第102号
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中国2014年国民経済および社会発展に関する統計公報

2015年 3月31日 金 振(中国総合研究交流センター)

 2015年2月26日、中国国家統計局は、「2014年国民経済および社会発展に関する統計公報」を発表した(以下、公報)。ここでは、産業、エネルギー、の2つの分野の統計数値について紹介する。 

第三次産業経済規模が史上最大に

 公報によれば、2014年中国第三次産業(エネルギー生産、転換部門は含まない)の経済規模は、2013年比8.1%増の306739億元、GDPにおける割合は48.2%に達し、初 めて第二次産業の経済規模(271392億元、42.6%)を上回った。中国経済は、習近平政権が提唱する産業バランスの適切化目標向け、まずの一歩を踏み出したことになる。

図1 2014年中国産業バランス(GDP割合)

図1

出展:中国国家統計局「2014年国民经济和社会发展统计公报」に基づき、筆者作成。

石炭消費量が14年ぶりに減少

 エネルギー部門に関する統計数値のうち、特に世間の注目を集めたのが石炭消費量に関する値である。2014年の中国石炭消費量は、14年ぶりに減少に転じ、前年比-2.9%を記録した。去 年11月あたりから様々な団体や機関が、中国石炭消費量のマイナス成長を予測した。ここ数年、中国の石炭消費量の伸び率が1%前 後に止まっていたことや014年における石炭生産量が前年比-2.5%減少したことがその主張の根拠であった。発電部門における石炭需要の減少もマイナス成長の一因である。2013年比国全体の発電量は3.8%増 加したにも関わらず、火力発電量は逆に0.3%減っている。係る背景として、大気汚染対策の強化や省エネ基準の厳格化が挙げられる。

表1 2014年中国エネルギー消費関連指数

表1

出典:中国国家統計局「2014年国民经济和社会发展统计公报」に基づき、筆者作成