【24-117】「中国科技期刊発展青書(2024)」が発表
代小佩(科技日報記者) 2024年12月27日
中国科学技術協会によると、「中国科技期刊発展青書(2024)」がこのほど発表された。青書によると、この10年間で中国の科学技術雑誌における総被引用回数とインパクトファクターは継続的に上昇しており、年間平均成長率はそれぞれ4%、8%となっている。「中国科技雑誌卓越行動計画」が実施されてから、科学技術雑誌の全体的な実力が顕著に向上している。
青書によると、中国の科学技術雑誌は2022年の5163誌から2023年には5211誌へと増加。新たに増えた48誌は主に英語の科学技術雑誌だった。統計によると、中国では英語の論文発表数も増加し、学術的な影響力も向上している。2022年における1誌当たりの総被引用回数は617.34であり、前年比10.37%増加した。1誌当たりのインパクトファクターは0.717であり、前年比15.83%増加している。中国では英語の科学技術雑誌の学術的影響力が継続的に向上しており、国際的に著名なデータベースにも多く収録されるようになっている。
2023年における中国の著者によるSCI(Science Citation Index)論文の発表数は72.87万本で、世界全体の約3分の1を占めている。同年、中国のSCI雑誌論文の相対被引用度は4.02、中国の著者によるSCI論文の相対被引用度は2.84で、いずれも世界平均を上回った。しかし、中国のSCI雑誌の数は依然として少なく、2023年、中国の著者が発表した論文数は中国のSCI雑誌が発表した論文数の19.27倍であり、2014年の9.45倍と比較してその差はさらに拡大している。
青書では、中国語科学技術雑誌の論文影響力が継続的に向上している一方で、発表論文数は年々減少傾向にあると指摘している。中国語科学技術雑誌の発展には複数の困難と課題が存在しており、例えば、中国語科学技術雑誌における質の高い原稿の不足、学術的位置づけや学問分野の配置が学問発展ニーズに応えられていないこと、オープンアクセス(OA)出版の発展が国際雑誌に比べて大幅に遅れていること、一部の雑誌が「小規模運営」モデルから脱却できず新技術の応用、知識サービス、交流プラットフォームの構築などの面で依然として課題があること、などがある。
中国科学院院士(アカデミー会員)で、『科学通報』など複数の雑誌で編集長を務める中国科学院微生物研究所研究員の高福氏は、「中国の科学技術雑誌は現在、かつてない発展の機会を迎えている。中国の科学に関するストーリーを世界に伝えるためには、国内雑誌の発展を重視する必要があり、特に中国語の科学技術雑誌を成功させることが重要だ」と述べた。
※本稿は、科技日報「《中国科技期刊发展蓝皮书(2024)》发布」(2024年12月24日付7面)を科技日報の許諾を得て日本語訳/転載したものである。