中国の高速鉄道が達成した「世界第一」
2015年 2月27日 中国総合研究交流センター編集部
中国の高速鉄道は2014年末、蘭州―新疆ウルムチ、貴陽―広州、南寧―広州の各区間が同日開通するなど、際立った進展を実現した。技術の導入から世界をリードする水準に達するまで、中国の高速鉄道は10年という短期間で、国内の評価を得るだけでなく、世界が注目する発展を成し遂げた。中国の高速鉄道がこれまでに打ち立てた「世界第一」としては、以下のものが挙げられる。
(1)最長の運行距離
2014年には、貴陽―広州高速鉄道、上海―昆明高速鉄道の杭州・南昌区間と長沙・懐化区間、蘭州―新疆ウルムチ高速鉄道などの路線が相次いで開通した。中国の鉄道運行距離は2014年末までに11万kmに達し、このうち高速鉄道は1.6万kmに及び、世界の高速鉄道の運行距離の半分を超え、その名に恥じない「世界第一」となった。
(2)最速の建設計画
中国の高速鉄道は2004年、技術の導入から吸収、再革新の道に踏み出し、本格的に加速の段階に入った。10年という短期間で、「四縦四横」と呼ばれる高速鉄路網の枠組みがほぼ形を整えた。今年末までに、中国の高速鉄道の運行距離は1.8万kmに達する見込み。高速鉄道を中心として、地域間の快速鉄道、都市間鉄道、在来線のスピードアップなどによって構成される快速鉄道網がほぼ構築され、総規模は4万kmを超え、人口50万人以上の都市をほぼカバーすることになる。
(3)最速の運行速度
中国の高速鉄道の最高時速486.1kmは、ジェット機の低速飛行時の速度に匹敵する。2010年12月3日、京滬(北京―上海)高速鉄道の棗荘・蚌埠試験区間で、次世代高速列車(動車組)「CRH380AL」が、運行速度として世界最高の時速486.1kmを実現した。
(4)寒冷地区で初の高速鉄道・哈大高鉄
2012年12月1日、高度寒冷地区で初の長距離高速鉄道となる哈大(ハルビン―大連)高速鉄道が開通した。運行距離921km、設計時速350kmで、遼寧・吉林・黒竜江の3省を貫き、沿線には23駅が設けられている。ここ30年の気象記録によると、東北3省の通年の気温差は80度に達し、中国で最も寒冷で、温度差の最も大きな地区となっている。
(5)世界最長の高速鉄道・京広高鉄
2012年12月26日、運行距離が世界最長の高速鉄道となる京広(北京―広州)高速鉄道が全線開通した。全長は2298kmに達し、中国の中長期鉄路網計画の「四縦四横」において重要な「縦」の一本を担う高速鉄道となる。北京から石家庄や鄭州、武漢、長沙などを経て広州までをつなぎ、設計時速は350km、初期運行時速は300kmとされている。
(6)一度に建設された世界最長の高速鉄道・蘭新高鉄
2014年12月26日、蘭新(蘭州―新疆ウイルグ)高速鉄道が全線開通となった。全長1776kmの同鉄道は、一度に建設・開通となった高速鉄道の最長記録を塗り替えた。