中国、ウラン濃縮技術の国産化に成功
2014年10月28日 単 谷(中国総合研究交流センター フェロー)
中核集団は蘭州のウラン濃縮基地で6月21日、長年の研究開発を経て、中国の原子力工業のキーテクノロジーであるウラン濃縮技術の完全国産化を実現し、世界のトップレベルに立ったと宣言した。これは、ロ シアなどに続いて、中国がウラン濃縮技術を独自に開発し、工業化応用の実現に成功した数少ない国のひとつとなったことを示す成果となった。
原子力発電所の多くは燃料として低濃縮ウランを使用している。そのうちウラン235の割合は2%から5%となっている。天然ウランの中に含まれるウラン235はわずか0.7%で、そ のほかはすべてウラン238で占められている。ウラン235の割合を高めることは原子力発電の発展にとって高い重要性を持つ。
「ウラン235の割合を高めるプロセスはウラン濃縮と呼ばれている。濃縮法の中で、電磁濃縮法、熱拡散法、ガス拡散法はすでに放棄され、レーザー法はまだ実験室段階にある。現在は主に、ガ ス遠心分離法が採用されている」。中核集団公司の総エンジニアを務める雷増光氏によると、ウラン濃縮遠心分離技術は、高速回転させた遠心分離機の高い遠心力を利用して、ウラン235とウラン238の分離を行う。
「中国はすでに、今後の原子力発電の発展ニーズを完全に満足させるだけの遠心分離機製造能力を有している。」雷氏によると、中核集団は現在、さ らに先進的で経済的な次世代の遠心分離機の開発を行っておりキーテクノロジーの研究で大きな進展を実現している。
ウラン濃縮遠心分離機の工業化という大きな科学技術の成果のほかにも、中核集団は近年、科学技術開発力を高め続けており、天然ウランの生産や核燃料サイクル、原 子力や原子力技術の応用といった分野で全面的なキーテクノロジーの突破を実現し、世界の先端、さらには世界をリードする水準に達し、コア競争力は大きく高まっている。