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【24-98】定点観測シリーズ 中国の宇宙開発動向(その29)

辻野照久(元宇宙航空研究開発機構国際部参事) 2024年10月25日

 今回は、定点観測シリーズの第29回目として、2024年7月1日から9月30日までの3か月間の中国の宇宙開発動向をお伝えする。

 北京星際栄耀空間科技公司は双曲線ロケットの打上げを行ったが、失敗に終わり、搭載した3機の雲遥衛星の軌道投入ができなかった。

 天舟8号の打上げは10月以降に予定されており、中国宇宙ステーション(CSS)に向けての打上げは本期間中にはなかった。

 国家電網有限公司のインターネット衛星「互聯網」や吉利科技集団の測位補強衛星「吉利星座」が保有衛星数を急増させている。

2024年第3四半期までの世界のロケット打上げ状況

 本期間の「衛星打上げ用ロケット」(以下、単に「ロケット」という)の打上げ回数は、中国が16回(うち1回は失敗)、米国が29回(うち1回はスペースX社の部分失敗で衛星20機は全損)、ロシアが3回、ニュージーランド(NZ)が3回、インドが1回、日本が2回、欧州が2回(うち1回は部分失敗)、イランが1回で、全世界で57回であった。表1に2024年9月末までの世界各国のロケット打上げ回数を示す。

表1 2024年9月までの世界のロケット打上げ回数 ★は打上げ失敗(内数)、☆部分失敗(同)
*1 米国の[ ]内はスペースX社の打上げ回数(内訳)
期間 中国 米国*1 ロシア NZ インド 日本 欧州 イラン 北朝鮮 世界計
1月-3月 14 32
[31]
5 4 2 3(★1)   2

 

62(★1)
4月-6月 16 38
[36]
3 4         1(★1) 62(★1)
7月-9月 16(★1) 29
[28(☆1)]
3 3 1 2 2
(☆1)
1   57
(★1)(☆2)
46(★1) 99
[95(☆1)]
11 11 3 5(★1) 2
(☆1)
3 1(★1) 181
(★3)(☆2)

中国と米スペースX社のロケット・衛星打上げ状況

 この期間に中国は16回(うち1回は失敗)の打上げを行い、自国衛星83機(うち3機は失敗)を打ち上げた。自国衛星のうち、地球観測衛星は40機(気象衛星を含む、うち3機は打上げ失敗)、通信放送衛星は27機(インターネット衛星やIoT衛星を含む)、航行測位衛星は12機(測位補強衛星を含む)、宇宙科学衛星(宇宙育種)は1機、技術試験衛星は3機である。

 表2に中国の打上げに使われたロケットや軌道投入された衛星などの一覧表、表3にロケット種別による2024年9月までの中国の打上げ回数と衛星数を示す。

表2 2024年7月1日から9月30日までの中国のロケット・人工衛星打上げ状況
国際標識番号の*は英字が未定であることを示す。
衛星名 国際標識番号 打上げ年月日 打上げロケット 射場 衛星保有者 ミッション 軌道
Tianhui 5C 天絵 2024-126* 2024/7/4 長征6A 太原 PLA 地球観測 SSO
Tianhui 5D 2024-126*
Yunyao 15 雲遥 2024-F03 2024/7/10 双曲線1(2) 酒泉 天津雲遥宇航科技公司 気象観測 失敗
Yunyao 16
Yunyao 17
Gaofen 11-05 高分 2024-130A 2024/7/19 長征4B 太原   地球観測 SSO
Hulianwang
Gaogui 02
互聯網高軌 2024-135A 2024/8/1 長征3B/G3 西昌 国網 通信放送 GEO
Qianfan Jigui
G01-18(18機)
千帆極軌 2024-140A~140S 2024/8/6 長征6A 太原 国網の関連企業 通信放送 SSO
Yaogan 43 01
01-09(9機)
遥感 2024-148A~148J 2024/8/16 長征4B 西昌 PLA 地球観測 LEO
Zhongxing 4A 中星 2024-151A 2024/8/22 長征7A 文昌 中国衛通 通信放送 GEO
Yunyao-1 15 雲遥 2024-153* 2024/8/29 穀神星3 洋上 天津雲遥宇航科技公司 気象観測 LEO
Yunyao-1 16 2024-153*
Yunyao-1 17 2024-153*
Jitianxing A-03 吉天星 2024-153* 国網の関連企業 通信放送
Suxing 1-01 蘇星 2024-153* 不明 通信放送
Tianfu Gaofen
2
天輔
高分
2024-153* 不明 地球観測
Yaogan 43 02
01-06(6機)
遥感 2024-156A~156F 2024/9/3 長征4B 西昌 PLA 地球観測 LEO
Geesat 3
01-10(10機)
吉利星座 2024-159A~159K 2024/9/5 長征6 太原 吉利科技集団 測位補強 LEO
Beidou 3 M27 北斗 2024-168A 2024/9/19 長征3B/G3Z 西昌 国防部

航行測位

MEO
Beidou 3 M28 2024-168B
Jilin-1 kuanfu 02B
01-06(6機)
吉林 2024-169A~169F 2024/9/20 長征2D(2) 太原 長光衛星公司 地球観測 SSO
Tianqi 29-32
(4機)
天啓 2024-170A~170D 2024/9/20 快舟1A 西昌 北京国电高科科技 通信放送
(IoT)
LEO
Tianyi 41 天儀 2024-173* 2024/9/24 捷龍3 洋上 長沙天儀研究院 技術試験 LEO
Xingshidai 15 星時代 2024-173* 国星航天技術 地球観測
Xingshidai 21 2024-173*
Xingshidai 22 2024-173*
Fudan 1 復旦 2024-173* 不明 技術試験
Tianyan 15 天雁 2024-173* 電子科技大 技術試験
Jitianxing A-01 吉天星 2024-173* 国網の関連企業 通信放送
Luojia 4 01
(Yuxing 2-05)
珞珈
(馭星)
2024-173* 武漢大学 地球観測
AISSAT 01 中科 2024-174* 2024/9/24 中科1(力箭) 酒泉 CAS 地球観測 LEO
AISSAT 02 2024-174*
Jilin 1 SAR01 吉林 2024-174* 長光衛星公司 地球観測
Yunyao 01 21 雲遥 2024-174* 天津雲遥宇航科技公司 気象観測
Yunyao 01 22 2024-174*
Shijian 19 実践 2024-177A 2024/9/27 長征2D(2) 酒泉 CAST 宇宙育種 LEO
表3 ロケット種別による2024年9月末までの中国の打上げ回数と衛星数
<CASCのロケット系列>
衛星数の( )は外国衛星の内訳
ロケット種別 長征2 長征3 長征4 長征5 長征6 長征7 長征8 長征11 捷龍
打上げ回数 12 5 4 2 5 3 1   2
衛星数 37 7(1) 17 3(1) 35 4 3   14(1)
<CASC以外のロケット>
ロケット種別 快舟 中科(力箭) 双曲線 穀神星 朱雀 引力 CASC+
CASC以外の計
打上げ機関 CASIC CAS 星際栄耀 星河動力 藍箭航天 東方空間
打上げ回数 4 2 1(★1) 4   1 46(★1)
衛星数 13 13 3(★3) 19   3 171(3)(★3)

 スペースX社はFalcon 9の28回の打上げで、ISSに向けてNASAの有人宇宙船「Crew Dragon 9」、旅行者向けにISSだけでなく1200kmの高度まで飛行した「Crew Dragon Polaris Dawn」、米ノースロップ・グラマン社の貨物輸送船「Cygnus CRS-21」とISSから放出する小型衛星2機、トルコの静止通信衛星「Turksat 6A」、欧州の航行測位衛星「Galileo」衛星2機、ノルウェー衛星2機、米国の「WorldView」衛星2機、米国偵察衛星「NRO113」と「NROL 118」各22機、米国の「Bluebird」5機、世界各国の衛星111機、自社のLEO通信衛星「Starlink」364機(打上げ回数17回、うち1回はロケットの部分失敗で衛星20機すべてが予定の軌道投入に失敗)の打上げを行った。以上の合計で、計536機となる。なお、8月28日の打上げでは再使用が22回目となるFalcon9機体の回収に失敗した。10月4日には22回目の再使用(回収はできない)となる機体を用いて、地球に帰還できない太陽周回軌道に小惑星探査機を投入することに成功した。

宇宙ミッション1 地球観測分野

(1) 中央政府の地球観測衛星

 ① 7月19日、CASCは光学観測衛星「高分(Gaofen)11-05」を長征4Bロケットにより打ち上げた[1]。高分衛星の累計は30機となった。他の極軌道衛星と異なり、近地点が300km(遠地点は770km)と非常に低い楕円軌道になっている。

(2) PLAの地球観測衛星

 ① 人民解放軍(PLA)は新系列の「遥感(Yaogan)43号」衛星を2回の打上げで計15機打ち上げた[2][3]。15機の内訳は、1回目が01-01~09の9機、2回目が02-01~06の6機である。いずれも長征4Bによる打上げ。遥感衛星の累計打上げ数は156機となった。

 ② 7月4日、PLAは立体測量衛星「天絵(Tianhui)」2機(5Cと5D)を長征6Aロケットにより同時に打ち上げた[4]。天絵衛星の累計打上げ数は10機となった。

(3) 中国科学院(CAS)の地球観測衛星

    CASに属する空天信息創新研究院(AIR)(以前の組織名は地球観測・デジタル地球研究所[RADI])は9月24日に長征2Dロケットにより地球観測衛星「中科(Zhongke)」2機(01、02、別名AIR)を打ち上げた。

(4) 地方政府(吉林省)

 ① 9月20日、長光衛星公司は「吉林(Jilin)1 寛幅(Kuanfu)02B」を長征2Dロケットにより6機同時に打ち上げた[5]

 ② 9月24日に初の合成開口レーダ衛星「吉林1 SAR01A」を長征2Dロケットにより他の技術試験衛星4機とともに打ち上げた[6]。同時打上げの4機も地球観測衛星で、中国科学院が2機、雲遥宇航公司も2機を搭載した。

(5) 民間の気象観測衛星

 ① 雲遥
 最近多数の雲遥(Yunyao)衛星を打ち上げている天津雲遥宇航科技公司は、本期間中に3回の打上げを行い、7月10日は双曲線ロケットが失敗に終わった。8月29日は黄海からの穀神星ロケットの洋上打上げで、15~17号の3機の軌道投入に成功した。9月24日は中科ロケットによる打上げで、21号と22号の打上げに成功した。雲遥衛星については、これまでは技術試験衛星としていたが、衛星のミッションが気象観測であることは明らかなので、今回から地球観測衛星のグループに含めることとした。

 ② 8月29日のその他の打上げ
 衛星の詳細は不明であるが、江蘇省のいずれかの機関が「天輔高分(Tianfu gaofen)」衛星を打ち上げた。

 ③ 9月24日に捷龍ロケットにより地球観測衛星が4機打ち上げられた。「星時代Xingshidai」3機(15号、21号、22号機)、「珞珈(Luojia。別名「馭星」Yuxing)」である。他の3機は技術試験衛星。

(6) 雲南省に地球観測地上局を設置

 9月27日、中国科学院空天信息創新研究院(AIR)は雲南省麗江(Lijiang)に新たな地球観測衛星の地球局を設置し、この日に正式に運用を開始したと発表した[7]。施設の正式名は西南麗江站。

(7)欧州と共同の龍計画(ドラゴン計画)

 6月26日、中国科学技術部と欧州宇宙機関(ESA)2024年から2028年の期間で第6期龍計画を実施することを正式に発表した[8]

宇宙ミッション2 通信放送分野

(1)中央政府の通信事業

 8月1日、国家電網(国網)はインターネット衛星「互聯網高軌Hulianwang Gaoigu 002(静止衛星)を長征3Bロケットにより打ち上げた[9]。国網では低軌道周回衛星と静止衛星のほか、関連企業の極軌道衛星も衛星群構築に役立てようとしている。

 8月6日、国網の関連企業の1つはインターネット衛星「千帆極軌(Qianfan Jigui)」18機を長征6Aロケットにより打ち上げた[10]。長征6Aは第1段の周りにストラップオンブースターを4基装備。第1段の直径は3.35mと長征7と変わりがないように思われる。長征6の打上げ能力(SSOに1080kg)と比べると4倍以上(SSOに4500kg)もある。機体の直径も一回り大きく長征7に近いように見える。

(2)中国衛通(ChinaSatcom)の通信衛星

 8月22日、中国衛通は通信放送衛星「中星4A」(別名「神通(Shentong)3A」)を長征7Aロケットにより文昌射場から打ち上げた。

(3)民間企業の通信衛星

 ①IoT衛星
 9月20日、北京国電高科科技はIoT衛星「天啓(Tianqi)」(29号~32号)4機を快舟1Aロケットにより打ち上げた。

 ②その他の通信衛星
 8月29日、星河動力公司は自社の穀神星(Gushenxing)ロケットにより「吉天星(Jitianxing)A-03」と「蘇星(Suxing)1 01」の2機の通信衛星を他の4機とともに打ち上げた。
 9月24日の「吉天星(Jitianxing)A-01」は中科ロケットにより打ち上げられ、先行したA-03とは番号の順序が逆になった。

宇宙ミッション3 航行測位分野

 9月19日、国家航天局(CNSA)は中高度の航行測位衛星「北斗(Beidou)3M」27号と28号を長征3Bロケットにより打ち上げた[11]

 9月5日、Geespace社は測位補強衛星「吉利星座(Jili Xingzuo)02」10機を長征6ロケットにより打ち上げた[12]。最終的に74機の衛星群とする計画で、過去2回の打上げ分と合わせて累計が30機となった。

宇宙ミッション4 有人宇宙活動分野

 天舟8号の打上げは10月以降を予定している。嫦娥が持ち帰った月の土壌(レゴリス)を搭載し、CSS船外において宇宙空間に暴露し、3年間の環境試験を行う[13]

宇宙ミッション5 宇宙科学分野

(1)月探査

 嫦娥6号は5月3日に打上げに成功し、月の裏側のレゴリス(中国語で月背土壌)を約1.9kg採取して持ち帰り、6月25日に帰還して、世界で初めて月の裏側からのサンプルリターンミッションを達成した。CSSにおいて将来月で基地建設を行う段階では現地のレゴリスを建設資材として利用することを想定した準備である。

(2)惑星探査

 9月11日、CASCは2028年頃に「天問(Tianwen)3号」を打ち上げると発表した[14]。天問3号は火星の惑星から試料を持ち帰ることを計画している。

(3)宇宙育種

 9月27日、中国空間技術研究院(CAST)は再使用型微小重力実験衛星「実践19号」を長征2Cロケットにより打ち上げた[15]。5か国の実験装置を搭載し、主に宇宙育種の実験を行う。

宇宙ミッション6 新技術実証分野

 9月24日、CASCは捷龍(Jielong)ロケットにより技術試験衛星「天儀(Tiqnyi)41」、「復旦(Fudan)1」、「天雁(Tianyan)15」の3機を打ち上げた。技術試験衛星の他に、地球観測衛星や通信衛星など5機も同時に打ち上げた[16]

宇宙ミッション7 宇宙輸送分野

①7月10日、北京星際栄耀は「双曲線(Shuangquxian)」ロケットの7回目の打上げに失敗し、成功率が42.8%(3/7)となった。

②千帆極軌衛星を打ち上げた長征6Aロケットの上段は、打上げミッション終了後の8月10日ころ、機体の爆発により多数の宇宙デブリになってしまった。

③7月には中国の他に米国と欧州でロケット打上げの部分失敗が相次いだ。スペースX社のFalcon 9は第1段による軌道投入に成功したものの、第2段の燃焼時間が不足したため予定の軌道に投入できず、衛星の推進力も使ってみたが、結局20機の衛星全部が所定の軌道投入失敗となった。欧州ではアリアン5に代わる主力ロケットとなる「アリアン6」ロケットが初めて打ち上げられ、搭載した衛星12機のうち、10機までは予定の軌道に投入されたが、残る2機はロケット機体から分離できないという部分失敗のために衛星とはならなかった。

参考資料:衛星打上げ以外でのロケット打上げの例

 前回から本文冒頭で『「衛星打上げ用ロケット」(以下、単に「ロケット」という)』という断り書きを入れたのは、編集部から「衛星打上げ以外のロケットを取り上げないのか」というお問い合わせをいただいたからである。そもそも「ロケット」は、内蔵する推進薬(燃料+酸化剤)を燃焼させて作用反作用の原理により、遠く離れた目的地に向かって、高速度かつ高高度で飛翔体を飛ばすための動力装置であり、さまざまな用途に汎用的に使われる。

 万有引力を発見した英国の科学者ニュートンは、ロケットを高さ100kmくらいの高い山の頂上から水平に打ち出すと、初速度が高いほど着地するまでの距離が遠くなり、空気の抵抗がなければ、ついには引力による高度の低下と地球が丸いことによる高度の低下が相殺されて、無動力で落下し続けているにもかかわらずいつまでも飛翔し続けることができるという「人工衛星」の原理を発見した。このようなスピードを真空中で出せる動力はロケットしかない。ニュートンはその速度を毎秒約7.9km(マッハ23程度)と計算した。1957年に旧ソ連が初めて人工衛星「スプートニク」を打ち上げるまでは、さまざまな方式のロケットが研究されていたが、ドイツ帝国はフォン・ブラウンが開発した「V-2ロケット」を用いて英国まで到達する爆撃機を実用化し、これが後に「人工衛星打上げ用ロケット」の土台となった。

 それでは、衛星打上げ以外の目的でロケットを用いるミッションにはどのようなものがあるだろうか?以下にいくつかの例を列挙する。

 ① ミサイル(軍事用)
 中国ではフォン・ブラウンが開発した「V-2」ロケットをベースに「東風1号」短距離弾道ミサイル(SRBM)を開発し、1970年に「長征1号」ロケットにより中国初の衛星「東方紅1号」の打上げに成功した。さらに「東風3号」、「東風4号」などの中距離弾道ミサイル(MRBM)をベースに「長征2号」、「長征3号」、「長征4号」のシリーズに発展した。大陸間弾道ミサイル(ICBM)として「東風5号」も開発した。その後開発された「東風31号」ICBMは、固体4段式の長征11型ロケットのベースになっていると思われ、道路のような射場ではない場所でも打上げを行うことができる。
 中国は2007年にミサイルによる衛星破壊実験を行い、運用を終了した気象衛星「風雲1号C」に命中させて衛星本体を粉々にした。しかし、無数の破片はほとんど落下せず周回を続けており、運用中の衛星が脅威に晒されている[17]

 ② 気象観測(サウンディング)ロケット
 日本の気象庁は、岩手県三陸町にあった気象ロケット観測所において、1970年7月15日から2001年3月21日までの間に成層圏に向けて気象観測ロケットを1119回打ち上げた[18]

 ③ サブオービタルロケット(微小重力実験など)
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙科学研究所(ISAS)は、日本独自のロケットにより宇宙科学衛星を軌道投入することを目指していた。1960年代に衛星を搭載したラムダ4Sロケットの実験打上げに4回連続で失敗し、1970年に5回目の実験で初めて日本初の衛星「おおすみ」の軌道投入に成功した[19]

 ④ サブオービタルの商業打上げロケット
 カナダは独自の打上げロケットの実績がないが、サブオービタルの商業打上げでは1960年代からの実績があるマゼラン・エアロスペース社の「ブラック・ブラント」ロケットが欧米諸国の各種のミッションで利用されており、世界屈指の商業打上げビジネスを成功させている[20]

以上


[1] 7月19日、CASC、长四乙火箭成功发射高分十一号05星

[2] 8月16日、CASC、长四乙火箭成功发射遥感四十三号01组卫星

[3] 9月3日、CASC、长四乙火箭成功发射遥感四十三号02组卫星

[4] 7月5日、CASC、长六改火箭成功发射天绘五号02组卫星

[5] 9月20日、CASC、长二丁“一箭六星”发射任务圆满成功

[6] 9月24日、百度、“吉林一号”SAR01A星,成功发射!

[7] 9月27日、CAS/AIR、中国遥感卫星地面站丽江站建成并投入运行

[8] 6月26日、百度、中欧科技合作“龙计划”六期正式启动

[9] 8月1日、CASC、长三乙火箭成功发射卫星互联网高轨卫星02星

[10] 8月7日、CNSA、我国成功发射千帆极轨01组卫星

[11] 9月19日、CASC、长三乙/远征一号火箭成功发射两颗北斗导航卫星

[12] 9月6日、CASC、长征六号运载火箭一箭10星商业发射又获成功

[13] 9月6日、CASC、月壤砖将搭乘“天舟八号”前往中国空间站

[14] 9月11日、CASC、天问三号任务计划于2028年前后实施发射

[15] 9月27日、CNSA、我国成功发射首颗可重复使用返回式技术试验卫星

[16] 9月24日、百度百科、复旦一号卫星

[17] 2012年、NISTEP「科学技術動向」5/6月号、宇宙からの災害リスクを低減する宇宙状況認識

[18] 2016年、気象業務支援センター、気象ロケット観測30年報

[19] 2023年1月14日、Gunter’s Space Page、L Class

[20] 2024年9月参照、Magellan Aerospace、GlobalSolutions for the Aerospace Market


辻野照久氏記事バックナンバー

 

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