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【25-081】テクノロジーによる都市管理でAIを「飾り物」にするな

代小佩(科技日報記者) 2025年09月25日

 中国では近年、都市化プロセスが加速しており、都市化率は2012年の53.1%から24年には67%へと上昇し、都市常住人口は9億4400万人に達しした。都市はすでに、数億人の幸福な生活を支える重要な基盤となっている。

 規模が日増しに拡大し、構造がますます複雑化する現代都市においては、従来の粗放的な管理はすでに維持できなくなっている。ビッグデータやAI(人工知能)、モノのインターネット(IoT)などをはじめとする現代テクノロジーは、都市ガバナンスの難題を解決する重要なサポートを提供している。たとえば、インテリジェント交通システムがラッシュ時の渋滞を効果的に緩和し、デジタルプラットフォームが移動販売業者に自動的に出店場所を割り当て、「都市ブレイン」が電動自転車バッテリーの室内持ち込み充電を監視する......。これらの革新的な実践は、都市ガバナンスをより精緻かつ効率的にするテクノロジーの実践例だ。

 しかし、都市管理における技術活用の実践において、一部の地域では誤った方向性に陥っている。ある地域では、テクノロジーの派手さばかりを追い求め、多額の費用を投じて「AIスマートランニングトラック」を作ったものの、まともに利用できずに「飾り物」と化した。ある地域では、需要を無視して無計画にスマートコンピューティングセンターを導入し、結局は応用事例が不足して「空中の楼閣」と化してしまった。ある地域では、交通渋滞の問題を放置しながら、バス停の「スマート化改造」に力を入れる本末転倒な状況も見られた。さらに悪いのは、AI技術を「飾り物」として、見栄えの良さの強調や検査対応に使い、「デジタルの形式主義」を助長している。これは技術応用という本来の目的と逆行するやり方だ。

 都市管理をテクノロジーで支えることは、単なる技術の積み重ねでもなければ、見た目の華やかさや賑やかさを追うことでもない。重要なのは技術の応用を通じ、都市運営に存在する課題や難点を着実に解決することだ。たとえば、洪水被害が多発する状況に対しては、先進的なセンシング技術を活用してリアルタイム監視や効果的な排水を行い、市民が洪水被害に遭わないようにする。都市交通の渋滞問題に対しては、AI技術によって交通管理を最適化し、通勤者の移動をより効率的かつ円滑にする。市民の「行政の手続きが難しい、遅い、煩雑だ」という問題に対しては、データの壁を打破し、医療保険の決済、商事登記、プロジェクト審査などの行政サービスをオンライン化して、ユーザーが窓口に出向かなくて済むようにすることができる。

 言い換えれば、テクノロジーが役に立つかどうかは、問題を解決できるかどうかが鍵となる。そして問題を解決するためには、まず問題を正しく見極める必要がある。徹底した調査を通じ、市民が関心を寄せる切実な問題をタイムリーに把握し、都市運営の課題や難点を正確に捉え、「市民の求めがあれば、技術で応える」ということを実現する。現在、多くの都市には「12345市民ホットライン」が設けられており、毎日数多くの市民の声が集まっている。届けられた情報の分析や処理を強化することは、技術の研究開発と応用にとって重要な参考となる。さらに、技術応用の全過程で、成果フィードバックメカニズムを確立し、効果に基づいて技術の最適化・改善方向を提案し、都市運営の「スマートブレイン」をますます「賢く」していく必要がある。

 都市の中核は人であり、テクノロジーは人に奉仕する道具だ。テクノロジーによる都市管理の強化は、常に実際の問題を解決し、市民の福祉を高めることを根本的な基準としなければならない。そうして初めて、都市生活の利便性と快適さが高まり、都市住民がテクノロジーの恩恵を享受し、より多くの満足感、幸福感、安心感を持つことができるようになるのだ。


※本稿は、科技日報「科技赋能城市管理,别搞"AI盆景"」(2025年9月8日付)を科技日報の許諾を得て日本語訳/転載したものである。

 

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