司は穀神星1ロケットにより「天雁16号」を打ち上げた[31]。
② 星池(Xingchi)3機
12月4日、長征2C(3)ロケットによりエジプト衛星と相乗りで楕円時空科技有限公司が開発した「星池02A、02B」の2機の技術試験衛星が打ち上げられた[32]。
同日、穀神星1ロケットにより天雁16号衛星と相乗りで「星池01A」が打ち上げられた。同一シリーズの衛星が同日に同じ射場から2種類のロケットで打ち上げられたのは世界的にも珍しいことである。
③ 鴻鵠(Honghu)
12月8日、「鴻鵠(Honghu)」2機と「天儀(Tianyi)33」が朱雀2/遥3ロケットにより3機同時に打ち上げられた[33]。朱雀2号としては3回目の打上げ成功となった。「鴻鵠」は上海藍箭鴻擎科技有限公司(Shanghai Lanjian Hongqing Keji YG)が開発した衛星で、白鳥の類を意味する。再使用型の朱雀3ロケットを開発している藍箭航天空間科技公司の大志を示しているとみられる。
④ 天儀(Tianyi)
12月8日、天儀研究院は朱雀2/遥3ロケットにより「天儀33号」を打ち上げた[34]。
宇宙ミッション7 宇宙輸送分野
(1)中国版スペースシャトル試験機
12月14日、中国は長征2F/Tロケットにより「重複使用試験航天器(Chongfu Shiyong Shiyan Hangtianqi)3号」を打ち上げた[35]。2020年の1号機、2022年の2号機に続く、同一機体の3回目の飛行である[36]。なお、1回目の飛行試験は2日間であったが、2回目の飛行試験は277日間行われた[37]。外観は米国のX-37B[38]に似ているともいわれている。
(2)外国衛星の打上げ
12月4日、CASCはエジプトの地球観測衛星「埃及(Aiji)二号」(別名MisrSat 2号)を打ち上げた[39]。衛星はCASTが開発した。エジプトは2014年に「Egyptsat 2」を打ち上げており、まぎらわしいので混同しないよう注意が必要である。
参考資料: スペースX社のFalcon 9ロケットの機体別打上げ状況(2023年)
スペースX社は2023年にFalcon 9の24機のロケット機体を用いて96回の打上げを行った。そのうち5回はFalcon Heavyでロケット機体が3機ずつ使われたので、打上げに使用したロケット機体数は延べ106機となる。
機体別の運用状況を別表に示す。(別表、①~⑩は各月の打上げ順を示す)
同社が2023年に新規に投入したロケット機体は9機であったが、意図的に機体の回収を行わなかったFalcon Heavyのコア機体5機(すべて新規投入)はそれぞれ1回の飛行で運用終了となり、残りの4機は再使用の運用が続けられている。またブースターも意図的に回収しなかった打上げが1回あり、機体2機が消失となった。これにより7機のロケット機体が運用終了となって、2024年1月1日時点では17機が運用中となっている。
Falcon Heavy以外の91回の打上げはすべて回収に成功し、再使用回数が最大で18回に達したものがある(機体No.1058)。この機体の2023年最後の打上げは12月23日で、19回目の打上げである。
年間を通じて、平均打上げ回数は8回/月である。2か月間での最大打上げ数は9月と10月の計19機で、過去最多となった。逆に最も少ない回数は1月と2月の13回で、年初から年末に向けて打上げペースがだんだんと速くなったと感じられた。
1機の機体で年間打上げ回数の最多は8回で、機体No.1069, 1075, 1076, 1077の4機が8回で並んだ。
別表 2023年のFalcon 9(Heavy用も含む)機体運用状況
以上
[1] 2023年10月05日、CASC、国庆发火箭!长二丁火箭成功发射遥感三十九号卫星
[2] 2023年10月24日、CASC、发射成功!长二丁火箭十月三战三捷
[3] 2023年12月10日、CASC、长二丁火箭成功发射遥感三十九号卫星
[4] 2023年12月24日、Gunter's Space Page、Yaogan 39-01A/B, 39-02A/B, 39-03A/B, 39-04A/B, 39-05A/B
2023年12月24日、Gunter's Space Page、Yaogan 39-01C, 39-02C, 39-03C, 39-04C, 39-05C
[5] 2023年12月15日、Gunter's Space Page、YG41
[6] 2023年12月16日、Gunter's Space Page、CZ-5(Chang Zheng-5)
[7] 2023年12月16日、CASC、长征五号运载火箭成功发射遥感四十一号卫星
[8] 2023年11月07日、Gunter's Space Page、Tianhui 5A, 5B(TH 5A, 5B)
[9] 2023年11月16日、Gunter's Space Page、CZ-6(Chang Zheng-6)
[10] 2023年11月01日、CASC、気象衛星长六改火箭成功发射天绘五号卫星
[11] 2023年12月31日参照、NSOAS、国家卫星海洋应用中心
[12] 2023年12月31日参照、NSOAS、国家卫星海洋应用中心
[13] 12023年1月17日、NSOAS、新一代海洋水色观测卫星成功发射
[14] 2023年12月31日参照、NSOAS、国家卫星海洋应用中心 2023 年预算
[15] 2023年10月15日、Gunter's Space Page、长二丁火箭成功发射云海一号04星
[16] 2023年11月30日、Gunter's Space Page、Yunhai-1 01, 02, 03, 04
[17] 2024年01月05日、Gunter's Space Page、Tianmu-1 01, ..., 22
[18] 2024年01月06日、西部網、天目一号气象星座15-18星成功发射 陕西这家企业全力保驾护航
[19] 2023年11月28日、基建不倒翁、又一力作!中国中星6E卫星成功发射,助力通信技术迈向新纪元
[20] 2023年11月04日、CASC、长七A火箭成功发射通信技术试验卫星十号
[21] 2023年11月23日、CASC、长二丁/远征三号成功发射卫星互联网技术试验卫星
[22] 2023年11月27日、UchuBiz、中国、インターネット技術実証衛星を打ち上げ-中国版Starlink「国網」か
[23] 2023年12月06日、上観、海上远距离发射!捷龙三号首次应用发射成功
[24] 2023年12月30日、CASC、航天科技集团2023年宇航发射任务全胜收官!长二丙/远征一号S发射成功
[25] 2023年12月26日、CASC、长征三号乙/远征一号运载火箭成功发射第57、58颗北斗导航卫星
[26] 2023年10月25日、CASC、神舟十七号乘组确定!将于10月26日11时14分发射
[27] 2023年11月01日、CASC、神舟十六号载人飞行任务圆满成功
[28] 2023年11月23日、CASC、天舟七号已运抵文昌 预计明年年初发射
[29] 2023年12月17日、新華網、我国成功发射双曲线一号商业运载火箭
[30] 2023年12月26日、CASC、长十一火箭成功发射试验二十四号C卫星
[31] 2023年12月05日、百度百科、天雁16星
[32] 2023年12月04日、中国発展網、椭圆时空"星池计划"星座首批组网卫星发射成功
[33] 2023年12月09日、新浪網、朱雀二号遥三运载火箭发射成功
[34] 2023年12月09日、百度百科、天仪33卫星
[35] 2023年12月15日、CASC、我国成功发射可重复使用试验航天器
[36] 2023年12月14日、Gunter's Space Page、Chongfu Shiyong Shiyan Hangtian Qi(CSSHQ)
[37] 2023年12月31日参照、N2YO、PRC TEST SPACECRAFT2
[38] 2023年12月29日、Gunter's Space Page、X-37B OTV 1, ..., 7
[39] 2023年12月04日、CASC、长征二号丙运载火箭成功发射埃及二号卫星